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③【精神病の勉強をしていて、思い出した友人の恐怖験談】 [精神病&精神障害]

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【精神病の勉強をしていて、思い出した友人の恐怖体験】

「ボーダーライン人格障害」は「境界性パソナリティ障害」とも呼ばれる。この本にはその具体的な例が物語形式で書かれていたが、似たような話を聞いたころがある。紹介する。

A君は趣味のバンドをやっていた。彼は自身のFacebookで告知、ライブに客を呼ぶ。ルックスのいいA君は若い女の子に人気があり、Facebookでも「友達」がたくさんいる。毎日のように「いいね」や「コメント」が寄せられた。そんなFacebookでいつも「コメント」をくれる30代の女性がライブに来てくれた。会ったのは始めてだが、ネット上で何度もやりとりしているので、すぐに仲良くなった。

ライブのあとは恒例、ファンとの団らんタイム。客席でメンバーとファンが話をできる時間がある。そこで彼女はバンドメンバーや他のファンとも仲良くなる。Facebookでは連日、彼のことを絶讃。

「歌詞が感動的!」「プロを目指してがんばる***さん素敵!」

とコメントした。が、あるとき、ライブあとに、その女性と話していると、辛い過去の話を聞かされた。苦労しているらしく、ライブに来るのも経済的に大変なのだけど、応援していると告げられた。

辛い過去があるのに、明るく生きるその女性に好感を持った。が、愛とか恋とかではない。内緒にしているが、A君には彼女がいた。が、ファンは若い女の子が多いので秘密。そんなファンの中で、その女性はやがて熱烈応援者となり、毎回、ライブに来てくれ、ネットでもバンドの宣伝。メンバーにも可愛がられた。

その後も、その女性は繰り返し、過去の話をメールしてきた。いかに自分が不幸であるか? 友達が少なく、心を開ける人がいないか?を伝える。A君は励まそうと返事。女性は感動して、お礼の気持ちを伝えた。

やがて、彼女はいろいろと頼み事をしてくるようになる。プライベートで会ったほしいとか、ライブで一番前の席を取ってほしいとか、言い出した。「あなたの一番近くで応援したいんです!」と連絡が来た。だが、それには応じられない。そこから先に行くとトラブルが起きやすくなる。バンドとして基本、アウト。断るとこんなメールが来た。

「あなたの曲を聴くことで、辛い人生に耐えています。死にたくなるときも支えられます....」

冷たくすると自殺するのではないか?と思える。話には聞いたことがあるが、そんなことを言って来るファンは始めて、A君は対応に悩んだ。

そんなことがあり、A君はこれまでのようにライブのあと。ファンと団らんするのを止めた。すぐに楽屋に引っ込み。そのまま帰る。と、あの女性が激怒した。

「あんなに応援しているのに、この仕打ちは許せない!」

と、ネット上で彼への批判を書き始めた。

「彼の歌は魅力がない!」「才能がない」「歌詞なんて素人もいいところ!」

共通の知り合いにも、あることないことA君に酷い目にあった。心を傷つけられたと言い触れ回った。そしてこんなメールをバンドメンバーや共通の友人に送った。

「結婚してほしいと言われたのに、遊ばれて捨てられた。もう死にたい.....」

A君はバンドをやっているが、意外に真面目。ファンに手を出さないのは有名だった。親しい友人はデマを信じなかったが「やっぱ、バンドやってる奴はねー」とデマを信じる人たちもいて、その女性に同情する者も多かった。

A君の友人も「可哀想だろう? 仲良くしてやれよ」とか「見損なったよ。そんなこと隠れてしてたのか?」とか言い出す。本物の彼女との関係も危うくなり、メンバーからさえ「本当のところはどうなんだ?」と詰問される。ファンの間でもデマが広がり「失望した」「裏切られた」と観客が減った....。そんなとき、A君のもとにその女性からメールが来た。

「次のライブ。楽しみです! いつも感動をありがとうございます」

何事もなかったように、書かれてあり、仰天したという。「嫌がらせ!」とも考えたが、意味が分からない。バンドメンバーにも「**さんのベースはいつも素敵です」とか、以前のような絶讃と応援のコメントが毎日書き込まれた。どういうことか?

あとになって分かったことだが、その女性はボーダーライン人格障害だった。親しげに近づいて来て、賞賛、応援する。次第に自分の悲惨な過去を伝えて、同情を引き、取り入る。すると、あれこれ自分の思いをぶつけて、それを実現させようとする。

無理難題でも、相手の仕事や人間関係に影響することでも関係なしに要求。聞き入れられないと、まわりを巻き込む騒ぎを起こし、嘘や妄想をいい触れ回る。そして自殺をチラつかせて、相手を望む通りに動かそうとする。

感情の振り幅が大きく、そうやって批判したと思ったら絶讃する。そんなことをしてしまう、ある種の病気(症状)であると知った。専門家に相談すると、急に関係を切るとまた騒動を起こして、まわりの人たちも巻き込まれて、多くの人の心を傷つける結果になる。だから、とにかく係わり合わず、無視して、でも、シャッターアウトしないで、関心がなくなるのを待つしかない。と言われたそうだ。

その後もライブにその女性は来たそうだが、A君は演奏後はすぐに楽屋に戻り、これまでのようにファンの人たちと店で語らうことを完全にやめた。あるときから、その女性は来なくなった。メールも来ない。そっと彼女のFacebookを覗いてみると、他のバンドに夢中のようで、こんなことを書いていた。

「最高です!」「歌詞が本当に素敵です!」

事件を振り返ってA君はいう。

「あの子は病気なだけで、悪意がないことは分かります。といって、許せることじゃない....。あの事件からライブに来なくなったファンが結構いる。ネットで知らない人からも毎日のように批判や誹謗中傷。メンバーも塞ぎ込み、バンドは人気下降で結局、解散。あの女はバンドを応援する人たちやメンバーとも親しかったので、彼女の言葉を信用した人が多かったんです....。

昔はファンはありがたいと思っていたけど、あれ以来、特に女性と親しくなると、いろんなことを言い出さないか?と疑心暗鬼になり、もう接しないようにしています。あんな経験はもうごめんですから....」

これは友達の友達から聞いた話であり。特定できないように、少し設定を脚色している。が、その女性が行ったことは事実通り。結局、A君はバンドを失い、その後、GFとも別れ、Facebookも止め、バイトを続けている。いろいろと考えさせられる話である。


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