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映画「Fukushima 50」事実でないことを描く=生前に吉田所長自身が否定したことまで!? [再掲載]

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映画「Fukushima 50」事実でないことを事実として描く。=生前に吉田所長自身が否定したことまで!?

劇中で「総理の視察のせいで、ベントが遅れた」という描き方をしている。が、それは事実ではないこと。吉田所長自身が生前に否定。説明している。

(2014年9月17日 東京新聞記事より、福1吉田所長のインタビュー)

<官邸には現場の苦闘が伝わらず、十二日朝、菅直人首相がヘリコプターで福島第一に乗り込んだ>
 -首相は何を話したか。

 「かなり厳しい口調で、『どういう状況になっているんだ』と聞かれたので、『要するに電源がほとんど死んでいます。制御が効かない状態です』と。『何でそうなったんだ』ということで、『はっきり津波の高さも分かりません。津波で電源が全部水没して効かないです』という話をしたら、『何でそんなことで原子炉がこんなことになるんだ』と原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長に質問していました。『ベントどうなった』というから、『われわれは一生懸命やっていますけれども、現場は大変です』という話はしました。記憶はそれくらいしかない。時間はそんなに長くなかったと思います」

 -いかに現場が厳しい状況になっているかは説明したか。

 「なかなかその雰囲気からしゃべれる状況ではなくて、現場は大変ですよということは言いましたが、何で大変か十分説明できたとは思っていません」

 -首相が来たことで、ベントが遅れたか。

 「全くないです。早くできるものは(首相のヘリに汚染蒸気を)かけてしまったっていいじゃないかぐらいですから。私だって、格納容器の圧力を下げたくてしようがないわけですよ。総理が飛んでいようが、炉の安全を考えれば、早くしたいというのが、現場としてはそうです」

元記事=>https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/12

***********************

つまり、吉田所長が否定していることを、映画では「事実」として描いている。「総理のためにベントが遅れた」=>「事故対応の邪魔をした存在」ドラマでいう「悪役」。そのことで、職員50人は「それに耐えて頑張った英雄」という存在にできる。劇映画の手法だ。

ただ、それをこの映画でしていいのか? 映画冒頭に「真実の物語」とテロップを出し、エンディングに「この映画はフィクションであり、登場する人物は架空のものです」とは出さない。吉田所長も、東電も実名。つまり、全て真実ーノンフィクションということだよね?そんな作品で事実でないこと。嘘を描く?

さらに佐野史郎演じる「総理」は菅直人という名前では一度も呼ばれない。一方、吉田所長は「吉田所長」であり実名。ここから分かること。先の「総理がベントを遅らせた」という事実でないエピソードを描いたのは「勘違い」や「知らなかった」という理由ではないという事だ。事実ではないことを知りながら挿入したエピソードだと言える。

なぜなら「事実ではない!」と告訴された時に「あれは菅総理ではない。総理という名の架空の人物だ」と弁明するために「菅直人」という名前を使わず「総理」にしてあるのだろう。そこからもこの映画は意図的に嘘を交えて「悪いのは天災と官邸。東電は頑張った。日本を救った」という解釈を広めたいという事か? 似たことをした国がある。汚染水が溢れているのに総理が「アンダーコントロール」と嘘を言い、オリンピックを誘致。同じ手法なのだ。

俳優について=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-09

製作面について記事=https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

要は東電賞賛映画?=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-08


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菅直人・元総理から直接聞いた原発事故時の話。 [原発問題]

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菅直人・元総理から直接聞いた原発事故時の話。

昨年、友人の会で菅直人・元総理とお会いすることがあった。原発問題に関してあれこれお聞きしたいことがあったので超ラッキー。そこでお聞きしたこととほぼ同じ内容が写真の本、巻末のインタビューページで書かれている。(僕がインタビューしたのではないですが)

原発事故に関して僕もかなり勉強した。いろんな資料を読んだ。が、いろんなデマも飛び交い、本当はどうなのか?というところもあり、事故時の責任者である菅総理から直接、お話をお聞きしたいと思っていた。事故はすでに10年前になるが、菅元総理は非常に細かいところまで記憶しており、丁寧に説明してくれた。非常に論理的で分かりやすい。

