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俳優が常に続ける「人間観察」とは何か?=映画監督もやる大切な勉強?! [映画業界物語]

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俳優が常に続ける「人間観察」とは何か?=映画監督もやる大切な勉強?!

俳優の勉強に「人間観察」というのがある。というのは、自分が人間であるにもかかわらず、人はどんな時にどんな反応を示すか?を把握していないことが多いからだ。いざ、演技をしようとすると分からなくなる。人は怒った時どういう顔をするのか?悲しい時は?あるいは人を待っている時、恋をしているとき? みな、無意識に怒ったり、笑ったりするので、演技をするときは意識してしまい、ぎこちないものになりがち。

だから、日頃から人間観察をする。街角で、喫茶店で、飲み屋で、バイト先で、いろんな人を見て表情や動きを把握する。それを覚えておいて演技に生かす。面白い話がある。勝新太郎さんは飲み屋の女性を何人も連れて、深夜に自宅に帰った時、奥さんの中村玉緒さんにもの凄く怒られたという。でも、勝さんはその時、こう言ったそうだ。

「玉緒。それが真剣に怒った時の顔だ。覚えておけ」

いかに勝さんが演技のことをいつも考えているか?を伝えるエピソードだ。俳優だけではない。作家も、脚本家も、映画監督も同じだ。いろんな人を見て、観察して、作品に使う。僕も経験がある。本当に悲しくて涙が止まらない経験をした時。「人は悲しい時、どんな顔をしているのか?」と思えて、洗面所に行って鏡を見た。意外に悲しそうではなかった。そういうものかもしれない。

同時に、変な人と出会うと興味を持ってしまう。特に嫌われている人は関心がある。会うと、凄く嫌な思いをするのだけど「次に会う時はすぐに怒らず、我慢して、あれこれ質問して、彼が何を考えているのか? 推理しよう」と思う。帰宅してから、その人の言葉を書き出して、あれこれ推理する。その人の履歴書を作ったり。そうすると、その人が何で嫌な奴なのか? 僕らが何で嫌な奴と感じるのか? 背景にあるのは何か?が分かってくる。

普通、嫌な奴ーと思ったら、その人のことを考えない。深く知ろうとしない。避けようとする。「嫌な奴」で終わらせる。だから、正体が分からずに終わる。背景にあるものが見えずに終わる。一般社会では、そんなこと知る必要はないが、映画屋には大切なことだ。そこからドラマが生まれたりする。その意味で今、この時期になってもトランプを批判を続ける人たち。憎み続ける人たちにも興味がある。戦時中の心理にも近い。そんな人たちからも勉強させてもらっている。


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映画監督は変人で、捻くれ者で、ワガママでなくてはいけない?! [映画業界物語]

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映画監督は変人で、捻くれ者で、ワガママでなくてはいけない?!

世間では映画監督は優秀な人。才能がある人と思いがちだが、それは成功して名前が売れたから、そう言われるのであって、要は変人であることが多い。捻くれ者も多い。先輩や同世代を見回しても、サラリーマン勤が出来る人はまずいない。逆にサラリーマンができる真面目な人はいい映画が撮れない。

僕もかなり変人であり、捻くれ者だ。プラスして、理不尽が許せない。だから会社勤めは絶対に出来ない。3日で上司と衝突して辞めてしまう。納得できないことはできない。それを「甘えている!」「子供だ!」「世間を分かっていない!」と散々、言われたが、納得できないことはできない。会社員はそれに耐えるのも仕事の内。だから無理。

映画界はカタギの世界よりは自由が認められる。ネクタイにスーツで製作会社に行かなくてもいい。ロングヘヤーで破れたGパンでも、さほど批判されない。そんな環境でも僕は何度も先輩たちと衝突。特にPや社長と揉めた。降ろされたり、2度と仕事依頼がなかったりした。逆に言うと、それに我慢して仕事が出来たら会社勤めが出来るだろう。

