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俳優が常に続ける「人間観察」とは何か?=映画監督もやる大切な勉強?! [映画業界物語]

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俳優が常に続ける「人間観察」とは何か?=映画監督もやる大切な勉強?!

俳優の勉強に「人間観察」というのがある。というのは、自分が人間であるにもかかわらず、人はどんな時にどんな反応を示すか?を把握していないことが多いからだ。いざ、演技をしようとすると分からなくなる。人は怒った時どういう顔をするのか?悲しい時は?あるいは人を待っている時、恋をしているとき? みな、無意識に怒ったり、笑ったりするので、演技をするときは意識してしまい、ぎこちないものになりがち。

だから、日頃から人間観察をする。街角で、喫茶店で、飲み屋で、バイト先で、いろんな人を見て表情や動きを把握する。それを覚えておいて演技に生かす。面白い話がある。勝新太郎さんは飲み屋の女性を何人も連れて、深夜に自宅に帰った時、奥さんの中村玉緒さんにもの凄く怒られたという。でも、勝さんはその時、こう言ったそうだ。

「玉緒。それが真剣に怒った時の顔だ。覚えておけ」

いかに勝さんが演技のことをいつも考えているか?を伝えるエピソードだ。俳優だけではない。作家も、脚本家も、映画監督も同じだ。いろんな人を見て、観察して、作品に使う。僕も経験がある。本当に悲しくて涙が止まらない経験をした時。「人は悲しい時、どんな顔をしているのか?」と思えて、洗面所に行って鏡を見た。意外に悲しそうではなかった。そういうものかもしれない。

同時に、変な人と出会うと興味を持ってしまう。特に嫌われている人は関心がある。会うと、凄く嫌な思いをするのだけど「次に会う時はすぐに怒らず、我慢して、あれこれ質問して、彼が何を考えているのか? 推理しよう」と思う。帰宅してから、その人の言葉を書き出して、あれこれ推理する。その人の履歴書を作ったり。そうすると、その人が何で嫌な奴なのか? 僕らが何で嫌な奴と感じるのか? 背景にあるのは何か?が分かってくる。

普通、嫌な奴ーと思ったら、その人のことを考えない。深く知ろうとしない。避けようとする。「嫌な奴」で終わらせる。だから、正体が分からずに終わる。背景にあるものが見えずに終わる。一般社会では、そんなこと知る必要はないが、映画屋には大切なことだ。そこからドラマが生まれたりする。その意味で今、この時期になってもトランプを批判を続ける人たち。憎み続ける人たちにも興味がある。戦時中の心理にも近い。そんな人たちからも勉強させてもらっている。


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