SSブログ

ある事件で知った「時代は変わる」ということ①=新宿まで歩いて30分のアパートに住んだ頃 [日本人の問題]

ある事件で知った「時代は変わる」ということ①=新宿まで歩いて30分のアパートに住んだ頃

あまりプライベートなことは書かないが、そこから大切なことが見えてくることがある。そんな1つ。数年前、かなり前だが、引っ越しをした。アメリカから帰国してから数回越しているのだが、一番大きなものとなった。

それまでは新宿まで歩いて30分ほどで行ける場所に住んでいた。と書くと知らない人は大都会のように思えるが、西新宿から中野区方面は私鉄沿線の駅によくある小さな街があり、都会というより、商店街があるよくあるタイプの地域。電車だと2、3駅で新宿。歩いても30分という距離なのだ。

帰国時にいろいろ考えた。すぐに監督業を始められるものじゃない。それまでアルバイトをしながら生活する。新宿ならバイトできる店もたくさんある。また、業界の友人(すでに映画の仕事をする者が何人もいた)と飲み会をするのも新宿。真夜中まで飲み明かしてタクシーで帰るのに、遠い街だと大変な出費。それなら歩いて帰れる距離に住んだ方がいい。と考えたのだ。

また、新宿は映画館がたくさんある。新宿プラザ、ミラノのような大スクリーンの劇場もある。紀伊國屋、タワーレコード。その辺には頻繁に行くのに遠くに住むと交通費だけでも大変。調べてみると新宿からある程度離れると家賃は安くなるが、調布や八王子という大きな街に近づくと高くなる。だから、多くの友人は新宿からさほど遠くなく、それでいて大きな街まで行かない距離に住んでいた。

が、先の映画館に通う。紀伊國屋に行く。というために交通費と時間を使うことにはなる。調べると、新宿区の家賃は高いが、歩いて30分の距離だと安い物件もある。もちろん狭いアパートだが、交通費、時間。そして深夜まで飲んでも歩いて帰れる。また、業界の先輩から急に電話があり「今から来れる?」といわれて対応できることも大事。

都会から遠くの安いアパートに住んでも、新宿に出るのに時間を取られる、交通費がかかる。深夜まで飲めない。月に1度タクシーを使えば安アパートの意味がなくなる。あれこれ考えて、歩いて帰れる30分の距離にアパートを探した。

そうやって東京生活が始まる。新宿の居酒屋で皿洗いのアルバイト。昼はレンタルビデオの店員。バイトを終えてからシナリオ執筆。そうやって映画監督を目指す人生がスタートした。アパートは何度か変わったが、先の定義は毎回守り、新宿まで30分の場所にした。それがまさに正解で、先輩たちから「今から来れる?手伝ってほしいことがある」連絡を受けて駆けつけ、業界の仕事をもらったことが何度かあった。

そして、ある電話「今から30分くらいで来れるなら頼みたい仕事がある」と言われ現場に駆けつけた。ら「お前、ピザ屋みたいだな!」と言われた。15分くらいで着いた。たまたま、アパートに近いスタジオだったのだが、やはり新宿に近いとそんな施設もたくさんある。そのピザ屋の仕事。いや、先輩からの連絡がきっかけで、あれこれあって監督デビューすることになる。

しかし、そんな便利な場所にあるアパートにも問題が出て来る。にも関わらず、忙しさの中。それに気づかずに過ごしていた。大きな危機が訪れ、八方塞がりになるまで分からない。時代の推移。新しい時代になることで古い価値観に意味がなくなり、様々なものの意味が違って来たのだ。当時、僕はもう映画監督して多忙な年月を送っており、それに全く気づかなかった。だが、絶体絶命の危機で、時代が変わったことを知ることになる。続きはまたいずれ。



57611785_2620420724698882_5993821032744484864_n.jpg
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。