ギャラが安いとか、労働時間が長いではない。一番は価値観の押し付け。古い価値観でシナリオを直せと言う。古いセンスで編集を変えろと言う。昔ながらの方法論で撮影しろと言われる。まっぴら御免だ。古臭い趣味を押し付けてくる。他にも、癒着した俳優事務所の役者を捻じ込んで来る。やる気のないサラリーマンスタッフを押し付ける。

絶対にNOだ。大事なことはPの価値観に従うことではない。古い伝統を守ることでもない。観客が感動する素敵な映画を作ることだ。それが出来れば古い方法論でもありーだが、古い価値観は現代には通用しないことが多い。だから、これまでと違う価値観や方法論で挑まなければならない。大事なのは素晴らしい作品を作ることだ。それが理解できない大人たちが慣れ親しんだ価値観や方法論を押し付ける

だから揉める。だからトラブル。若い頃は年寄りに従い、実績を作り、少しずつ自分らしい作品を作ればいいのだが、1作目から我慢できず反発。先輩たちに嫌われ、Pからは否定され、2度と声がかからないことが続いた。が、「違う」と思うことを我慢して従うことができない。小学生の頃から成績表には「協調性がない」と書かれた。「我慢が足りない」「わがままである」と言われた。

でも、監督業にはそれが必要だった。巨匠、先輩監督たちを見ると、僕どころではないワガママ。言い出したら聞かない。僕なんてまだまだ。やはり映画界はカタギの世界とは違う。監督した作品はどれも評判がいい。次第にスタッフにも認められ、否定する人たちがいなくなり、「素敵な作品を作りたい!」と言うスタッフが集まる。より良い作品ができる。以前は「お前は監督じゃない!」とPに言われたが、すでに6本の映画を監督した。この世界。ワガママで、ひねくれ者で、変人であることが大事なのだと痛感している?!


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寂しいおじさん。キャバクラが好き=でも、それも幸せだぜ? [映画業界物語]


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1人で仕事をする人。会社で人と話す機会のない人。会社帰りに居酒屋に寄り、板さんや店員さんと話をするのが楽しみという。キャバクラに行って、若い女の子と話すのが大好きな友人もいる。が、僕はあまり興味を感じない。

友人はいう。「そりゃ、お前は仕事で綺麗な女優さんたちと話するからいいけど、俺たちが若い可愛い子と話したけりゃキャバクラ行くしかねえんだよ!」とか言われたが、まあ、それはあるかもしれない。女優さんは素敵な人が多いが、仕事だ。彼女たちがいかに芝居がしやすい環境作りをするか?が僕らの仕事。神経を使う。なのに、飲みに行ってまで、女の子たちに気をついたくないと思ってしまう。

「お前、贅沢だよ」と言われるが、いやいや「この子、可愛いなあ。お話ししたいなあ〜」と憧れを感じる方が幸せだ。なぜって? そんなことここで書けない。素敵な人もいるけど、そうでない人もいて、困ったことも多いのだ。そんな業界なのだよ。


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俳優はどんな芝居に燃えるのか?=彼らはチャレンジャーだ。 [映画業界物語]

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俳優はどんな芝居に燃えるのか?=彼らはチャレンジャーだ。

シナリオを書く前にすること。前回紹介した。では、シナリオを書くときに大事なこと。書いてみる。もちろん、ハラハラドキドキする展開にして。最後は感動して涙!と言うストーリーを考えること、と言うのはある。映画はまず娯楽。あまりに説教臭くなると観客は見てくれない。と言って、面白いだけでは映画館を出たら筋を忘れる作品では困る。テーマがしっかり伝わるからこそ、一生忘れない作品になる。

この辺はよく言われるし、シナリオ学校とかに行けば教えてくれること。それ以外の太田組スペシャルを内緒で紹介する。僕のシナリオは毎回、オリジナル。原作のないものだ。僕自身が物語を考えて自身で執筆、自分で監督する。その際に考えるのは俳優のこと。どうしても監督といいう立場にいると、俳優はチェスの駒になったり、操り人形的な存在になりがち。ストーリー展開に都合のいい台詞を言わせたり、主人公を引き立てるためだけに登場するキャラを作ったり。