政治家という人種はよく喋るが、本当に重要なことを言わず、調子のいいことばかり話す印象がある。が、理工系出身の菅さんの話は横道にそれたり、美化したり、誤魔化したりすることなく、事故の展開をストレートに話してくれた。ただ、インタビューではないので、あまり突っ込んだ質問をするのを躊躇したが、せっかくのチャンス。怒られても怒鳴られても聞きたいことがあった。

Speedyの件だ。放射能の流れを予測する機械があった。正確に爆発後の放射性物質の流れ(風で運ばれる)を予測していたのにも関わらず、当初は「機能せず」と報じられた。実際は機能しており、福島の避難民が移動する方向に放射能が流れていた。関係者は知りながら、警告を出していない。Speedyを管轄するのは文科省。そこから米軍と福島県にデータは送られた。が、官邸には上がっていないと聞く。それは本当だろうか? 総理や官房長官はそのことを知りながら、何もしなかったのでは?とも考えてみた。

それを菅さん。本人に聞いてみた。ただ「Speedyの存在は本当にご存知なかったのですか?」と聞くと「はい。知りませんでした」と答えるかもしれない。もし、知っていても「知らない」と答えやすい質問形式。そこで「なぜ、Speedyを活用しなかったのか?」と聞いた。その機械を知っていることを前提とした質問。すると冷静に理路整然と語っていた菅さんが少し感情的になる。

「だって、そんなものがあるなんて、官邸の誰も知らなかったんだよ。斑目さんあたりなら知っていたかもしれないが、誰も教えてくれなかった」

政治家というより学者、専門家のように分かりやすく冷静に話していた菅さんが、近所のオヤジが「知らないものをどうしろってんだ!」と訴えるような口調。その反応は隠していたことを追求されて反感を持ったか? 本当に知らないのに追求されて悔しいか?どちらかである。そこまでの彼の口調からして、もし知っていたのに知らない振りをするなら、感情的にはならず、冷静にその理由を説明したはずだ。

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だが、当時、誰も教えてくれず「悔しかった」という思いが呼び起こされた。だから論理性を失い、感情的になり近所のオヤジになったのだろう。そして、質問から答えまで時間がかかれば、言い訳や別の物語を考えたともいえるが、間髪を入れずに答えた。そのような時は作り話や言い訳ではなく、本音であることが多い。こちとら映画監督だ。嘘を見破る商売。菅さんは本当に知らなかったのだと思える。



そこから推察し、いかに東電、関係省庁から事故と対策に関する情報が上がって来なかったか? 情報網が整備されておらず、危険意識がなかったか?が実感される。官邸が何も対応できないことをマスコミ等は批判したが、前代未聞の事件。その中で彼が行ったことを聞くと、理工系の総理で良かったと思える。

もし、あの総理だったら「放射能が漏れた!だったらマスク2枚配れ〜」と言っていたかもしれない。情報のない中で、菅直人が取った行動が、事故現場に乗り込むということ。それをマスコミは批判したが、そのことで吉田所長との信頼関係も生まれ、現状を把握することもできた。


なのに「総理が作業を邪魔した」「現場に行くからベントが遅れた」とデマを流したのは当時、議員だった安倍晋三である。そのデマを採用、それが事実のように描いたのが「F50」という映画。ただ、事実を見つめると、原発事故を止めたのは菅直人でも吉田所長でも、50人の職員でもない。偶然と奇跡であの程度で収まったのだ(事故は続いてはいるが)職員の活躍で収束したわけではない。水蒸気爆発がなかったのも、いろんな偶然が重なったこと。さらに風向きが太平洋向きだったので、大量の放射能は東京ではなく、海に流れたことも大きい。東京に向かっていれば今頃死の街になっていたはずだ。

