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なぜ、日本映画界は貧しくなったのか? 没落するSONYと同じ構図?! [映画業界物語]

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なぜ、日本映画界は貧しくなったのか? 没落するSONYと同じ構図?!

日本映画はどんどん貧しくなり、世界でも評価されなくなってしまった。映画人口も減り。日本人は平均1年に1.4本しか映画を見ないと言う。そのために製作費はどんどん下がり、撮影現場ではスタッフが本当に大変な苦労をしながら作品を作ると言う状況だ。園子温監督が先日、その問題を指摘したが、全くその通り。本当に酷いものがある。

その理由をテレビの普及と言う人がいるが、そればかりではない。なぜならハリウッド映画も一時はテレビのせいで衰退したが、その後は盛り返し、今でもパワフルな作品を製作、世界中で大ヒットを続けている。となると、日本映画がダメになった理由は他にもあると言うこと。あれこれ考えたみた。

「真実を見抜く方法」その1で行こう。「比較」だ。映画業界以外にも衰退した業界はある。電化製品はどうか? SONYは戦後、東京通信工業株式会社という名で誕生した小さな会社だった。が、盛田昭夫、井深大という人たちが先頭に立ち、トランジスターラジオ、テープレコーダーと優秀な商品を次々に開発。世界のSONYになる。

僕が20歳の頃は身の回りはSONYだらけ、テレビ、ラジカセ、ウォークマン。Made in Japanが大活躍。アメリカ留学をしてもLAはSONYだらけ。信頼のブランドだった。が、それから35年。今、日本の電化製品は韓国に抜かれ、ニューヨークのタイムズスクエアにあったSONYの看板はもうない。LAエアーポートのロビーに置かれたテレビも、もはやSONYではなく韓国製のLG。

なぜ、こんなことになったのか? 関係者に聞くと「おごり」だという。最初は戦後の焼け野原から出発した盛田昭夫らの時代。世界で売れる商品を作ろう!売ろう!と頑張った。80年代は「新しいものを作ろう!」という自由な社風があり、ウォークマンを開発、大ヒットを飛ばしたが、世界のSONYになって何年も経つと当時の苦労を知らずに、ブランド名に憧れて入社する若者が増える。

入社しただけで「俺はSONYで働いている!」というエリート意識。他者に対して上から目線。取引した人は「あの高飛車な態度に毎回、嫌気がさす」という。1990年代になり、iPodの登場で音楽シーンは革命的に変わる。SONYも後追いしたが、多くのシェアを獲得したのはApple。スマホで音楽が聴けるようになり、今ではamazon music。ウォークマンから始まり、iPodに進化した外出用の音楽再生機はすでに存在せず。スマホの機能の一つとなっている。

「俺たちは世界のSONYだ!」というおごりが時代から振り落とされてしまったのだ。自動車業界でも同じことがあった。アメリカの三大メジャー。フォード、クライスラー、GM。「自動車王国アメリカ!」とプライドばかりが高くなり、努力を怠り日本車に抜かれた。ソニーも同じ。そして日本の映画界も同じ構図ではないか? 娯楽のない時代。映画を作れば客は来た。大儲けできた。球団も持っていた。俳優や監督は大金持ちになった。

が、テレビの登場で大きな危機を迎えた時。そして完全に娯楽の王者の地位を奪われた時。どんな努力をしたのか? ハリウッドはテレビとは違う大画面、シネマスコープ、シネラマ。70ミリ、スレレオサウンド、大作主義、パニック映画と、テレビでは見られない作品を作り出した。ま、日本もしているんだけど、どうも高いプライドが邪魔をして、SONYの没落と同じようなことがあったように思える。次回はその辺を考えてみる。


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