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役所の職員はなぜ、熱く仕事をしない人が多いのか? [社会政治]

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役所の職員はなぜ、熱く仕事をしない人が多いのか?

宣伝のことを書いていて、前々から思っていた件の謎も解けた。以前、ある映画で役所が協力してくれた。行政の応援はありがたい。が、マイナス面も多かった。彼らがやることは何かトンチンカンで、意味のないことに力を入れて、必要なことをやらない。

決して悪気はないのだけど、プラスにならないことの方が多い。足を引っ張り、トラブルを起こすこともあった。が、彼らは良かれと思っている。その背景にあるものは何か? 簡単にいうとそれが「お役所仕事」なのだが、なぜ、そんなことになるのか?考えてみた。

いろんな例があるのだが、分かりやすいものを紹介。映画完成後、ポスターを持って役所に行くと「あちこちに貼らせてもらいます!」と言ってくれた。が、映画が公開されても役所が貼ったポスターを1枚も見ない。大きな街ではない。街をうろつけば目に付く。見つけたのは皆、地元の実行委員会の方が貼ったもの。役所とよく仕事をする友人に聞くとこう教えてくれた。

「通常、ポスターを貼るというのは、多くの人に映画の存在を伝えるため、映画を見てもらうためですよね? だから、なるべく人の目に付くところに貼ろうとします。が、役所の連中は違って、”映画を見て欲しい”ということより、”ポスターを貼りました”という行為をしたことが大事なんですよ。上司から”君、ポスター貼って来たか?”と言われた時に、”はい、やりました”と言えることが重要。

どこに貼ったか?ではなく、どこでもいい、言われた通りに貼ったということが大切。だから、人目に付く場所に貼った方がいいよな?とは考えない。貼りやすいところに、面倒でないところに、どこでもいいから貼るというのが彼らの発想。毎回、路地裏とか人が滅多に通らないところによく貼ってますよ。それでも貼ったは貼った。上司から叱られれない。目立つところに貼って市民からクレームが来るより、目立たないところで、クレームなしの方が都合いい」

なるほど。価値観も意識も違うのだ。「街の魅力を紹介する映画だから、市民に見て欲しい」というのが通常の発想なのに、映画をアピールしようなんて考えていないのだろう。しかし、担当者が怠け者ということではないらしい。役所というのはそういうところで「市民のために働いていますよ」と見せかけながら、いかに時間をかけて少量の仕事をするか?が大事。1日済むものを1ヶ月かけて作業する。それが役所だと言われた。

1日で仕事をかたずけると、別の仕事を指示される。仕事量が増える。給料は変わらない。だから、時間をかけて最低限の労働力でかかった方が得。残業に持ち込んだ方が得!と考えるのだ。もちろん全ての職員ではない。思いのある人もいる。が、役所のシステムが多くの職員をやる気のない人間にしてしまう。頑張っても何の得もない。だったら、できる限り手を抜いてやろう。そう考えてしまうのだという。まさに黒澤明の「生きる」の世界だと思える。

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