だが、ストーリーのため、他人のために存在する役を演じる俳優は気分が悪い。「いや、どんな役でも、もらった役は全力で演じます」と言う真面目な人もいるが、どうせなら「やる気」が出る役がいい。と言って、誰もが主人公を演じられる訳ではない。そこでシナリオを書く時に、できる限り、俳優の力が入る設定を作る。と言うのは、俳優はチャレンジャー。カッコいい役をやりたいとか、可愛い役を演じたいとか思うのは素人で、プロは難しい芝居に挑戦したがる。

では、難しい芝居とはどんなものか? まず、長台詞。「渡る世間は鬼ばかり」を見ていると、やたら長いセリフがある。あれ、トチると最初から、共演者も最初から付き合う。スタッフも同じ。二度三度、トチったら、撮影自体が延びる。撮り残しを出すかもしれない。多くの人に迷惑をかける可能性がある。すごいプレッシャーなのだ。自分のせいでベテランの先輩俳優まで付き合わせることになる。その上、長台詞は難しい。どこで上げて、どこで下げて、どう着地するか? 俳優の実力が問われる。また、個性を出せる部分でもある。だから、プレッシャーだがとてもやりがいがある。

あるいは、芝居の中で芝居をする?!そもそも、俳優は自分でない他人を演じる。が、例えば刑事もので潜入捜査をする。刑事の役だが、暴力団に潜入。ヤクザの振りをする。これは芝居の中で芝居をすることになる。非常に高度な演技が必要。その切り替えが難しい。観客に「本当は刑事なのに、ヤクザのフリをしているんだ」と思わせることが必要。これもやりがいのある役。

あと、いい人より、悪役の方がいいと言う俳優さんがいる。板尾創路さんが以前「沈まぬ太陽」で悪役を演じた時、とても楽しかったと話してくれた。他にも陣内孝則、高嶋弟、とか有名どころが出ているが、皆、ノリノリで演じていた。俳優さんは基本的にいい人が多い。そしてスタッフにも気を遣う。そのせいか、毒付いたり、怒鳴ったり、と言う日常ではできないことをするのが楽しいのではないか? そして、ワルというのは優等生より、いろんなバリエーションができるので演じがいがあるのだろう。

他にも、涙を流す。物を壊す。暴れる。等、難しいがやりがいのある芝居というのがある。そんな場面を作っておくと、俳優さんのテンションが上がり、「どんな風にやろうかなあ〜?」とシナリオを読んだ瞬間から、役作りが始まる。また、過去にやったことのない役というのも喜んでくれる。俳優たちはチャンレンジャー。新しいこと、難しいことに挑戦したい人が多い。なので、挑戦しがいのある設定や役を用意する。

そのことで感動の名シーンが生まれたり、予想外の笑いが起こったりもする。俳優たちはいつも以上の力を出してくれるので、映画のレベルも上がる。俳優の力は大きい。その力を引き出すのが、監督の仕事ではあるが、その前のシナリオ段階で、彼ら彼女らをやる気にさせることも大切。俳優頑張る!=映画が面白くなる。ということなのだ。そんな思いで、毎回、シナリオを書いている。


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過労死と後輩ー映画屋の宿命。「毎回、遺作」という思い。 [映画業界物語]

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過労死と後輩ー映画屋の宿命。「毎回、遺作」という思い。

過労死という言葉を聞いたことがあるだろう。元気いっぱいの会社員。朝、妻に見送られて家を出る。午後になって会社から電話。「ご主人が亡くなられました」途方に暮れる妻。朝、あんな元気に家を出たのに...。しかし、考えてみると夫は土日も休まず、何ヶ月も、いや、1年以上も仕事を続けている。病院に行き遺体と対面。医者に言われる。「過労死です」そんなニュースを聞いたり、見たりしたことがある人もいるだろう。

