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「東京ブラックアウト」が伝えること③ ジャーナリスト上杉隆さんが常々指摘する記者クラブ問題についても言及 [読書]

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 小説「東京ブラックアウト」は「原発ホワイトアウト」の作家が書いた続編的小説。著者は現役のキャリア官僚であり、自分が職場で見たこと体験したこと。聞いたことを物語にして、事実を伝えようとしている。マスコミでは報道されない、官僚の思惑。電力会社の裏工作。政治家たちの本音がリアルに綴られていて、あまりの酷さに打ちのめされる。マスコミの記者クラブ問題についても描いている。

 第6章 再稼働に隠された裏取引 P163より。

「この国ではつねに、何千人もの記者を擁する大新聞ではなく、数十人規模の週刊誌の編集部か、或いは個人のフリージャーナリストが、権力の心胆を寒からしめるスクープを放つ。記者クラブ会員社の記者にとっては、大臣のスキャンダルを追求するよりも、大臣の家族の誕生日を知ることのほうが重要な仕事となっている。

 (中略)前経済大臣、小口陽子の政治資金問題でも、何千人もいる新聞記者は、誰一人として、その公開されている資料を調べようとしなかった.....」

 (「東京ブラックアウト」講談社 若杉冽 著より引用)

 これはフリージャーナリストの上杉隆さんが常々指摘している点である。記者クラブシステムがあるから、フリーや海外の記者を閉め出し、大手各社が横並び報道になる問題が起こる。その辺のことは上杉さんが出演した先日の「週刊リテラシー」でも詳しく語っていたが、彼の著書でも詳しく説明されている。いくつもの本に書かれているが、最新の「淳と隆のなんだかおかしなニュースの裏側」(双葉社)第2章テレビはなぜ自主規制だらけなのか P69でも触れているので興味ある人は読んでほしい。

 ちなみに「東京ブラックアウト」の物語の中では上記のように前経済大臣、小口陽子となっているが、誰がモデルなのか?はすぐ分かる。「ん? これは誰がモデルかな?」と思い調べながら読んでいる。

前作「原発ホワイトアウト」感想はこちらで=>http://cinemacinema.blog.so-net.ne.jp/2016-01-07-4



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