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親子に伝える大切なこと [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 ”青い青い空”を見てくれた

 ある男性からこんな批判を聞いた。

 ”今は昔と違い。受験戦争などない。一流大学神話を信じる真子(相葉香凛)の母親

 あんな親はもういない。まるでリアリティがなかった”

 でも、映画の中で描かれている方が現実。


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 ”青い青い空”のシナリオを書くとき

 書道だけでなく、教育現場の取材。

 現役の教師の方々。母親。高校生たち。教科書会社の方。

 それを踏まえて、シナリオを書き。

 今時、よくいるタイプの母親として、真子(相葉香凛)の母のキャラ作りをした。

 勉強。勉強とうるさく。一流大学へ娘を行かそうとする。


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 批判した男性は教育現場にいる訳ではなく、子供が学生でもないので。

 分からなかったのだ。

 実は僕自身も、そんな母親が未だにいるとは想像せず驚いた。

 確かに今は実力主義の時代だのに、一流大学!という母親はおかしい。

 受験勉強より大切なこと。

 人として大事なこと。生きる上で大切なこと。

 そちらを教えること、伝えること重要だと思う。

 それを映画を通して伝えたかったのだ。

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 同じように、今、多くの人が間違った認識をしている。

 ”放射能なんて怖くない””事故は収束した””食べて応援”

 未だに一流大学神話を信じ続けることも、放射能の恐怖を理解しないことも

 子供たちを傷つけることに繋がる。

 何より受験戦争は数年で終わるが

 放射能は1万年近く残り、放射線を出し続ける・・。

 (つづく)

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自宅入院生活ーこれから伝えるべきもの  [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 監督作 ”青い青い空” 東京公開後のこの春。

 過労で倒れて自宅入院状態になった。

 もう、生きる屍。何もできない。寝たきり老人と同じようなものだった。

 この5年。企画、脚本、プロデュース、監督、編集、宣伝と

 1人5役、6役をこなした。

 当然、5倍6倍の疲労に襲われる、東京公開後に過労で倒れた。

 しかし、これは自身で望んだこと。

 ”青い青い空”が完成して、劇場公開できれば・・・死んでもいい。

 そう思ってかかってきた。

 でも、生き残り。毎日、ベッドで天井を見つめる生活。

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 ここでようやく、次のことを考えた。

 3作目・・。

 なんて考えなかったけど、これまでのやり方ではもう駄目だ。

 こんな方法だと次は本当に死んでしまう。

 死んで3作目が撮れるならいいが、次は最後までもたないだろう。

 いや、それどころか、監督業ができるまでに回復しないのではないか?

 このまま、体がボロボロのまま・・・死にまで寝た切り?

 そんなふうにさえ思えた。

 体が悪いと、なかなか希望を持てない。

 だが、3ヶ月も経つと、少しずつだが体調は回復。

 駅まで行けるようになり、新宿まで行けるようになる。

 次を考える余裕が出て来た。

 やはり、映画を撮るしか生きる道はない・・そんなふうに思えてきた。

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 3作目を撮れるとしたら、何を撮るべきか?

 こんな時代に何を伝えるべきか?

 社会復帰のリハビリを始めた。

 20年振りのロサンゼルスの想い出を見つめた。

 テレビを1日中見ていた。読みたかった本をひたすら読んだ。

 友人たちを訪ね、この数年の報告をした。

 そして、原発事故問題を勉強する。

 少しずつ、時代が見えて来た。

 日本が行くべき方向が見えて来た。

 (つづく)


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原発推進派の言い分 [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋 

 原発反対の意見だけでなく、原発推進の人たちの意見も

 あちこちで読んだり、聞いたりする。

 反対派は簡単にいうと”あれだけ酷い惨事が起きているのだから、

 もう原発は止めるべきだ”というもの。

 それに対して、事故が起きても原発推進という人たち

 意見はどんなものが多いのか?

