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広島型原爆168個分の放射能 [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 秋

 広島型原爆168個分の放射能。

 事故を起こした福島第一原発から放出されてしまった。

 それは福島だけでなく、東京や静岡にまで届いている。

 野菜や肉にも影響し、それは全国に流通して行く。

 放射能が届かなかった地区でも、内部被曝するのだ。

 子供は大人の4倍被曝する。

 放射能によって細胞がズタズタにされると、それはがん細胞になる。

 あるいは白血病。心不全。気管支の病気にもなる。

 でも、医学的に放射能が原因ということは証明できない。

 チェルノブイリでも、多くの子供が甲状腺がんにかかったが

 IAEA(国際原子力機関)は原因は放射能と認めようとしない。

 今後、日本で子供たちの病気が増えても、政府は同じ対応を取るだろう。

 放射能で汚染された食品。

 身のまわりに降り注いだセシュウム。半減期は30年だ。

 プルトニュウムがどれだけ拡散されたかは、未だに発表されていない。

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 これが肺に入ると、放射線を出し続け、肺がんになる。

 プルトニュウムの半減期は2万4千年。

 その人が肺がんで死んでも放射線を出し続ける。

 そして遺体を焼けば煙に乗って、また拡散。

 放射線を出し続ける。

 とんでもない時代になってしまった。

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 チェルノブイリで癌の急増は事故の2年後から、5年後がピーク。

 日本が同じなら、2013年の春から激増するはずだ。

 それに気づいた親たちは子供たちに安全なものを食べさそうと、

 関西や九州から野菜を取り寄せたりしている。

 しかし、今も避難出来ずに、線量の高い地区に住む子供たちもいる。

 それどころか、放射能値がまだまだ高い地区に、住民を戻そうとさえしている。

 マスコミはまだまだ、放射能の本当の怖さを伝えようとしない。

 安全だ。心配ない。食べて応援。とか、信じられないことを報道。

 多くの人がそれを信じている。

 子供たちを被曝させるようなことを続けている。

 僕の仕事は映画を作ること。
 
 子供たちに大切なことを伝えるのテーマ。

 そんな時代に、この国で、何を伝えればいいのか?
 
 ”親子に伝える大切なこと”とは何なのか?

 (つづく)


  原発事故に関しては、ツイッターでも呟いています

  こちら=>  http://twitter.com/#!/kiriyama99



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