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日本映画が貧しくなった理由=将来を考えない経営者たち?「カツ定食」って何だ! [映画業界物語]

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日本映画が貧しくなった理由=将来を考えない経営者たち?「カツ定食」って何だ!

今の日本映画は本当に貧しい。もちろん、テレビ局が出資する大作はそれなりに金がかかっているが、多くの低予算映画はテレビドラマより安く作られている。ヒットメーカーの園子温監督の作品でさえ、1億円以下、数千万円だ。なぜ、そんなことになってしまったのか?

SONY等の日本のメーカーが高いプライドで努力しなくなったことで、韓国に抜かれた。アメリカの自動車会社ビッグ3も、同様に日本の車に抜かれたと書いたが、どうも王者に君臨すると時代の推移と共にプライドばかりが高くなり、努力を怠り、衰退して行くという構図が見えてきた。日本映画も同じではないか?

1960年代。大映映画。勝新太郎が看板俳優。彼の映画は面白く痛快で、大ヒットした。「座頭市」シリーズ「悪名」シリーズ「兵隊ヤクザ」シリーズ。3つも人気シリーズがあり、大映はそれを順番に上映。「カツ定食」とさえ呼ばれた。勝新太郎さえいれば安泰。そんな安心感があったはずだ。同期には市川雷蔵もいたがが若くして死去。そんな大映が映画会社5社で一番最初に倒産する。

社長がかなりワンマンで問題ある人だったというのもあるが、やはりカツ定食に頼りきり、次世代を育てない。それ以外の作品で勝負しない。将来を見据えて戦略がなかったのが原因だろう。だが、他の映画会社も似たようなものだ。映画会社に関わらず、先に挙げたSONYも、アメリカのフォードも、一時代を築いた会社は皆、プライドだけ高くなり、努力を怠る。そして今の盛況ぶりが未来永劫に続くと勘違いし、将来への投資をしない。

これは経営者だけでなく、人間としての愚かさかもしれない。バブル景気のとき、多くの日本人は好景気はずっと続くと思っていたはずだ。現在のように20年も不況が続く時代が来ようとは想像しなかった。これは経営者の質ではなく、人としての問題なのかもしれない。その辺を突っ込んで行こう。映画界もテレビの登場でヤバイ!となった時、重役達はこういったという。

「あんな小さな箱のようなもので、ドラマを見ても面白くない。やはり映画の大スクリーンで見てこそ面白い。テレビなんか問題じゃないよ」

これが当時の映画会社の平均的な意見だったそうだ。現在の視点から見ると、批判するのは簡単だが、原発事故だって、震災前は多くの人が「日本の原発は優秀だから安心」と思っていた訳で、あとからなら何でも言えるというのはある。が、当時から危険を指摘していた人たちも少なからずいる。そう考えるとトップに立つ人たちがいかに時代を見据えることができないか?ということが問題なのだ。

当時の映画人たちはどう思っていたのだろう? 次回はその辺を考えてみる。


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