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「朝日のあたる家」を見て「この監督には想像力がないんですか?」という映画館主(3) [「朝日」DVD発売ー再掲載]

 
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2014年2月の記事より

 その映画館主は「朝日のあたる家」を見てこういった。

 「(福島ではない)別の場所を舞台にして、フィクションとして描くのであれば

 もう少し違った展開ができるんじゃないですか?

 想像力を使うということがあるでしょう?

 それがまるでないんですよね。だから、この映画の上映はできません」

 呆れて何も言えなかった。

 映画館の経営者。プロなのに、まるで映画の本質を理解していない。

 褒めてくれなくてもいい。本質を理解した上で批判するのは自由だ

 が、単なるないものねだり。

 まず、この映画は福島で起こったことをベースにしている。

 それによって原発事故の悲しみを伝えている。

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 舞台を湖西に移したのは、他人事にならないためだ。

 「福島の人大変だったねー」と観客が思わないように、

 自身の故郷をダブらせることのできるロケ地を選んだ。

 そのヘンが理解できておらず、

 「福島ではない別の場所で原発事故が起きたのに、同じ展開ではおかしい!」

 というのである。

 さらに「新聞やテレビ」で報道されて知っていることばかりと言う。

 しかし、それは「情報」でしかない。それを俳優が演じることで

 「情報」では伝わらない当事者の「悲しみ」や「苦しみ」までもが伝わる。

 そこが映画の強みであり、ニュースでは伝えられないところ。

 そもそも映画は最新情報を伝えることを重用視するメディアではない。それならテレビで十分だ。

 そして、もし、彼の指摘するように

 「違う場所で描くのなら、もっと別の展開がある」

 というのなら、福一の事故よりもっと酷い事故が描かれたり、

 より大きな爆発が起こったりすればいいのか?

 しかし、そんな架空の映画を作って何になるのだろうか?

 (つづく)




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