 原発推進派の意見。

 (1)”原発がないと電気が足りず停電が頻発する”

 (2)”日本の経済が停滞し、世界での競争に負ける”。

(1)は明らかな間違い。原発がなくなっても

 火力発電所の稼働率を上げれば需要は足りる。

 電力不足は原発を再稼働させるためのデマなのだ。

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 (2)も同様。

 電力は足りているのだから、競争力は落ちない。
 
 それどころか世界一高い電気代のために、多くのアルミ産業が海外に出て行ってしまった。

 そして、何より、”競争力が落ちる”という人たちの神経を疑う。

 福島原発周辺の人たちは避難、今も家に帰れない。

 多くの子供が被曝。将来の健康が懸念される。

 なのに、まだ経済成長をしたいのか?

 原発を続けて、また事故が起こったらどうするのか?

 今度こそ、日本は終わるかもしれない。

 命を犠牲にしても金儲けを続けるのか? 

 原発推進派で納得できる意見。未だに聞かない。

 たぶん、彼らの本音は”危険でもいいから、被害が出てもいいから

 金儲けしたい!”それに尽きるだろう。

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 先に書いた原発推進派の理由。

 頭がヘンとしか言いようがないのに、

 ”報道ステーション”のコメンテーターが同じ理由を主張。

 有名な小説家が”電力が足りないのだから”と笑顔で語る。

 知識も教養もあるはずの彼らがなぜ、そんなことを言うのか? 

 同じような事実誤認。あるいは原発容認の意見

 ワイドショーの司会者たち。 有名俳優。

 著名なキャスターもが発言。

 彼らは決して、原発関係の企業から恩恵を受けている訳ではない。

 つまり、それほどまでに原発事故の事実が伝わっていたない。

 同時にこれまで行われた安全キャンペーンが浸透しているということ。

 しかし、それだけだろうか?

 時代に置き去りにされる人と

 次の時代を生きる者とに分けられて行く

 ということではないか?

 幕末に佐幕と倒幕に分かれて、戦いが起こった。

 時代の変わり目は主義で分かれ、時代に相応しくない方が滅びる。

 (つづく)

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鉄腕アトムの時代 [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 「鉄腕アトム」「マイティジャック」「ジャイアントロボ」

 子供の頃。ワクワクしながら見たドラマ。

 皆、原子力で動いた。

 あの頃、原子力は未来のエネルギーだった。

 その後のオイルショック。公害問題。

 クリーンで安全な原子が必要・・・・と子供心に思う。

 そんな中、大人たちは、資源のない日本で、

 子供たちが豊かな暮らしができるようにと、

 原発を押し進めたはず。

 しかし、その裏では、原発の危険性から目を反らし、

 反対派を抑えこみ、事実を隠蔽。

 いつしか、利潤追求のための道具になっていた。

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 そして、原発事故。

 子供たちの健康と未来を奪う”怪物”となってしまう。

 なのに、未だに事実の隠蔽を続け、安全をアピールする人たち。

 そこまでして金儲けをしたいのか?

 子供どころか、日本人全てが死に絶えるかもしれないのに

 1960年代。

 原子力は未来を担うエネルギー。そう思い、僕らは生きて来た。

 でも、現実は違い。原子力は未来を奪う危険な存在。

 あの頃、思い描いた明るい未来ではなく。

 放射能が渦巻く混濁の時代になってしまった。

 (つづく)


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脱原発デモを取材した [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋


 青い青い空。公開終了後、この秋の出来事を綴っている。

 遠くまで外出ができるようになってから

 脱原発デモの取材に行った。

 新宿、渋谷、明治公園の3カ所。

 脱原発を批判する人がよくいうのは

 ”デモに参加するのは思想団体やプロ市民!”

 本当だろうか?

 しかし、現地に行き。集合から解散までを取材して思ったのは

 圧倒的多数は一般の人たちだったこと。

 大学生、主婦、おじいさん。おばさん。高校生、赤ちゃんを連れた母親。

 デモは初めてという人ばかり。

 そんな人たちが、声を上げ、プラカードを掲げて

 原発廃絶を訴えていた。

 それも百人や2百ではない。千人。いや、1万人?

