【トラブルを続けるあの女性は、この病気かもしれない?ー境界性パーソナリティ障害】 [2016]
【トラブルを続けるあの女性は、この病気かもしれない?ー境界性パーソナリティ障害】
⑦ 自分は被害者を演じ、取り巻きにターゲットを攻撃させる?(再掲載)
境界性パーソナリティ障害を勉強して分かったこと。その一部を自分なりにまとめて紹介する。僕は物語を作るのが仕事の1つだが、この病気のことを知り、驚愕したことがある。物語を作る上で、悪役、或は敵役は主人公に対していろんな攻撃をせねばならない。暴力や誹謗中傷、嫌がらせ、映画ではギャングやヤクザがその種の嫌らしい方法で、主人公たちを困らせる。
昔の高倉健のヤクザ映画を見ても、チャールズ・ブロンソンの映画を見ても基本は同じだ。現代ではテロリストが悪役であることが多いが、手法は同じ。爆弾テロや銃の発砲で市民を犠牲にする。だが、境界性パーソナリティ障害の患者は映画の上を行く巧妙な手を使う。
ー患者は自分が取り付くためのターゲットを探す。
見つけると、相手を賞賛し近づく、短期間で懐に飛び込み、自身の辛い体験等を語って信頼や愛を勝ち取る。同時に、ターゲットのまわりにいる人たちにも取り入る。愛想を振りまき、いい子であることをアピール。いわゆる「取り巻き」を育てる。
やがてターゲットに対して、無理難題を要求し始める。その要求に応えないと激怒。手のひらを返したように攻撃を始める。その攻撃というのは、ウソを交えた話を「取り巻き」に流し、自身が被害者であり、ターゲットに酷いことをされたといい触れ回るのである。
事情を知らない「取り巻き」たちは「それは酷い!」と激怒して、ターゲットを批判、攻撃する。こうしてターゲットは社会的な信用を失い大変な思いをする。患者の目的はそうやって相手を追いつめ、自分のいいなりに操ろうとすることなのだ。
ーもし、患者の要求を受け入れれば、
さらなる無理難題を出してくる。逆に拒否、批判をすると、患者は自分が被害者であることをさらにアピール。まわりにターゲットを攻撃させる。言い方はよくないが、物語を作る仕事をする者として、見事な攻撃方法だと思う。
作家として考えつかない手法だ。褒めてどうする?という気もするが、とてもよく出来たやり方であり、はめられると逃げられない。その上、患者の多くは女性であることが多く、ターゲットは男性になりやすい。社会的に見ても、か弱い女性が被害者。男性が加害者と見られがちだ。
しかし、そんな凄い手法をどこで学ぶのか?と思うのだが、これが境界性パーソナリティ障害の症状なのだ。学んだり、教わったものではない。とても病気とは思えない。策士とか性悪というふうに解釈してしまう。
ーだから、一般の人は患者が病気だとは考えず、
「取り巻き」にされた人たちは「可哀想な***子を守ろう。助けよう!」と思うし、第三者は「何か揉めてるなあ。どっちもどっちでじゃないの?」と他人事と考える。
いろいろと読んだ文献が提言するのは、とにかく患者には近寄らないこと。本当の愛がある肉親等が病院に連れて行くならいいが、そこまでの思いがないなら、関わらないこと。批判や反撃をしても、相手は「自分の存在を意識している」と解釈して喜び、同じ行動を続けるという。一番効果があるのは 無視すること。患者は挑発してくるが、反応してはいけない。それは先方の思う壺。術に嵌ったのと同じだ。
ー患者の背景にあるもの。
その意識については以前に書いたので今回は省略。行動パターンのみを書いたが、これが境界性パーソナリティ障害という病気である。人口の2%が患者と言われる。あなたのそばにも必ずいる。そして常識ある通常の生活をしている。精神病という先入観で見ていては気付かない。僕のまわりにも、その種の人がいたが、最初は気付かなかった。「え、なぜ?」と思えて、いろいろ調べて病気だと分かった。正確な情報を得て、対応することが大事だと思える。
興味ある方、つづき⑧はこちら=>http://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/2016-01-27-1
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