菅さんはそれも把握していた。僕も取材から何年も時間が過ぎているのでおぼろげな部分もあったが、菅さんはしっかりと記憶しており、それを理路整然と語った。「もう昔のことだから覚えていないなあ」とか「事故のことは詳しく言えないんだ」と逃げることもできたのに彼はしっかりと語ってくれた。とても真面目な性格。そこからも他の人が総理なら、事故が余計に拡大したかもしれないと思える。その意味でも、事故時に一番活躍したのは菅直人だったと言える。なのに一番、邪魔をし、混乱させた張本人と言われるのは、理不尽。事故を政治利用する人々の仕業なのだが。

そのプロパガンダがまさに「F50」と言う映画。菅直人と民主党を貶め、頑張ったが結局事故を止めることができなかった職員を英雄にする物語。先にも書いたが津波は予想されていた。防波堤を高くするプランを潰したのは安倍晋三と吉田所長だ。そのことも全く描かず、「東電、よく頑張った」と言う映画を見て感動する多くの人たち。悲しいとしか言いようがない。


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原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」ー2013ー感想「私たち親は、子供たちのために何をすべきなのか?を考える映画」 [【再掲載】]

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by 上杉パパ (2013-07-02 10:28)

行ってきました。静岡県湖西市。
映画朝日のあたる家ジャパンプレミア。
完成披露上映会。

1年以上前から太田監督に構想を聞いていて、この日を楽しみにしてました。
そして実際に観た率直な感想は……心に三打席連続デッドボールを受けた感じがしました。
痛いです。心がひどく痛みました。

原発事故があってからの平田家。
平沢いずみちゃん演じるあかねの『私たち何も悪いことしてないじゃない!』
その言葉で涙ボロボロ。
山本太郎さん演じる光太郎おじさんと
橋本わかなちゃん演じる舞との会話。
そうなんですよ。子供は親より早く死んだらアカンのです。
しかもその原因が原発なんて絶対に許されることではありません。

光太郎おじさんの提案に首を縦にふれない並樹史朗さんが演じるお父さん。
それで仮設住宅から家族が家に戻れるように必死で除線しますが……やがて訪れる絶望。
このお父さんがまた、自分自身とダブるところがあって、他人事とは思えなくなります。

舞がポツリと言います。
『幸せって何だったんだろう?』
何気ないことでも笑いあえる家族。
例え貧乏だったとしてもそれが幸せなんですよね。

他にも衝撃的な、親としたら自分の身体や心が傷つくよりも、
もっともっと悲しい出来事が起こります。

朝日のあたる家は原発事故を題材とした映画です。
あまり難しいことは考えられなくてもわかってる事は
現在、日本に人の住めない土地があるんです。
それはこの先何十年も、いやそれ以上住めないかもしれません。

【収束】ってなんですか?
避難してる人たちが無事に帰宅できて、笑ったり泣いたりして
普通に生活できるようになって、【収束】って言えるんじゃないんですか?
今の状況のどこが収束なんですか?

私たちは何をすべきなのか?
どんな行動を起こさなければならないのか?
朝日のあたる家が教えてくれると思います。
そして、この映画が日本人の心に響き、
原発事情にメスを入れることが出来るのを切に願います。


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原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」ー感想「マスコミでは絶対に扱われない事実が描かれている」 [【再掲載】]

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*小田原上映を支える方より*

なぜ、私がここまで「朝日のあたる家」を応援しているのか。
それには明確な理由があります。

それは、「朝日のあたる家」が、福島の現実を、
特に健康被害にまで踏み込んで描いているからです。
これは、今、 一番隠されていること、タブー中のタブーなのです。
マスコミでは絶対に取り扱われない事実。

私は、2年間、ひたすらネットで情報を集めてきましたが、
ネットでも、この話題に触れている人
(特にフォロワーが多いツイッターアカウントや、アクセスの多いブログなど)は、
ものすごいバッシングを受けています。

それは、尋常ではなくて、明らかに組織的な介入が感じるものです。
そんな中、太田隆文監督は、今まで商業映画を撮って来たにも関わらず、
もう2度と商業映画が撮れなくなる、という周りの忠告を無視し、
遺作になってもよいという覚悟で、この映画を作ったということは、
凄いことだと思うのです。

