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「全裸監督」シーズン2。後半、オリンピックがダブる? [オリンピック問題]

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「全裸監督」シーズン2。後半、オリンピックがダブる?

前半は「黒い半沢直樹」ともいえる展開で、アダルトビデオでのし上がって行く主人公の痛快物語。ところが、後半戦になり、衛星配信に莫大な金がかかり、その調達に苦労。そんな中で信頼していた社員に会社の金を持ち逃げされたから転落。見ていて辛い展開となる。

それでも衛星にこだわる村西とおる(山田孝之)はヤクザから金を借り、裏ビデオに手を出す。その辺から仲間が次々に去って行く。主人公の村西はアダルト業界ではあるが監督。ドラマでは無茶無茶な存在として描かれてはいるが、現実社会でも監督は無茶無茶な存在だ。その意味では共感するところがある。

彼は自分で資金を集め、AVを撮り、大ヒットさせて、会社を大きくし、数億円の費用がかかる衛星配信まで始めた。が、1つのトラブルが雪だるま式に大きくなり崩壊して行く。他人事ではない。僕はAVではないが、大手映画会社が資金を出してくれる恵まれた立場ではない。だのに既得権益を派生させない。誤魔化しをしない。中抜きをさせない。観客が喜ぶ映画を作ることをモットーとしている。すると残るは借金だけということになる。その上、既得権益者たちには嫌われる。

大手の映画はほとんど、がんじがらめ。だから、マイナーでやっているのだが、それでも資金は必要だ。企業からの依頼なんてごく僅か。それも理不尽なものだと断ってしまう。まあ、金持ちになろうとか、安定した生活を送ろうとか、長生きしたいとか思っていないので、その映画を完成させたら過労で死んでもいいのだが、その遺作を撮るにも資金が必要。それが567で映画界は大変。多くの映画制作が中止。無機延期。俳優もスタッフもどん詰まり状態。映画館も経営が危ない。

「芝居をしたい!」「映画を撮りたい」という仲間たちが仕事ができずにいる。テレビは無理して感染対策班まで作り撮影している。毎週の放送。止める訳にはいかない。ある有名Pはそれでも収束を期待して映画の準備を1年進めた。が、先日、秋の撮影を断念。スタッフを解散した。断腸の思いだろう。再スタートさせるのは至難の技。それが映画だ。物理的なものだけではない。

今、地方ロケが嫌がられる。東京から多くの人が来るのを拒否。エキストラも集まらない。だから、みな中止にする。延期するのはもっと大変。そんな中でまたまた緊急事態宣言。なのにオリンピックは開幕。この1週間。怒りが止まらない。選手がインタビューに答える

「この1年間。苦しかったので、メダルが取れて嬉しいです!」

と笑顔。めっちゃ腹が立つ。苦しいのは日本人皆同じ。俳優だって幾つの舞台が飛んだか?何本の映画が中止になったか? 居酒屋だって、喫茶店だって同じ。なぜ、スポーツだけが許される? それを考えたら、あんな言葉は出てこない。話が逸れた。

ラスト近く。昔の友人が村西と再会する。彼は浮浪者のようになっている。決して同情できるような人物ではないのだが、自分の未来を見るよな気がした。理不尽がまかり通る世の中。メダル取った選手の発言聞き「元気をもらいました!」とネットで書く人。馬鹿すぎる。自分たちは自粛。オリンピックは開催の不公平。五輪強行は利権のため。踏みつけられていることに気付いず大喜びの人たち。ドラマの内容とは関係ないのだけど、没落して行く村西と、今の日本がリンク。そこに自分も重なり、やりきれない。

ただ、思うのは沖縄戦時の沖縄県民も、同じ気持ちだったのだろう。沖縄を救うつもりのない日本政府。県民の犠牲の上に本土を守ろうとした。そのために様々な理不尽を県民に強制。最後は死ぬことまで押し付けた。今と同じことが行われたこと。それも忘れてはいけない。


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