原発事故と”青い青い空” [●「朝日のあたる家」序章 2012]
2011年 秋
夏頃から始めた原発事故の勉強。
新しい事実を知るたびにツイッターしていた。
それを見た友人が言う
”監督、何か原発のことばかり書いてるぅ”
”原発事故って、もう収束したんでしょう?”
”結局、大きな事故にはならなかったんだよねぇ?”
そんなことを言われた。
新興宗教に入信したかのように言う奴までいる。
ツイッターにも、よく反原発に対する批判が出るが
ほとんどは無知によるもの。放射能の怖さを知らない人たち。
友人たちの言葉を聞き、思い出したことがある。
”青い青い空”の題材である書道の勉強を始めたとき
多くの人はこういった。
”書道なんて、いまどき流行らないよ。時代はパソコンだよ”
”若い人が書道になんか興味持たないぞ。あんな古いものに”
当初は僕も同じ考えだった。
でも、それは本当の書道を知らなかっただけ
本質を知れば、今の時代に通用すると感じたのだ。
事実、僕が書道映画を始めて3年後。
書道ブームがやってきた。
戦後、減り続けていた書道人口が初めて増えた。
さらに、全国の高校で書道デモンストレーションが行われるようになり
いくつもの書道映画やドラマが作られた。
”青い青い空”は元祖・書道映画となる。
”ストロベリーフィールズ”をスタートさせたころも
”幽霊が出てくるのはホラーだろ? ファンタジーでは成立しないよ”
と言われたが、その後、山ほどの幽霊ファンタジーが作られた。
”黄泉がえり””今、あいに行きます”等、ザクザクと公開。
いつも僕が興味を持つ段階では、ほとんどの人が理解しないが
数年後に時代がやってきている。
今回も同じだ。いや、今回はブームとかではなく、
誰もが関心を持たざるを得ない時代になるだろう。
原発の勉強を続ける。
(つづく)
2012-09-02 19:02
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