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「ドキュメンタリー沖縄戦」はこうしてスタートした?=沖縄試写会までカウントダウン! [2019]

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「ドキュメンタリー沖縄戦」はこうしてスタートした?=沖縄試写会までカウントダウン!

それはある団体からの依頼で始まった。

「沖縄戦を伝えるドキュメンタリーを作りたい。ぜひ、太田監督にお願いしたい」

担当者に会い話を聞く。若いが、なかなか思いのある人だった。彼自身が少し前まで沖縄について何も知らなかったが、友人と共に慰霊の日に沖縄を訪れて衝撃を受けたという。沖縄戦を伝えなければ。それを職場で提案したところゴーサインが出たという。

学校教育では「日本史」を学ぶが太平洋戦争は詳しく教わらない。多くの日本人は沖縄戦をほとんど知らない。そのことを伝える映像を作ることはとても意味ある仕事だ。以前から僕は沖縄に興味があった。ぜひ、やりたい。ただ、製作費はかなり安い。この予算でどこまでできるか?だが、これはやるべき仕事だ。

それとは別に大きな不安があった。

学生時代の話だが、友人の誘いで見に行った原爆を題材にした舞台。戦前、戦中の広島を描き。戦争の悲しみを伝える作品だ。ところが最後に宗教の話が出てきて「だからこそ、***教にすがるべきだ」というような結末。???? 

芝居はその新興宗教の団体が主催。広島原爆は単なる題材であり、その宗教に入信することで苦しみから逃れることが出来たという物語。要は教団のPR。戦争の悲劇を描くことはいい。それを宣伝に使うのはおかしい。特に「わが教団の教えを否定するのは、戦争に賛同すること」というようなおかしな論理の押し付けに呆れ果てた。

同じように、戦争を利用して自社のPRをくっつける映画や舞台を主催する企業や団体がある。そんなことがあるので依頼してきた団体に対しても、もし、理念や教え。会社や団体のPRを作品に持ち込むのならやらない! 宣伝の片棒は担げない。沖縄戦を利用する恥ずべき行為。ただ、純粋に「沖縄戦」を紹介し伝える作品ならば、喜んでやらせてもらうと答えた。担当者はいう。

「今回の企画は政治や思想に囚われない客観的な視点で、戦争の悲劇を描く作品にしたいです」

そう聞いて快諾。長い長い取材が始まった。それが3年前。そして沖縄戦を猛勉強。9回に渡り沖縄取材。この3月に完成したのが「明日にかける橋」につづく僕の6本目の監督作であり、初の長編「ドキュメンタリー沖縄戦」だ。現在、スポンサーが沖縄で完成披露試写会を準備中。12月予定。「多くの人が賛同、協力してくれた作品なので、まず、感謝を込めて沖縄で上映したい」とのこと。

那覇市の大きなホールで盛大に上映するとの話を聞いている。関係者だけでなく、一般の方にも見てもらえるので、是非是非、来て頂きたい。これまでにないドキュメンタリーになっている。乞うご期待。



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映画「ジョーカー」もう一つの見るべき点。妄想と病の母? 被害者を装う加害者 [境界性パーソナリティ障害]

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映画「ジョーカー」もう一つの見るべき点。妄想と病の母?

犯罪者なのに共感せずにはいられないというジョーカーという主人公。まさに今の時代ならではの存在と思える。これまで映画としての魅力を紹介してきたが、今回はもう一つの見るべき点について書いてみる。精神病を扱っているところだ。少しネタバレになるので、未見の方はこの先は読まないでほしい。

ジョーカーの母は精神病。しかし、日常生活を見ていると特別におかしなことはしない。叫び出したり暴れたりしない。同居しているジョーカーも病気であることに気づかない。母は毎日のように手紙を書き、返事が来るのを待っているが、それは年取った女性ならありえること。だが、彼女は妄想を伴う病で、事実でないことを事実だと思い込み、息子にも話している。病気であることを知らないジョーカーが信じてしまうのも当然のことだ。

これ。僕が以前に何度か書いた「患者」の話と同じ。社員を踏みつける冷酷な社長、男を追い詰め破滅させる女性、いくつかの例を書いたが、ジョーカーの母もその種の病気なのだ。これまでの映画で精神病というと、叫んだり、暴れたりする怖い人というイメージがほとんどだった。

しかし、実際はそうでない人が多く。誰にも病気だと気づかれずに普通の生活をしている。実際にあった話をしよう。若い女性患者が「恋人のAさんに酷いことをされた...」と思い込む。本当はちょっと冷たくされただけなのに、病気なので妄想が膨らむ。泣きながらAの友人に告白。誰も妄想とは考えない。

「酷いやつだ!」「許せない!」「Aをとっちめよう!」

「彼女に謝れ!」「大切にしてやれ!」

周りがAを攻め立てる。彼は薄々、彼女がおかしいことに気づいていた。何とか別れたい。夜の長電話。何時間でも彼女は話し続ける。止めようとすると怒り出す。「捨てられる」と思い込むのだ。そしてまた妄想を交えて「彼が酷いことするの...」と虐待されたような話をする。

「会いたい。今すぐ来て....」

仕事中に連絡がある。拒否すると「今、薬を飲んだ。さようなら...」と電話を切られる。でも、周りは彼女の異常に気づかない。妄想も「宇宙人が攻めてくる」なら分かるが「彼に酷いことされた」はありえる話。周りの人たちは患者の言葉を信じてAを攻撃する。これは境界性パーソナリティ障害の症状。主に若い女性が発症。男性が被害に遭う。40人に1人いるとも言われている。

本人に悪意はなく嘘をついている意識もない。症状なのだ。ジョーカーの母も悪意はなく、妄想を信じ、それを息子に話しただけ。そのことで彼は追い詰められた。先のAも、彼女の言葉で友達を失い、仕事をクビになった。一体、誰が悪いのか? ただ、日本ではマスコミも映画も、その種の病気を詳しく伝えることをしない。目をそらせてばかり。だから、その種の悲劇が繰り返される。


境界性パーソナリティ障害について記事=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/archive/c2305834655-1


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「ジョーカー」2回目。心の闇を解き明かせたか? [映画感想]

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「ジョーカー」2回目。心の闇を解き明かせたか?

もう一度冷静に見つめないと、闇の世界から戻ってこれない。平日の最終回。500席の劇場で僅かな観客と見た。以下に当てはまる人は要注意。「ジョーカー」を見ると戻ってこれないかもしれない。

●生活が苦しい●古いアパートに住んでいる●低所得者である

●恋人がいない●上司から理不尽な注意をされた●社会保障を打ちきれられた。

●親の介護をしている●夢があるが叶わない●持病を抱えている

●サラリーマンにバカにされた●職場をクビになった●母子家庭である

●親に理解されていない●憧れの人に踏みつけられた●暴れたい!

●誰にも理解されない。●怒りのやり場がない。●金持ちが許せない

現代の日本で生きていたら、どれかが当てハマるだろう。あたなはジョーカーになる素質があるということ。映画の中の彼は決して正当化できない。しかし、誰もが彼に共感し「これは俺だ!」「これは私かも」と思わずにはいられない。そしてバットマンことブルース・ウェインの父が、日本の首相や経団連の会長とダブってしまう...。

階段で踊ってみたくなる。拳銃を手にしたら思いを果たしたくなる。暴動に参加したくなる。そんな誘惑にかられる映画だ。まだ、心の中で「That's the Life 」が流れていて、うまくまとまらない。いずれまた....。


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