そして、何より、この映画を、フクシマの真実を知らない人
(つまり、ほとんどの 国民)に一人でも多く観てもらうことが、
何より大事だと思っているのです。

「事実を知って、原発に賛成する人などいない」

これが、私の活動のモットーです。
事実をいかに知ってもらうか。
そのために活動しています。

知らない、気づいてない人にこの映画を届けるためには、
まず気づいている人が映画を観て、上映してくれる映画館を増やし、
取り上げてくれるメディアを増やす必要があります。
「そのうち観よう」と思っていらっしゃる方、ぜひご覧になって下さい。

そして、お知り合いに、直接お声掛けして下さい。
何よりも口コミが強いです。
よろしくお願いします。

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日本人は考える力がない?② 国策教育で経済大国になったが、その人材では不況から逃れられない [【再掲載】]

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「日本人は考える力がない?」②
国策教育で経済大国になったが、その人材では不況から逃れられない

なぜ、日本人は考える力がないのか? その現状はここ何回か記事にした。一時は経済大国として「ジャパン・アズ・ナンバー1」と呼ばれた国であり優秀な国民なのに? そして本当に考える力がないのか? 検証したい。

日本の教育は優秀で文盲率がほぼゼロだ。つまり文字が読めない人はほとんどいない。留学時代に教師に言われたが、アメリカでは文字が読めない人が結構いる。それに対して日本は文章が読めるのはもちろん、足し算、掛け算は暗算でできる。これもアメリカ人が聞いたら驚愕する。分数ができたら「天才」と言われる。

やはり日本人は優秀?

でも、これらは文字が読め、計算ができると言うだけのこと。日本の教育を考えてみよう。僕の高校時代。科目は現国(現代国語)、数学、化学、日本史、英語R(リーダー読み)、英語G(グラマー文法)を中心として学年で多少変わる。古典、漢文、体育、美術(あと音楽、書道と3つから選択)、武道などもある。

大学受験、文系なら現国、日本史、英語が重要だった。それ以外のものは「どーでもいい!」という風潮が生徒にもあった。では、それらメイン科目の授業を思い出してみよう。

現国は近代の文学を取り上げていた。

夏目漱石、森鴎外、太宰治等、新しいものでは北杜夫があった。それらの小説を教師が解説、その文章は何を表現しており、どのようなことを伝えようとしているかを教えてくれる。また、小説に出てくる漢字、熟語、慣用句、等を覚えさせられた。

現代国語なので、目的は近代の小説等を味わい。その意味や主張を理解し、文学の世界を堪能し、読解力や感受性を育てると言うことだと思えた。が、テストになると教科書で習ったのと同じ小説の一部が出て、教師が教えてくれた意味や意図を質問してくる。つまり、読解力ではなく、授業で教わった通りに答えを書けばマル!になる。

あとは漢字や熟語の読み方。

意味。つまり、現代国語と言いながら、記憶力なのだ。「すでに教えられたことを覚えているか?」「その通りの答えが出来るか?」それが当時の現国だった。本当の意味での「読解力」や「文学を味合う感性」は問われない。

英語の授業では

「発音」や「イントネーション」は問われない。ベタな日本語英語でオーケー。教師も日本人なのでネイティブな発音はできない。メインは翻訳だ。英語の文を読ませて、それを日本語にする。単語の意味を問われる。題材はシェークスピアやオ・ヘンリーの短編小説があった。それが「R =リーダー」。

もう一つの「G =グラマー」の授業は文字通り文法。現在完了形。現在完了進行形。過去進行形等の文法を教わる。こちらも発音やイントネーションは関係ない。文法を覚えるだけ。つまり、英語文法を覚え、それに従って英文を翻訳する。単語の意味を覚える。それが英語の授業。英会話もない。自分の思いを英語で表現することもない。ディベートもない。

単語の意味を暗記する

文法を覚える。その文法を使い英訳という作業をする。それを間違いなくすることが「英語」のテストで高得点を取れる。だから、10年勉強しても英会話はできない。外国人が話す英語を聞き取ることもできない。そもそも、英語の授業というのは翻訳家を育てるのではなく、外国語を学び、海外の人とコミニュケーションができるようになり、視野や見聞を広げるための英語教育ではなかったか?