 明治公園は6万人だ。

 人人人、民族大移動のような数。

 これだけの人たちが、原発に反対しているのだ・・。

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 それはまるで、1960年代のアメリカ。自由公民権運動のデモのようだ。

 あのマーティールーサーキングJRが先頭に立ち行進した

 ワシントンのデモ。

 渋谷や新宿の町からも

 ”ウイ・シャル・オーバー・カム”の歌声が聴こえて来そうだ。

 テレビや新聞で本当のことを報道しなくても

 こんな多くの人たちが原発の危険性に気づき、
 
 声を上げていることに、感動した。

 どんなに酷い事態になっても、

 これまで日本人は耐え、デモさえしなかった。

 そんな日本人が今、声を上げている。

 ”原発はいらない。死にたくない!”

 と叫んでいた。

 だが、テレビ、新聞で報道されたは明治公園の6万人デモだけ。
 
 大手S新聞は無視。Y新聞は写真なしの小さな扱い。

 一体にどうなっているのだ?

 (つづく)

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脱原発デモを取材する [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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  2011年 秋

 この夏から秋の出来事を紹介している。

 原発事故に興味を持ち、本や雑誌で勉強を続けた。

 次に原発を批判する人たちに直接接してみたかった。

 ツイッターで見ていると

 ”脱原発デモをしているのは、プロ市民や思想団体”

 ”うるさいだけの人たち、宗教みたい!”

 そんな批判も数多く見られた。

 そして疑問なのは、ほとんどの脱原発デモがテレビや新聞で報道されないことだ。

 なぜ、1万人以上もの人が集まり抗議しているのに

 メディアは取り上げないのか?

 それはツイッターで批判される特別な人たちの行動だからか?

 それを確かめたくて、秋に行われた新宿の脱原発デモを取材してみた。

 ビデオカメラを持って、デモスタートから終了までに同行してみた。

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 (つづく)




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原発事故と映画界の似た構図 [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 原発事故を見ていると思い出す。

 映画製作でも似たような構図がある。

 トラブルが起きると、会社は隠そうとすることが多い。

 事故処理に当たることが大切なのに、隠蔽に必死。

 そのことでトラブルは拡大。他のことにまで悪影響。

 結果、作品のクオリティは下がり。ろくでもない映画になる。

 会社は大損害。考えれば分かるのに対応できない。

 今回の原発事故も同じ構図ではないだろうか?

 なぜ、映画製作で会社はトラブルを隠蔽するのか?

 それはスポンサーに見放されないようにするため。

 今後も仕事をもらえるように

 ”プロジェクトは問題なく進んでますよー”

 とアピール。トラブルがバレても個人のせいにしたり、

 被害を小さく見せたりする。

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 原発事故も同じ構図だ。

 事故をできる限り小さく見せ、被害も大したことないような発表。

 両者にもさらなる共通点がある。

 映画界でも問題を起こす会社というのは、日頃から何もしない。

 このままじゃトラブルが起こる!

 と分かっても動かない。それを察知して対処しても、

 ”心配症だなあ”

 と言われる。僕やスタッフが必死で問題解決、

 ”ホラ、何も起こらなかったろう?”

 と言う奴もいた。でも、そんな会社は数年後に倒産した。

 原発も同じ体質ではないか?

 映画界、その種の能天気な会社。危機意識がなく、

 スポンサーの顔色を伺うだけの社長。

 やがて倒産した。

 その場凌ぎ。ウソと隠蔽で切り抜けても、結局、行き詰まる。

 同じ体質の原発も同じ結末を迎えるだろう。

 その崩壊へのカウントダウンがスタートしたのだと思える。

 ただ、それが数年で終わらないであろうこと。
 
 悲しいドラマを引き起こして行く。


 (つづく)


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原発事故と”青い青い空” [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 

 夏頃から始めた原発事故の勉強。

 新しい事実を知るたびにツイッターしていた。

 それを見た友人が言う

 ”監督、何か原発のことばかり書いてるぅ”

 ”原発事故って、もう収束したんでしょう?”

 ”結局、大きな事故にはならなかったんだよねぇ?”

