編集中に何を考えて作業するのか？

　映画に出演したもらった俳優と

　完成後に会ったとき、

　「＊＊＊＊＊＊＊シーンを演じたときは、どんなこと考えていた？」

　と訊くことがある。でも、答えはほとんど同じ。

　「よく、覚えていないんです・・」

　あの熱演を覚えていないなんて！　あんな凄い演技をしたのに！

　それを忘れるのか？　と最初は思ったが、もの凄い緊張と集中力で演じるので

　記憶がなくなってしまうようだ。

　撮影中のことというのは、監督はもの凄くよく覚えているものだが、

　（以前、大林宣彦監督に「異人たちとの夏」のすき焼きのお話を伺ったことがあるが

　監督は昨日のことのようにことこと細かに、正確に話をしてくれたのを思い出す）

　俳優というのは、そんな側面があるようだ。

　しかし、僕自身も思い当たることがある。

　撮影現場のことはよく覚えているが、シナリオを書いているときのこと。

　覚えていない。

　

　同じく、編集中の記憶というのもあまりない。

　これももの凄い集中力で作業をするからなのか？

　そんなことがあるので、今回の編集作業も何を考えながら、

　何を感じて、作業したか？

　細かく記録して行きたい。

　（つづく）