現国、英語以外の授業も同様

数学も、古典も、日本史も、暗記が中心。教えられたことを再現できるか?それをテストで試される。鋭い方はもう、お分かりだろう。これはあることを目的とした訓練になっている。特定の職業のための能力がどれだけあるか?を測るのが、日本の学校教育なのだ。

その成績で大学が決まり、その上位にある大学を卒業をした者を採用すれば、与えられたことを確実にこなし、記憶力優秀なビジネスマンとして働いてくれる。つまり、優れたサラリーマンになる人材を育て、選別するのが日本の教育システム=学校教育なのだ。その優秀な人材を国や大企業が使って、政治や経済を動かして行く。それによって経済大国を目指す。戦後の復興を進める。

それが国策として行われて来たのが日本という国。

その政策は機能し、一時は世界1の経済大国にまでなった。が、世界は変わった。バブル崩壊、リーマンショックで、それまでの発想では立ち行かなくなって来た。なぜか?

日本人は与えられたことはできるが、与えられないことを自分で考える力が育っていない。状況を把握し、新しい方法論で問題を解決することに不慣れなのだ。過去の方法論でしか対応できない。その結果がこの20年の不況。なのに、今も国策教育を続けている。そのこと。次回も詳しく説明する。


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「狙われた集団自決」=政府が隠したいもの。改竄したい沖縄戦の事実とは? [沖縄戦]

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「狙われた集団自決」=政府が隠したいもの。改竄したい事実とは?

この本は沖縄戦の集団自決を伝えた書籍に対して起こされた裁判を見つめ、その背景を伝えるものだ。大江健三郎著「沖縄ノート」(岩波新書)他3冊で「集団自決は軍の指示によるもの」という記述が事実ではないと訴えたのが、元軍人で渡嘉敷島に赴任していた赤松隊長の弟、他1名である。これが大江ー岩波裁判と呼ばれる。

実はこれ以前にも同じような訴訟があった。それが家永裁判。すでにその時、「軍の関与あり」との判決が出ているにも関わらず、同じ形で訴訟したことに疑問を感じる。だが、その背景紹介を読むと、なるほどそういうことか!と納得が行く。訴訟の担当弁護士の1人が稲田朋美。応援団は「教科書をつくる会」のあの人だ。

それが裁判途中の判決が出る前に、文科省は時期教科書から「軍の関与」記述を削った。同省は「選考委員会の決定」と説明していたが、「沖縄タイムス」のスクープで文科省から「削除指示」が出ていたことが暴露される。沖縄県民の怒りが爆発。大規模な市民集会が行われた。そこに参加した方々の名前を見ると「ドキュメンタリー沖縄戦」で取材させてもらった方々もいた。

彼ら彼女らのこれまでの活動も紹介されており、お話を聞かせて頂いた方々が様々な戦いを越えてこられたこと痛感。さらに、選考委員の2名が「作る会」との深い関係があることも発覚。要は文科省と「作る会」が連携。集団自決は軍の指示という事実を教科書から消し去るためのプロジェクトではないか?と思えてくる。それに対して、集団自決で生き残った地元住民が裁判で証言。その言葉に涙が溢れる。

裁判の記録というより、沖縄戦の真実は何か?を追求するものになっている。これは過去の話ではない。早々に廃棄された桜を見る会の招待者リスト。森友事件で改竄された公文書。政府は都合の悪い事実を今も改竄している。そして戦争に関して現代もなお改竄、隠蔽しようとするか?それを考えれば、日本軍の蛮行を消し去り、彼らを英雄に祭り上げることで、また戦争ができる国にしたいという意図を感じる。

