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映画「ソロモンの偽証」前編は力作!なのに後編が物足りないのはなぜ? [映画感想]

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昨年末から予告編の勉強のために、何度か映画館に通った。が、本編開始前に上映された8本くらいの予告は、上映が終わると大抵覚えていない。その上、作りが安易で、有名俳優***さんが出ていますよー的なものが多く、「観たい!」と思えるものが本当に少ない。

その辺を参考に新作の予告を作ったのだが、数々観た予告編の中で気になったのがこれ。「ソロモンの偽証」何か引っかかった。もともと、原作の宮部みゆきさんの小説はよく読んでいたのも少しあるし、同じ宮部さん原作の映画化「理由」ではメイキングを担当していたこともあった。が、やはり中学生が裁判をするというアイディアに惹かれたのだと思う。

が、この映画のキャッチコピーは「嘘つきは、大人のはじまり」これはどうかと思った。実際、映画を見るとそんな話ではなく、真面目な社会派ドラマとなっていて、非常に面白かった。こんなコピーにするべきではないと思える。宮部みゆき原作で、あのコピーは不釣り合い。あれではシニカルで、現代的な擦れた子供たちが活躍する物語かと思いきや全然違って、本当にまっすぐな子供たちが頑張る物語。

たぶん、キャッチコピーを考えたのは僕と世代が近いのではないか? 僕らの世代は「正義」とか「青春」とか「真実」というようなことに照れがあり、それを笑いにしたり、シニカルに捉える傾向がある。なので、このまっすぐな物語をストレートに受けとらず、ななめに観て表現したように思える。が、それこそが、この映画の本質を伝えていない最大の原因であり、このコピーで映画を観たい!という思いが削がれていた。

ただ、原作は宮部みゆきだし.....そんなシニカルな話なわけがない。と思い観たらこれがかなり面白かった。先に書いてしまったが、中学生たちが真剣に真実を追求する物語で応援せずにはいられなくなる。が、原作は6巻ほどある長編。2時間では収まらず、前後編の2部作となった。

まずは前編を見る。最初はかなり辛く、もう帰ろうか?と思うが、次第に盛り上がり、「えーーーここで終わりか!!!」と思うほど真剣に観た。そして後編の予告編で号泣! 翌日、すでに上映中の「後編」を見に、再び映画館へ!

 しかし、期待のし過ぎか? 退屈はしないのだが、それほど盛り上がらずに終わりを迎える。んーー何がいけないのか? 「驚愕の真実」「この真実にあなたは涙する」と宣伝では言っていたが、それほどでなかったのが原因か?

犯人がわかるとか、オチの想像がつくということではない。力足らずに終わっているのだ。もっといえばテーマが突き詰められていない。膨大な原作をまとめきれなかったからか? 小説を読んでいないので、それはわからないが、途中はいろいろと凄い部分はある。やはり宮部みゆきって凄いなあ。。。と思うのだけど、大人たちが封印した事件の扉を子供たちが開き、真実を追求するという物語を考える。そのアイディアがまず素晴らしい。

ただ、物語に散りばめられたテーマが映画では突き詰められていないのが残念。小説版ではどうなのか? 読んでみたいが全6巻はキツイ....。



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