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映画監督の仕事は演技指導ではない。嘘を見抜くこと?=何でやねん!説明する。 [映画業界物語]

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映画監督の仕事は演技指導ではない。嘘を見抜くこと?=何でやねん!説明する。

何度も書いたが、映画監督は俳優に演技指導をする仕事ではない。自身が芝居できないのに指導なんて出来る訳が無い。そこをよく誤解する人が多い。では、何をするのか?というと、本物と偽物を見分ける作業をする。俳優が芝居をする。それがいい芝居か?どうかではなく、リアリティはあるか? 嘘はないか?を見極めるのである。

友人が死んだ時に、そんな顔をするか? 嬉しい時にどんな笑顔をするのか? 辛い時はどんな風に泣くのか? 俳優はシナリオを読み、設定や流れを理解し、その場面を演じる。監督はそれを見ていて、正しい動きであるか?喋り方はそれでいいか? 演技に見えないか? 自然に見えるか?を確認。判断する。それが監督の本来の仕事。

つまり、監督は演技ができたり、演技を指導する必要はない。日常生活の中で、あるいは通常でない事態の中で、人がどのような振る舞いをし、話し、動くのか?ということを日頃から観察し把握する。

それを俳優が演じた時に、その嘘を見抜く、不自然さ、リアリティのなさを見つける仕事なのだ。いかに上手に人を騙すか?を俳優は努力し、それをいかに見抜いてより巧妙にするか?を監督が指摘する。それが撮影現場なのだ。

だから監督は映画技術や映画の歴史に詳しいより、人を見る目、物事の真理を見抜く目が求められる。それが映画監督がするべき仕事なのだ。オリバーストーン監督が映画化のためにロシアでスノーデンと会った時。いろいろ話した。ご存知の方も多いと思うが、彼はアメリカの情報組織NSAで働くエージェントで、国内の重要機密を持って亡命した実在の人物。アメリカの陰謀を世界に暴露した。

彼を描いた映画を作るために、ストーン監督はスノーデン本人に会ったのだ。が、本当に彼は機密情報を持ち、本当にNSAで働いていたのか? 嘘で注目を集めているだけかもしれない。だとしても、それが嘘だと証明する手段はない。機密情報なのだから。ストーン監督はこういった。

「もし、彼が言っていることが全て嘘ならスノーデンは世界1の俳優だ。数々の名優の演技を見てきた私をも騙せたのだから」

ここにも監督業の本質が見える。演技指導ではない。嘘を見破る。見抜くことこそが映画監督の仕事なのだ。

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