その手法はまさに映画「Fukushima50」と同じ、事故を起こした責任者である東電社員を英雄に祭り上げてしまうやり方と同じなのだ。そうして原発推進を続ける。この教科書問題も同じ構図なのだ。後半を読んだらまた、記事にさせてもらう。


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原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」に寄せられた感想(2) [【再掲載】]

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おどりまゆみ ‏@MayumiOdori 10月11日
『朝日のあたる家』見てきました。泣いたな。何でもない日常が、一番幸せ。当たり前だけど、気づかないよね。あちこちで上映されればいいのに。中川コロナ遠いよー。

ひろ ‏@hiro_mjp 10月11日
まだみていない方!?
ぜひ、みてください。
映画「朝日のあたる家」


ひろ ‏@hiro_mjp 10月11日
中川コロナで見てきました。
「朝日のあたる家」
ほんとに、一人でも多くの人に見てもらって、感じて欲しい映画です。
映画をみて、9月に東北に行った時に聞いた原発の事や、津波のこと、
当時のことを色々な方に
お話聞いていて、それが鮮明に蘇ってきました。

kazumama ‏@kazumama01 10月11日
小金井で活動しているママ友と「朝日のあたる家」観て来ました。この間行った浪江町の町並みがよみがえって映画の場面と重なり、涙溢れて困った。監督のトークショーもあり、この映画にかける思いが伝わってきた。


Cat in heaven ‏@nyankomomo0607 10月11日
横浜ジャック&ベティ。「朝日のあたる家」10/19より上映開始。舞台挨拶もあり。やはりジャック&ベティさん上映してくれる。昔から好きな映画館だったけど信じてた。オーナーさん、有り難う。

REIJI WAKAYA ‏@g69w 10月10日
何故、この国には発行部数が多い大手新聞がありながら、芸人である、おしどり夫妻が東電会見に通い詰め新聞に載らない情報を伝えなければ伝わらないの?何故、太田監督のように映画という形で私達に思いを伝えようとした映… http://instagram.com/p/fRTx20P7Qg/

tomomi ‏@oddity_pure 10月11日
映画 朝日のあたる家 中川コロナ明日が最終日。今日3度目見てきました。仕事帰り直行で行ったけど少し遅れちゃった^^。今日の感想は、映画ではなく自分。今まで同じ映画3度も見た事無い。しかも映画館までかなり遠いのに行った自分と創った太田監督に拍手!心の中の目標は5回以上見るだった^^

絵理 ‏@HellSonicBallet 10月11日
昨日の朝、渋谷UPLINKにて『朝日のあたる家 』太田隆文監督×切通理作さんのトークショーに行ってきた。ドラえもんや鉄腕アトム、昔のヒーローやキャラクターは原子力で動いていて、70年代は原子力に対して夢と希望があったというお話をされていた。とても興味深くもっとお話を聞きたかった。

絵理 ‏@HellSonicBallet 10月11日
『朝日のあたる家 』は福島をなぞっているだけではない、という切通さんのコメントに大きく頷けた。日常の幸せ、家族の在り方、人間関係などいろいろ学ぶ事も多い映画だった。壱成くんと太郎ちゃんの台詞は、新聞、TVでは言えない真実の言葉だと思う。


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リモート・ドラマ「同窓会」シリーズ第三弾。今回はミュージカル?!配信開始だ。 [【再掲載】]



リモート・ドラマ「同窓会」シリーズ第三弾。今回はミュージカル?!

女優の藤田朋子さんの発案で、僕がシナリオを書いたリモートドラマ「同窓会」大好評。すでに5000回再生を超えている。

その第三弾!今回は「リモート・ミュージカル 同窓会」あのシナリオを大幅に脚色。ミュージカルにしてしまった!キャストも一新。歌う!踊る?と、よくぞzoomでやったなあ。

今回、僕は編集のみを担当。監督はあの方。ぜひぜひ、見て頂きたい。(30分)



前作




第二弾


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原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」ー感想「当たり前の幸せを奪われてしまった家族の物語」 [【再掲載】]

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「朝日のあたる家」感想 「カリーナの林檎 チェルノブイリの森」脚本家

