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「原発映画は出演できない!」有名俳優の事務所からNOの連続!(前編)=映画「朝日のあたる家」を作った頃= [思い出物語]

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映画「朝日のあたる家」を作った頃
=「原発映画は出演できない!」有名俳優の事務所からNOの連続!(前編)

山本太郎さんに出演してもらい、原発事故の悲しみを描いた映画「朝日のあたる家」もう映画館公開から6年になる。製作時、公開時の苦労話はすでに書いたので、それらに並び大変だったキャスティングについて話す。ある意味で一番、苦労した部分かもしれない。

当時、山本太郎さんはまだ俳優だったが、反原発デモに参加したり、原発事故について発言したりしたことで、テレビ局も、映画会社も、仕事を敬遠したのだ。今、考えるとこれも圧力というより、政府、原子力ムラに対する忖度だったのではないか? ムラは電力会社だけでなく、銀行(三菱や住友)、商社、から多種多用の大企業の集合体だ。

事故を起こした福島の原発も、日立、東芝、三菱重工が作ったもの。(テレビでそのこと結局、報道してないよね)そんな大手が関わり、さらに国策だ。事故でどれだけ多くの人に被害を与えようとも、テレビ局も、映画会社も、原発を批判する俳優を起用しなかったのである。それは太郎さんから始まったことではなく、以前から。原発だけでなく「芸能人は政治について発言してはいけない」という暗黙の掟があった。

映画監督なら「原発映画を監督したら、二度と商業映画は撮れない」と言われた。にも関わらず、太郎さんは原発批判を続け、僕は原発映画を監督してしまうのだが、そんな二人が出会うのはもう少し後になる。太郎さんはそのことで仕事を干され、事務所には嫌がらせの電話が頻繁にかかり、迷惑をかけないためにも事務所を辞めることを決意。

他の芸能人は「原発に関わると山本太郎のようになる」と考え、その手の発言をより控えるようになった。そんな時期に僕は「朝日のあたる家」を企画。大企業が一切出資しないにも関わらず、心ある多くの人たちから寄付を頂き映画製作をスタートさせた。(今、思うと「れいわ新選組」スタイルだな)次はキャスティングである。

だが、先にも説明した通り。原発に関して発言するのもはばかられるのに原発事故の映画に出演!というのは俳優にとって物凄くリスク。僕は「二度と商業映画は監督できなくてもいい!」という覚悟で、東京湾に沈められてもいい!と思いかかっているが、俳優はそうは行かない。原発映画に出たために干されたり、仕事がなくなるのは嫌だ。

多くの俳優事務所から出演拒否された。もちろん「原発事故の映画だからダメ」とは絶対に言わない。別の理由で断ってくる。少し前に話題になった映画。「反政府的なイメージがつくので出演できない」と断ったある有名女優の事務所の話が週刊誌に出ていたが、それはあり得ない。とにかく、最初にリストアップした知名度のある俳優にはほとんど断られた。

しかし、芸能界は広い。全員が断るかと思いきや、そうでもない俳優たちもいた。ザ・役者根性を痛感する展開となる!(続く)


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