次世代、悪役のあり方 [●「朝日のあたる家」序章 2012]
2011年 秋
4年がかりで映画”青い青い空”を完成、公開。
その後、重度の過労で倒れて、自宅入院生活。
こんなことを考えていた。
日本は3/11以前と以降で分けられるようになる。
正確には福島原発事故の以前と、以降で分けられるのかもしれない。
いろいろと勉強すると、原発事故は太平洋戦争以来の危機。
そこで何を見つめるべきか?
僕はジャーナリストのようにメディアを通して真実を伝えることはできない。
できることは、今の時代を見つめ知ることで
作品を通じて「希望」や「感動」を伝えること。
テーマはこれまでと同じ「親子に伝える大切なこと」
まさに今、それを問われているのだと感じた。
原発事故を勉強していて感じたこと。
以前の悪役というのは、「世界征服を企む秘密結社」とか
「大量殺人を狙う犯罪者グループ」のような存在だった。
それを007や敏腕刑事が阻止するというのが主流だった。
今後はどうか?
もっと酷く許せない存在が「悪」と呼ばれることになるだろう。
今後、物語の悪役は「秘密結社」や「犯罪集団」ではなくなる。
原子力の危険性を説明しない学者。安全を疎かにする原発推進者。
命に関わる事故を報道しないマスコミ。
つまり、何もしないことで「未来」や「希望」を潰すのが、
これからの時代の「悪」ではないか?
今後、物語の「悪役」は変る。
昔の悪役は「努力して(?)市民を傷つけようと行動する犯罪者やテロリスト」。
でも、これからの悪役は
「何もしないことで、市民を傷つける人たち。
危険が分かっているのに何も言わない人々」
だと考える。
3/11を境に「悪」の定義さえも変って行く。
今、一番、許してはいけないのは、何もしない人たち。
責任ある者が何もしないことで、子供たちの将来を潰す。
人々の努力を無にしてしまう。
それこそが悪であり、罪である時代が来たような気がする。
(つづく)
2012-09-02 17:16
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0