 原発事故によって当たり前の幸せを奪われてしまった家族の物語。ある日を境に突然、その家族に襲い掛かるさまざまな出来事は、太田監督が福島で丹念に取材した嘘偽りのないもの。

 舞台を福島ではなく日本の原風景が残る静岡のとある町に設定し福島の次に起こった悲劇として描いているのは、原発事故はいつどこででも起こりうることなんだという危機感を観ている人に受け止めてもらいたかったからだったそうだ。

 その狙いは観客に十分、伝わっていると思う。直球ど真ん中、本当にストレートにメッセージを投げかけてくる映画だ。

 2003年に僕らが「カリーナの林檎」を製作するにあたり、ベラルーシとウクライナで取材した時に見て、聞いて、感じたことが、この映画にもたくさんつまっている。ふるさとを奪われ、バラバラになってしまう家族の姿。

 福島でもそういう家族の話を聞いた。この映画には、原発事故によって何が起こるのか、決して嘘や大げさではない、リアルが描かれている。原発の問題に関してはさまざまな意見があるだろうが、まずはこの作品を観て、もう一度考え、家族とでも友人とでも話をしてみるといいと思う。

 無関心は罪。福島でとんでもない事故は起ってしまった。子供たちに「私はいつまで生きられますか?」なんて言わせちゃいけないのだ。

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子供たちに伝えたいこと。「考える力」を育てないと生き残れない? [【再掲載】]

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僕の映画。テーマが「親子の伝えたる大切なこと」

なので、よくお母さん方から質問を受ける。「子供のために何をすればいいんですか?」その答えはとても難しい。昔なら「しっかり勉強して、いい大学に行き、一流企業に就職すること」と誰しも思っていた。

が、今や一流企業でも倒産したり、大量のリストラをする時代。エリートコースを歩んでも、絶望が待っているかもしれない。そして一生懸命勉強することは実は子供たちにとって大きなマイナス面がある。何度も書いたが、日本の教育は優秀なサラリーマンになるための訓練。与えられたことを確実にこなし、上には逆らわず、疑問を持たず、指示されたことを正確に、早くこなす能力を育てるためのものだ。

つまり、想像力。洞察力。共感力。

状況把握能力といった、社会に出てとても大切な力を育むものではない。分かりやすくいうとサラリーマン・ロボットになるための教育。バブル時代まではそれでよかった。が、言われることしかできない社員ばかりなので、上が時代錯誤になると、企業全体が駄目になり、電気製品も韓国に抜かれ、不況からも脱出できないのだと感じる。


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では、何が必要なのか? 

その前に聞いてほしい話がある。テレビで「****が人気!」といえば、それを鵜呑みにする人が多い。自分では確かめていないのに「テレビが言ってるから!」と信じてしまう。ニュースキャスターが「*****」といえば、それを自分の意見のように人にしゃべってしまう。「東京の偉い先生が***と言っているんだから、間違いない!」という人も多いだろう。これらこそが日本の教育の成果(?)なのだ。

上から与えられたことは素直に受け入れ、疑わない。つまり、テレビや権威のある大学の先生が言うことを絶対的に信じる。「考える」という教育を受けて来なかったことでの弊害だと考える。日本の教育は与えられたことさえすればOK、言われないことまですると注意される。なので、上からの指示、情報は疑わずに受け入れる。頭を使うのはそれこから。

でも、これからの時代で大事なのは、

情報を得たとき、そのまま受け入れるのではなく、その裏や意味を想像する力。風を読み、時代の流れを感じて、「今は何が必要か?」を自分で考える人だ。そんな力を持つことで、混沌とした時代を生抜いて行けるはず。でも、すでに社会人の大人はもう遅いかもしれない。せめて子供たちの「考える力」を育てたい。

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どうすれば「考える力」は育つのか? 