その過労死に至るのが過労。休まずに働き続け、壊れてしまう。そんな話を友人にすると「働き過ぎで死んだりするもんかな?」というが、彼は会社員。仕事中はエネルギーをセーブして、仕事後の居酒屋で全力発揮するタイプ。だが、映画業界、広告業界を見ると、いつ過労で倒れてもおかしくない人たちがいる。1年どころか2年以上休みなしで働くp。1日数時間の睡眠で働く助監督。いつも局に寝泊りしているAD。制作部スタッフは映画でもテレビでも本当に大変。

長年の夢が叶い映画監督デビューした後輩がいる。家も近所でよく会っていた。僕はよく「毎回、遺作!」という。今、かかっている作品は遺作のつもりでやる。そういうと「太田さん。そんなこと言わずにいっぱい映画を撮ってくださいよ」と言われた。僕の作品を高く評価してくれていて

「もっと太田監督の作品。見たいですから....」

と言ってくれた。が、その彼がデビュー作の映画館公開直後に死んだ。過労死だった。低予算の作品。監督である後輩が何人分も働いていた。宣伝も自分でやる。監督作だけでなく、生活のために小さな仕事もいくつもこなした。見ていて、そんな仕事までしなくても....と思うようなものもやっていた。薄利多売。睡眠時間を削り、1年以上も休みなしに働き続けた。監督業のギャラは本当安い。でも、念願の映画監督デビュー。その舞台挨拶の夜に彼は逝ってしまった。僕のモットーである「毎回遺作」を本当に実践してしまった。

僕も似たようなもので、毎回7人分くらいの仕事をする。数年がかかり映画を完成。公開が終わるとダウンする。半年間寝込んだこともある。計算すると数年の間休まなかった土日祝日を全部足すと6ヶ月になった。週末は休むというのは大事なのだ。が、映画作りではそんなこと言ってられない。毎回、医者に言われる。

「休みなさい。過労をなめてはダメだよ。本当に死ぬよ」

しかし、止められるものではない。後輩もそんな気持ちだったのだろう。「沖縄戦」公開終了後からダウンしている。今回は大丈夫だと思ったが、自宅入院生活となった。考えてみると「沖縄戦」は3年がかり。映画館公開中止の危機もあった。劇映画も1本撮っている。そして「沖縄戦」はヒットしたこともあり、5ヶ月のロングランとなり、宣伝に全国を走り回った。その間に休まなかった土日祝日の仕返しが来た。

「毎回、遺作」だが、今回を遺作にする訳には行かない。まだ、やらなければならないことがある。会いに行かねばならない人、報告に行きたい人、いろいろ聞きに行きたい人もいる。が、コロナ禍もある。先方も迷惑。もう少し静養することにする。まだ、DVDを見るのも苦痛。集中力が戻らない。でも、また戦いの呼び声が聞こえて来たら、次なる場所に飛んで行こう。それが監督業のさだめじゃ。


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映画監督という仕事=現実を分析し、何が必要か?を考えて映画で伝えること。 [映画業界物語]

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映画監督という仕事=現実を分析し、何が必要か?を考えて映画で伝えること。

毎回、事件があると熱く注目してしまう。80年代の三浦和義事件。90年代のオウム真理教事件。そして911、311。一連の安倍政権事件。オンタイムではないがケネディ暗殺事件も勉強した。その辺が映画屋の習性なんだなと感じる。机の上で考えた架空の物語より、現実の方がドラマティック。その意味で現実を見ないクリエーターは失格。現実を見た上で、ドラマで、歌で、絵で、芝居で、思いを表現していくものだ。

事件ではないが「青い青い空」の時は書道を1から勉強した。「朝日のあたる家」の時は原発事故。「ドキュメンタリー沖縄戦」でもかなり勉強した。が、こちらは沖縄戦を調べればOK、ではないことが分かってきた。太平洋戦争。日中戦争も調べないと描くことができない。

