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自宅入院生活は続く  [●「朝日のあたる家」序章 2012]

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 2011年 夏


 1本の映画を完成させるというのは、本当に戦いだ。

 終わったときに、残るのはボロボロの体とズタズタの心だけ。

 そんな訳で毎回、過労で倒れ2ヶ月ほど寝込む。

 すでに、恒例の2ヶ月は過ぎたが、体調はよくならない。

 やはり、50歳が近づくと回復が遅いのか?

 或いは、それほど今回の戦いが凄まじいものだったのか?

 前作”ストロベリーフィールズ”も非常に評判はよかったが、

 今回の”青い青い空”はそれを上回る反響があった。

 映画の後半戦は、観客の誰かが泣いていたほど涙の連続。

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 ラストには試写会でも、公開中でも、拍手が起こった。

 友人や関係者ではなく、一般の観客が映画を見て拍手するというのは

 日本ではめったにない反応。高い評価だと思えた。

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 それだけに作品を作る労力も、大変なもの。

 過労で倒れるどころか、過労死してもおかしくなかったのかも!

 ただ、毎度のことながら、

 映画を完成させても力石徹のように”終わったーーーー・・”

 という充実感がなく

 矢吹丈のように、真っ白に燃え尽きることもなく、

 後悔と反省ばかりが、心を駆け抜けて行く。

 何ヶ月も続く自宅入院生活。

 いつになれば復帰できるのか? 


(つづく)

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