考えろ!といって考えられるものではない。そもそも考えるとはどういうことなのか? 例えば、目の前に白い色があっても、白と認識するのは実はむずかしい。そこに黒があることで、違いが分かる。あきらかに白とは違う色ということで認識。つまり、比較することで、物事を認識できる。

具体的にいうと僕が子供の頃、銀行は3時で閉まるのは当たり前だった。不便だし、働いていると預金を降ろしに行くこともできない。その後、自動支払機が出来てからも、しばらくは午後6時で終わり。その後も、100円の手数料が取られた。何で自分の金引き出すのに手数料が? と苛ついたが、それが当たり前だと思っていた。

ところがアメリカに留学すると、

銀行はどこでも午後5時までやっているし、自動支払機は365日、24時間。手数料なしで引き出せる。そうだよな! それが顧客サービスだし、何で自分の金出すのに手数料取るの?と思えた日本の銀行がいかに努力をしていないか?が分かる。その後、日本も改善され、3時以降も営業するところ、手数料なしで引き出せる機械もできたが、日本人は不便を不便と思わず、それが当たり前と思っていたのだ。

同じように日本では当たり前ということが、実は世界の非常識だったりする。そんな経験をすると、物事は一面だけではないこと。当たり前だと思っていたことが実は違うこと。別の側面があり、違った論理があると分かってくる。いろんなことを疑い、本質を見つめようとする。問題が見えてくれば、どうすれば解決できるか?試行錯誤する。それが「考える」ということ。その力が今の日本人は決定的に欠けている。

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サラリーマン育生教育を受けて来た僕の世代。

50歳を超えた友人たち(関西人だけど)に日本社会の問題点をどう思うか訊く。「そんなん、しゃあないやん。オレらにどうにかできる問題とちゃうし。考えてもしゃーない!」とよく言われる。そう「考えてもしゃーない!」考えることを放棄している。同時に考える力もないのだ。

決して友人は馬鹿ではない。それなりの有名大学を出て、それなりの企業で今も働いている。が、「考える」ということを放棄している。あれこれ、社会問題について質問を続けると、怒り出す。日頃から「考える」ということをしていないので、答えられなくなり取り乱してしまうのだ。10代から「与えられたこと」を教えられた通りにこなすことしかしていないので、状況を見て自分で判断。意見を持つことができない。

彼が悪い訳ではない。

そんな教育を受けて育ったのだ。教えられてないことを要求してもできない。多くの日本人が自分の意見を持たず、ニューキャスターの発言を鵜呑みにして、それが自分の意見になる背景もここにある。では、どうすれば子供たちは自分で考えるという習慣がつくのか? いろいろあると思うが、そんな質問を受けたとき、僕は留学を進める。

情報化社会といいながら、

まだまだ日本人が知らないことは山ほどある。情報番組やネットで情報を得て、海外のことが分かったつもりになっているが、実際に行くと大きな違いを痛感する。海外旅行では駄目。やはり、その国に住み、暮し、地元の人と接してみないと分からない。そこで初めて日本との違いを実感する。そこから「考える」という行為をするようなるのだ。

僕自身。アメリカ映画とアメリカの音楽で育ち。ドラマもアメリカ。アメリカ人よりアメリカ文化には詳しいくらいだが、やはり住んでみると、数々の驚きがあった。その意味で、若い人には留学を勧める。アメリカでなくてもいい、ヨーロッパでも、アジアでも。日本以外の国に行けばいろんなことが見えてくる。日本の駄目な点だけでなく、日本の素晴らしさも分かる。海外で生活したことがないのに「日本はいい国だ!」という人がいるが、本当の良さは分かっていないだろう。

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少し前まだは円高で、

東京の大学に進学するより海外の方が安くついたのだが、現在は円安。子供を留学させることは難しい家庭も多いだろう。ただ、留学のみが「考える力」を育てる方法ではない。いろんな方法がある。それはまたの機会に紹介する。いずれにしても大事なことは、子供たちを昔通りに日本の教育を受けさせて、一流大学、一流企業を目指すだけでは、考える力は育たず、いずれ、大人になってから大変な思いをするのは間違いない。

だから、子供たちと、その親たちに、今、何をするべきか? あれこれ考えて、映画を作る。そうやって、幸せになるヒントを届けられれば嬉しい。



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