映画は完成したが、ヨーロッパ戦線、ヒトラー、アメリカの軍事戦略等も把握せねば本当の意味で「戦争」を理解できないことを知る。過去の歴史ではない。今も続く問題だ。日本はすでに数々の戦争法を強行採決。今は「戦争ができる国」だ。そこに今回の大統領選。過去のアメリカを見れば構図はすぐ分かる。

10年ごとに戦争をし、無理やりにでも戦争を始める国アメリカ。そんな勢力が背後にいるのが、バイデン たち。それを止めて自国に専念しようというのがトランプ。その両者の戦いが今、繰り広げられている。かつて勉強したケネディ暗殺と同じ構図だと気づいた。

ソ連と和解し、ベトナム戦争を止めようとしたケネディが邪魔だったのが、戦争屋グループ。暗殺という手段で排除した。今回は4年間戦争しなかった、戦争を止めようとするトランプがターゲット。「暗殺」ではなく「不正選挙」という手段で排除しようとしている。ケネディの事件も今回も、簡単にいうとクーデター だ。国民には本質を気づかれないようにして、政権を奪い取る。そして戦争を始める。

これは陰謀論とかフィクションとかではない。「沖縄戦」で勉強を始めた「戦争」というテーマの延長なのだ。バイデン が勝てば再びアメリカは戦争を始める。当然、日本も巻き込まれる。「沖縄はミサイル基地にされるだろう」と指摘する人たちもいる。さらに日中戦争も可能性大。だが、それに気づかない人たちがいる。これも沖縄戦と同じ。大本営発表を鵜呑みにした当時の国民。時代が変わっても人は誘導される。

それを見つめ、考え、検証すること。止めるには何が必要か? 太平洋戦争と同じ過ち、同じ犠牲を出さないためには何をしたらいいのか?それを映画で伝えるのが映画屋の仕事。この件。まだまだ、見つめて行きた



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「細かいことが気になる悪い癖」=映画の仕事には向いていた?! [映画業界物語]

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「細かいことが気になる悪い癖」=映画の仕事には向いていた?!

小学生の頃。江戸川乱歩を夢中で読んだ。中学時代は「刑事コロンボ」が大好き。将来は探偵か刑事になろうと考えたこともある。もちろん、ホームズも、ルパンも、ポワロも読んだ。日本なら御手洗、金田一。探偵でないけど、松本、森村、も。そのせいか、今でも事件があるとあれこれ推理してしまう。

今風に言えば「細かいところが気になる。悪い癖!」という感じで、杉下右京さんにはとても共感する。が、劇中でも彼が周りから嫌われるように、僕もカタギの友人と話していると、ついその癖が出てしまい、嫌がられる。「どっちでもいいだろ!そんなこと!」とか言われたこともある。が、どっちでもよくない。そこに矛盾があり整合性がなければ、何か裏にあるはずだ。

仕事でも「あのPは怪しい...」とか感じてることがあり指摘すると、「いや、いい人だよ〜」とか否定されることがある。が、やがてそのPは大問題を起こし、金持って逃げたりする。皆「驚いたなあ〜」というが、兆候はかなり前からあった。ただ、多くが細かいことに拘らない。気にしないので見逃しているだけ。

ただ、会社員なら細かいことに気付いても、理不尽にプロジェクトが進められることもあり、指摘すると「うるさい、細かい、鬱陶しい」と言われがち。気付かない方が生きて行きやすいということあるだろう。対して映画界は細かいことが気になることが大事。撮影部でも、照明部でも、美術、製作、演出部。皆、重箱の隅を突くように仕事をする。映画が作りではそれが大事。

もちろん、監督も脚本も同じ。その意味で僕は今の仕事に合っている。そんな「細かいことが気になる」視点で社会や事件を見ると、えー?何で〜ということが時々ある。「何でそこに気づかないの?」「何でそんな発言をするの?」「それ自白したのと同じじゃん?」とか思えるのだが、周りの友人から「そうかあ?」「何が問題なの〜」と言われることが多い。

