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「タクシードライバー」の主人公トラビスは認証欲求を求めていた。妄想癖、虚言癖。彼にも精神病の影を感じる? [精神病&精神障害]

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「タクシードライバー」の主人公トラビスは認証欲求を求めていた。妄想癖、虚言癖。彼にも精神病の影を感じる?

スコッセッシ映画の主人公が精神病患者が多いという件。もう少し考えてみる。「タクシードライバー」のトラビスは他のキャラに比べると異常性は低いが、彼もまた現実から乖離している。両親に送る手紙には自分は政府の特別な仕事をしていると綴るが、実はタクシー運転手。これは「俺って本当は凄いんだぜ。その辺の奴とは違うんだぜ」という若い兄ちゃんがよく考えがちな思いから始まっているだろう。

僕が若い頃にも「俺こそが第二の黒澤だ!」と思っている映画学校の生徒が少なからずいた。根拠のない自信。勘違い。「いずれ製作会社を作るので、お前も雇ってやるよ」と言われたこともある。が、それから40年。未だに連絡が来ない。ただ、その手の夢見がちな若者は、やがて現実にぶつかり夢破れて去って行く。

トラビスもそんな若者だったのだろう。ただ、違うのは大学に行けず海兵隊に行き、除隊したが後遺症で夜眠れず、タクシー運転手になった。それだけの存在。友達もおらず、いつも孤独。多分、最初は両親を喜ばせるために嘘の手紙を書いていたが、その内、嘘と現実の境目が分からなくなって行く。僕の昔の友人たちもそうだが、映画監督や俳優を目指していた連中も、友達の少ないやつは妄想に陥ることが多い。

その夢が現実的に難しいものでも、それを否定する存在がいないからだ。他人を見ているとバカに見える。俺の方がずっと能力がある。日本映画にはろくなものがない。俺が監督すれば素晴らしい作品いなるという、以前にも何度も書いたアウトプットとインプットの勘違いから「俺は才能がある」と思い込み、消えていった友人は数えられないくらいいる。

それが友人が少ないと批判、否定されることがないので、勘違いや錯覚が生き続け、それが肥大化して行くのだろう。ただ、逆に僕は友達がたくさんいたので「映画監督になる!」と宣言すると、いろんな人が批判、否定、助言、止めようとした。これはこれで困ったもので、そうやって多くの若者が夢を潰され、諦めてしまう。ただ、逆に誰も止めないことで本来無理なのに、いつまでも妄想を抱き続ける者もいる。

トラビスもそんな一人。彼には具体的な目的はないが、「俺は違うんだぜ!」という思いがある。これは承認欲求に繋がるもので、あまりにも無視され、認められることがない若者は何か大きいことをして見返したいという願望が強くなる。有名になり注目され、賞賛されたい。最近の若い人にも多いが「芸能人になりたい」というほとんどがその手の願望から来るものだ。長くなったので続きは別の機会に書く。

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