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映画監督はつらいよ=どうすれば「いい人」と思われずに済むか? [映画業界物語]

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映画監督はつらいよ=どうすれば「いい人」と思われずに済むか?

あるPから聞いた話。

「撮影現場でもそうだけど、あまりに皆に親切にし、愛想良くすると、どうでもいい問題まで頼ってくるですよ。それはお前の仕事だろ?というのを『どうしましょう?』って言ってくる。だから、現場ではなるべく愛想良くしないで、皆と距離を置くようにしてるんですよ」

それは大事。僕は「いい人だ」「親切だ」「優しい」と言われることがあるが、そのために「監督なら頼みごとを聞いてくれる!」と、あれこれ頼んでくる人がいる。それこそ何で俺が?という頼みごと。ノーギャラで仕事をしてほしい。寄付をしてほしい。というものまである。

そんな一例を紹介する。「感謝の気持ちを伝えね」ばと撮影後にあるお年寄りの自宅に挨拶に行った。懐中電灯を借りた。急ぎの時だったので大いに助かった。本来、監督が行く必要はない。担当者が行くのが慣習だが、その方とは何度もお会いしていたので僕も同行した。その後、こう言っていると聞いた。

「最近は挨拶に来ない。あの時だけ。盆暮れに挨拶に来るのは礼儀だろ」

だが、なぜ、その後も挨拶に行かねばならないか?と思うのだが、先方はこう考えていた。

「監督は若いのに礼儀正しい。だから節目節目で挨拶に来るはず。今時、珍しい律儀な人だ...」

そんな風に高く評価してくれていたらしい。そして映画撮影に期待し応援してくれていたという。ありがたい話だが、今はこう言ってるらしい。

「なのに最近は来ない!裏切られた。失望した....結局、ワシ らを利用して映画を作ったんだな...」

その町は東京からかなり遠い。盆暮れに挨拶に行くのは大変。費用も時間もかかる。そう考えると先のPの発想は正しい。あの時、感謝の気持ちを伝えたいと訪問したことで結果。誤解を与え、そのお年寄りを失望させた。

最初から距離を置いておけば、先方に嫌な思いをさせることもなかったのだ。子供の頃から「お世話になったらお礼を言え」「感謝の気持ちを伝えろ」と教えられていたが、結果、誤解を招き、期待させて、相手を傷つけることもある。



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