そこで疑問をFacebookやブログで書くようにした。それが自作の映画以外の記事をアップするきっかけになった。原発事故に関しても、同じように疑問を感じ、追求し、検証した。ま、刑事でもない。記者でもないので限界はあるが、あれこれ考えると真相に近づけることがある。原発事故でも最初は「メルトダウンはしていない」「放射能は漏れていない」と言われ、それを疑い、推理するだけで「デマ野郎」「不安を煽るな」「福島差別」と批判する人たちがいた。ただ、今となってはメルトダウンも、放射能が大量に拡散したことも事実となり、誰も否定しない。

そんなふうに事件があると昔からの「気になる癖」が全開。あれこれ推理してしまう。目下の興味は大統領選だ。これは国家レベルのミステリーなので原発事故以来の大きな事件。また、あれこれ書いていきたい。



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政治発言するタレントはバッシングされるが、映画監督はどうなのか? [映画業界物語]

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昨日、友達と話していて気づいたことがある。僕はTwitterで多くの先輩監督たちをフォローしている。が、フォロー返しがない。数少ないお1人がT監督。大先輩だ。時々、コメントもくれる。ありがたい。だが、他の監督たちのツイートにコメントしても、返事は絶対に来ない。もちろん、お会いしたことがある先輩たち。無視される。理由分からないけど、嫌われてんだな〜。と思っていた。

友人と話していて気づく。映画監督で「政治」や「社会」まして「原発」「基地問題」「大統領選」のことを意見したり批判したりする監督がいないと言うこと! え?そうの?と思った。芸能人がそんなツイートすると「政治発言!」とバッシングされるが、僕は言われたことない。「芸能人じゃないからね〜」と思ったが、映画監督たちも通常は「政治発言」をしないのだ。

昔は大島渚監督というバリバリに政治発言をする巨匠がいた。それも「朝生」で「バカやろー」とか言ってた。それで映画監督は政治発言OKになったのだろう。また、ドキュメンタリー監督はその種の発言をする。政治や社会のドキュメンタリーなら触れない訳にいかない。が、「劇映画の監督でそれをする人。ほとんどいないだろ?」と友人に言われた!

確かにそうだ。危険だし、スポンサー嫌がるし、商業映画が撮れなくなるかもしれない。なのに一番危険な「原発事故」の映画撮ってしまったので、今では基地問題でも、安倍問題でも意見してしまう(麻痺している?)「原発映画なんて作ったら、2度と商業映画が撮れなくなるからやめろ」と言われたし、確かに業界ではよく言われたけど、あれからも商業映画撮れてるしなあ、と思っていた。

が、きっと先輩たちからすると「太田は危険」関わらないでおこう!ということなのだろう。確かに....。関わらない方がいいね。



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後輩を否定する先輩監督=彼が抱える歪んだ心理? [映画業界物語]

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ある中堅の映画監督。デビューからもう30年以上経つが、監督作は数本。もう10年撮っていない。その監督が10年ほど前に見た新人監督(僕の後輩です)の映画。「ダメだこリャ!」と思ったそうだ。そして昨年、その新人監督が新作を撮ったと知る。「あいつ、まだやってるのか?」と思って映画館で見た。「やっぱりダメだな〜」と思ったそうだ。が、その新人は10年の間に6本の映画を撮っていた。

その新人。その中堅監督を尊敬していたと言う。だから、その話を聞いて落胆。「まだ、やっているのか?」と言うことは「あいつは才能ない。1本で終わると思ったら、まだ、やってる。才能ないのによく撮れるよな。多少は成長したかと思って映画館に行った」と言う意味だろう。そして「やっぱりダメ」と言われたと知り、落ち込んだ。

