何よりも大切なこと [●「朝日のあたる家」序章 2012]
2011年 秋
僕の映画のテーマ。”親子に伝える大切なこと”
それを突き詰めて行けば、どうすれば人は幸せになるか?
そして、幸せとは何だろう?
ということになる。
僕が映画を通じて語って来たのは・・。
子供を一流大学に行かせるよりも、
自分らしさを見つけてあげることが大切ではないか?
或いは、親子の絆を確認すること
自分の気持ちを伝えること。
どうすれば絆を強くできるのか?
どうすれば気持ちを伝えることができるのか?
そんなことだった。
しかし、3/11から日本は大きく変わってしまった。
何より原発事故。
地震や災害も大変だが、いつか復興できる。
戦争も悲惨だが、降伏すれば終わる
でも、拡散された放射能は降参しても攻撃をやめない。
セシウムの半減期は30年。プルトニュウムは2万4千年。
人間はそれを無害化することはできない。
特に被害が大きいのは子供。
今後、白血病、癌、心臓疾病、呼吸器の病気が多発する
チェルノブイリでは事故後、正常に産まれてきた子供は15%
多くが奇形児。産まれて来てもすぐに死んでしまう。
甲状腺がんが激増。皆、30歳まで生きられないという。
チェルノブイリと同じなら、日本もそうなって行く。
そんな時代に何を伝えるべきか?
どんな映画を作るべきなのか?
ただ、そんな時代だから明確になって来たことがある。
これまで親たちは、子供をいい大学に行かせ、大きな企業に就職させ
安定した生活を送ることこそ、幸せだと考えた。
でも、これからは違うだろう。
脱原発デモを取材したとき、福島から参加した主婦
こう言っていた。
”東京に来て驚きました。子供たちが公園で遊び。
皆、普通に犬を散歩させている。
私の町では、もうできないんです。
ついこの間まで、当たり前にやっていたことが、できない。
放射能に汚染されて、子供たちを外で遊ばせることもできません・・”
重い言葉だった。そして思った。
幸せというのは、
一流大学に入るより、大手企業に就職するより、
金持ちになるより、有名になることより
子供たちが公園で遊び、食べたいものを食べ、
健康で、病気にかからず、親より長生きすること。
何よりも大切なのは、子供たちが元気でいること。
そんな子供たちの成長を親が見守れること。
それが幸せというものではないか?
それが・・・ハッキリして来たような気がする。
つづく
2012-09-02 19:22
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