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20%の新しさを人は称賛するが、それを超えると拒絶?理解不能になる [my opinion]

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人の許容範囲。80年代、僕は映画学校で学んでいた。高校時代なら映画のポスターを見ると「おう、こんな映画が公開されるのか!」と感じるだけだったが、その頃になると、監督や俳優の記載だけでなく、配給やずらいどこなのか? あと、デザイン。コピー等も気になるようになった。

東横線の駅には渋谷の映画館で上映中の作品。ポスターが貼られていた。そんな中の1枚。何度も何度もデザインは目にしていたのに、それが映画のポスターだと気づかないものがあった。海外でも評価される監督。当然、僕は名前を知っているし、その作品も数年前から制作されていることを聞いていた。エキストラ出演した友人もいる。でも、その映画だと気づかなかった。

なぜか?その両隣の映画は認識していたのに? その映画ポスターのデザインがあまりにもアバンギャルドだったからだ。通常、映画のポスターのメインビジュアルは主演俳優。銃を構えていればアクションもの。涙していればラブストーリーや青春もの。そのパターンは今も同じだ。
車が弾けていればカーチェイスがある。野球やサッカーも衣装で分かる。そしてキャッチコピー。タイトルは大きめに上か下。

なのに、そのポスターはそれらの定義を全て無視。全体に意味不明のイラスト。赤と黒のイメージ。俳優の写真もない。映画のポスターとはとても思えない。拳銃も、車も、スポーツの衣装もない。まあ、そんなジャンルではないのだが、とにかく映画と分からない。と言ってスキーや観光のポスターでないのも分かる。当時、パルコの宣伝がwアレンやcベリーを使った斬新なもの(意味不明とも言える)が多く、話題を呼んだが、それに近い感じ?

あるいは美術展の宣伝?と言う感じだったが、よく注意してみると*月*日公開 ***監督作品と書かれていて、あー映画だ!と気付いたのだ。その間、数週間。さて、この事件をどう解釈するか? 当時、映画学校のシナリオ授業では講師がよく言った。「新しさがない!」「オリジナリティがない」なので、その辺が大事と思っていた。が、ポスターの場合。主演俳優の顔写真なし、拳銃なし、車なし、青春なし。意味不明のイラストはとても斬新なのだが、それでは映画ポスターと認識されない。

つまり、新し過ぎてもダメなのだ。結論から言うと、映画ポスターは20%くらいの新しさで、あとは従来の定義を踏まないと、斬新でも、人々が映画ポスターとして認知してくれないのだ。要は30%40%と新しいものを人は受け入れづらい。50%を超えるともう拒絶。認識してもらえない。業界でもよく「新しさ」と言われるが、その比率はせいぜい20%くらいなのだろう。


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