客観的に見ると見えるものがある。実は後輩監督。その中堅監督の作品が好きなだけあって両者の作品は同じテイスト。中堅監督は後輩を可愛がってもいいようなもの。だが「ダメだ。こりゃ!」と思った。あまりに方向性が近いので近親憎悪したのだろう。もしかしたら中堅の先輩より力があった。だから認めたくない。あるいは、少しばかりテイストが違った。先輩は「それじゃダメなんだよ!分かってないな」そう考えたかもしれない。

別の推察をすると、自分はこの10年映画を監督していない。なのにその新人は6本も撮った。「許せない。あいつに才能があるのではなく、世の中が間違っている。あるいはPに取り入るのがうまい。その辺を見極めてやろう」と見た。

ただ、認める訳には行かない。認めると、同じスタイルでは後輩が優れているから何本も監督できる!と思えてしまう。絶対に認められない。後輩はダメな奴であらねばならない。そんな深層心理も働く。そこで悔しがる。憤ると言うことがあれば、まだその先輩も可能性がある。が、それを自分の価値観だけで「やっぱりダメ」と断定してしまうのは、悔しいとか嫉妬を超えて、感性が固まり自分の価値観やテイスト以外を認める余裕を失っているからだろう。

手塚治虫は若き石森章太郎に「お前のは漫画じゃない」と言ったが、あとで嫉妬だと認めて謝罪した。その嫉妬が手塚の原動力だという人もいる。「若い奴には負けたくない」。だが、その中堅監督は嫉妬ではなく否定するだけ。なぜ、自分が監督できないか?と結びつけて考えていない。映画界だけではない。どの世界も同じ。頑張る奴を「あれじゃダメだよ」と言う人に限って自分は何もせず、自身の問題点を顧みないことが多いように思える。


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映画監督はつらいよ=どうすれば「いい人」と思われずに済むか? [映画業界物語]

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映画監督はつらいよ=どうすれば「いい人」と思われずに済むか?

あるPから聞いた話。

「撮影現場でもそうだけど、あまりに皆に親切にし、愛想良くすると、どうでもいい問題まで頼ってくるですよ。それはお前の仕事だろ?というのを『どうしましょう?』って言ってくる。だから、現場ではなるべく愛想良くしないで、皆と距離を置くようにしてるんですよ」

それは大事。僕は「いい人だ」「親切だ」「優しい」と言われることがあるが、そのために「監督なら頼みごとを聞いてくれる!」と、あれこれ頼んでくる人がいる。それこそ何で俺が?という頼みごと。ノーギャラで仕事をしてほしい。寄付をしてほしい。というものまである。

そんな一例を紹介する。「感謝の気持ちを伝えね」ばと撮影後にあるお年寄りの自宅に挨拶に行った。懐中電灯を借りた。急ぎの時だったので大いに助かった。本来、監督が行く必要はない。担当者が行くのが慣習だが、その方とは何度もお会いしていたので僕も同行した。その後、こう言っていると聞いた。

「最近は挨拶に来ない。あの時だけ。盆暮れに挨拶に来るのは礼儀だろ」

だが、なぜ、その後も挨拶に行かねばならないか?と思うのだが、先方はこう考えていた。

「監督は若いのに礼儀正しい。だから節目節目で挨拶に来るはず。今時、珍しい律儀な人だ...」

そんな風に高く評価してくれていたらしい。そして映画撮影に期待し応援してくれていたという。ありがたい話だが、今はこう言ってるらしい。

「なのに最近は来ない!裏切られた。失望した....結局、ワシ らを利用して映画を作ったんだな...」

その町は東京からかなり遠い。盆暮れに挨拶に行くのは大変。費用も時間もかかる。そう考えると先のPの発想は正しい。あの時、感謝の気持ちを伝えたいと訪問したことで結果。誤解を与え、そのお年寄りを失望させた。

最初から距離を置いておけば、先方に嫌な思いをさせることもなかったのだ。子供の頃から「お世話になったらお礼を言え」「感謝の気持ちを伝えろ」と教えられていたが、結果、誤解を招き、期待させて、相手を傷つけることもある。



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