 そんなことを言われた。

 新興宗教に入信したかのように言う奴までいる。

 ツイッターにも、よく反原発に対する批判が出るが

 ほとんどは無知によるもの。放射能の怖さを知らない人たち。

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 友人たちの言葉を聞き、思い出したことがある。

 ”青い青い空”の題材である書道の勉強を始めたとき

 多くの人はこういった。
 
 ”書道なんて、いまどき流行らないよ。時代はパソコンだよ”

 ”若い人が書道になんか興味持たないぞ。あんな古いものに”

 当初は僕も同じ考えだった。

 でも、それは本当の書道を知らなかっただけ

 本質を知れば、今の時代に通用すると感じたのだ。

 事実、僕が書道映画を始めて3年後。

 書道ブームがやってきた。

 戦後、減り続けていた書道人口が初めて増えた。

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 さらに、全国の高校で書道デモンストレーションが行われるようになり

 いくつもの書道映画やドラマが作られた。

 ”青い青い空”は元祖・書道映画となる。


 ”ストロベリーフィールズ”をスタートさせたころも

 ”幽霊が出てくるのはホラーだろ? ファンタジーでは成立しないよ”

 と言われたが、その後、山ほどの幽霊ファンタジーが作られた。

 ”黄泉がえり””今、あいに行きます”等、ザクザクと公開。

 いつも僕が興味を持つ段階では、ほとんどの人が理解しないが

 数年後に時代がやってきている。

 今回も同じだ。いや、今回はブームとかではなく、

 誰もが関心を持たざるを得ない時代になるだろう。

 原発の勉強を続ける。


(つづく)


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原発を勉強して分かったこと(下  [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 原発を勉強して分かったこと/まとめ

 原発は安全というキャンペーンは効を成し。

 僕らは原発は危険のない、クリーンなエネルギー。未来を担う存在と思い込む。

 危険な情報があっても、マスコミは取り上げたりしない。

 電力会社は大手スポンサー。お得意様のマイナスになることはできない。

 問題点があっても誰も指摘しない。危険性があっても改善されない。

 省庁や企業もどんどん推進。学者たちも安全をアピール。

 こうして原発はますます増え。

 福島第一原発の事故が起こるまで、誰も問題に気づかなかったのだ。


 
 原発を勉強して分かったこと/まとめ2

 ビルでも安全対策を怠ると、火災時に大きな被害を出す。

 それが、原発の場合は桁違いな惨事となる。

 子供たちが被曝。白血病や癌にかかる

 くも膜下出血や心不全が増える。

 チェルノブイリで正常な子供が産まれるのは15%。

 奇形児や障害を抱えた子供が次々に産まれて来た。

 放射能で汚染された地区。

 プルトニュウムが半減するのは、2万5千年後。 

 もう一生、故郷に帰れない人たちが溢れる。それが原発事故なのだ・・。


(つづく)


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原発を勉強して分かったこと(中 [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 原発を勉強して分かったこと(4)
 
 原発を推進する電力会社、テレビや新聞で広告を打つ。

 ♫”日本の原発は安全です!”

 ”電力が足りない” ”クリーンなエネルギーだ” ”二酸化炭素を出さない”

 実はみんな事実ではなかったのだけど

 繰り返しメディアから、そういわれると、皆、刷り込まれてしまう。

 ♫ そうだよな! ニッポンの原発は安全です!


 原発を勉強して分かったこと(5)

 電力会社は大学の研究室にも寄付をしている。

 原発推進派の学者には膨大な研究費を出す。

 研究費をもらっている学者は、原発反対!とはいい辛くなる。

 むしろ原発の危険性を否定。安全性をアピール。

 反対派の学者は冷遇されていく。

 誰も原発を批判できなくなって来た。


 原発を勉強して分かったこと(6)

 原発は危険を回避する努力もして来なかった。

 地震や津波が想定されるのに、防御のために高額な経費がかかる、

 問題はないと決めつけ、安全対策をとらなかった。

 そのために福島原発は大惨事となったのだ。




 (つづく)

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