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境界性パーソナリティ障害⑥ 思い出した友人の恐怖験談 [境界性パーソナリティ障害]

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【精神病の勉強をしていて、思い出した友人の恐怖体験】



「境界性パソナリティ障害」は「ボーダーライン人格障害」とも呼ばれる。この本にはその具体的な例が物語形式で書かれていたが、似たような話を思い出したので紹介する。

A君は趣味のバンドをやっていた。彼は自身のFacebookで告知、ライブに客を呼ぶ。ルックスのいいA君は若い女の子に人気があり、Facebookでも「友達」がたくさんいる。毎日のように「いいね」や「コメント」が寄せられた。そんなFacebookでいつも「コメント」をくれる30代の女性がライブに来てくれた。B子である。会ったのは始めてだが、ネット上で何度もやりとりしているので、すぐに親しくなった。

ライブのあとは恒例、ファンとの団らんタイム。客席でメンバーとファンが話をできる時間がある。そこでB子はバンドメンバーや他のファンとも仲良くなる。Facebookでは連日、彼のことを絶讃。「歌詞が感動的!」「プロを目指してがんばる***さん素敵!」とコメントした。

が、あるとき、ライブあとに、B子と話していると、辛い過去の話を聞かされた。苦労しているらしく、ライブに来るのも経済的に大変なのだけど、応援していると告げられた。

辛い過去があるのに、明るく生きるそのB子に好感を持った。自分の歌を励みに生きていることが健気と思えた。が、愛とか恋とかではない。内緒にしているが、A君には彼女がいた。ファンは若い女の子が多いので秘密。そんなファンの中で、その女性はやがて熱烈応援者となり、毎回ライブに来てくれ、ネットでもバンドの宣伝。メンバーにも可愛がられた。

その後も、B子はさらに過去の話をメールして来る。いかに自分が不幸であるか? 友達が少なく、心を開ける人がいないか?を伝える。A君は励まそうと返事すると、B子は大感動していた。プロではないA君は気づいていないが、タレントやアーティストがファンと親しく交流を持つのは危険。その弊害が現れる。B子はいろいろと頼み事をしてくるようになる。プライベートで会ってほしいとか、ライブで一番前の席を取ってほしいとか、言い出した。

だが、それには応じられない。特定のファンの特別扱いはトラブルが起きる。バンドとして基本ーアウト。断るとB子からこんなメールが来た。「あなたの曲を聴くことで、辛い人生に耐えています。死にたくなるときも支えられます....」冷たくすると自殺するのではないか?と思える。話には聞いたことがあるが、そんなことを言って来るファンは始めて、A君は対応に悩んだ。

そんなことがあり、A君はこれまでのようにライブのあと。ファンと団らんするのを止めた。すぐに楽屋に引っ込み。そのまま帰る。と、B子が激怒した。「あんなに応援しているのに、この仕打ちは許せない!私は捨てられた!」と、ネット上で彼への批判を書き始めた。

「彼の歌は魅力がない!」「才能がない」「歌詞なんて素人もいいところ!」

しかし、他のメンバーには相変わらず「がんばってください!」「お疲れ様」「また、ライブ行きます!」とコメント。ライブハウスで仲良くなった他のファンには「A君に利用された。心を傷つけられた。利騙された」と言い触れ回った。そして「結婚してほしいと言われたのに、遊ばれて捨てられた。もう死にたい.....」ともバンドメンバーやA君の友人にメールを送った。

A君はバンドをやっているが、意外に真面目。ファンに手を出さないのは有名だった。親しい友人はデマを信じなかったが「やっぱ、バンドやってる奴はねー」とデマを信じる人たちもいて、いつも健気で明るいB子が嘘を言うはずはないと同情する人が出てきた。

A君の友人も「可哀想だろう? 仲良くしてやれよ」とか「そんなこと隠れてしてたのか?」とか言い出す。本物の彼女との関係も危うくなり、メンバーからさえ「本当のところはどうなんだ?」と詰問される。B子と親しいファンの女性は「酷い。B子がかわいそう。Aは許せない!」とB子の嘘を信じ込み、友人たちに電話をかけまくった。ファンの間で広がり「失望した」「裏切られた」という声が広がる....。

そんなとき、A君のもとにB子からメールが来た。「次のライブ。楽しみです! いつも感動をありがとうございます」と何事もなかったように、書かれてあり、仰天したという。「嫌がらせ!」とも考えたが、意味が分からない。バンドメンバーにも「**さんのベースはいつも素敵です」とか、相変わらず絶讃と応援のコメントが毎日書き込まれた。どういうことか?

あとになって分かったことだが、B子は境界性パーソナリティ障害だった。親しげに近づいて来て、賞賛、応援する。次第に自分の悲惨な過去を伝えて、同情を引き、取り憑く。やがて、相手を支配し、様々な自分の思いを実現させようとする。

無理難題でも、相手の仕事や人間関係に影響することでも関係なしに要求。聞き入れられないと、まわりを巻き込む騒ぎを起こし、嘘や妄想をいい触れ回る。そして自殺をチラつかせて、相手を望む通りに動かそうとする。

感情の振り幅が大きく、批判したと思ったら絶讃する。そんなことを繰り返してしまう、ある種の病気(症状)であった。そんな病気が存在するなんてA君は思いもしなかった。専門家に相談すると、急に関係を切るとまた騒動を起こして、まわりの人たちも巻き込まれて、多くの人の心を傷つける結果になる。だから、とにかく係わり合わず、無視して、でも、シャッターアウトしないで、関心がなくなるのを待つしかない。と言われたそうだ。

その後もライブにその女性は来たが、A君は演奏後すぐに楽屋に戻り、これまでのようにファンの人たちと店で語らうことを完全にやめた。あるときから、その女性は来なくなった。メールも来ない。そっと彼女のFacebookを覗いてみると、他のバンドに夢中のようで「最高です!」「歌詞が本当に素敵です!」とコメントを書き込んでいた。そのバンドのボーカルだけでなく、メンバーやファンにも「がんばってください」とコメントしていた。A君はいう。

「あの事件からライブに来なくなったファンが結構いる。ネットでは知らない人からも誹謗中傷。メンバーも塞ぎ込み、バンドは人気下降で結局、解散。あの女はバンドを応援する人たちやメンバーとも親しかったので、彼女の言葉を信用した人が多かったんです....」

これは友人から聞いた話であり。特定できないように、少し脚色している。B子は今も他のバンドに熱を上げていて、相変わらず「素敵です!」「応援しています!」とコメント。人気のボーカルだけでなく、バンドメンバーやファンたちと親しくなり、取り憑く相手を探しているらしい。

結局、A君はバンドを失い、その後、GFとも別れ、Facebookも止め、バイトを続けている。友人たちには「B子がパーソナリティ障害だった」と説明しても理解されなかったという。この種の患者は結構多いがまだまだ一般に認知されていない。それゆえ被害が拡大する。今も「彼女がいるのに、B子と浮気した報い」と思う友人がいるらしい。いろいろと考えさせられる話である。A君はいう。

「昔はファンはありがたいと思っていたけど、あれ以来、疑心暗鬼になり、もうファンとは接しないようにしています。嘘を振りまくB子を信じる人があんなにいるなんて、彼女でさえ僕を疑った....あの女のせいで、全てを失いました...もう人というものを信じることができません....」

 続きはこちら=>http://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/2016-01-27


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