「この監督、頭おかしい！」と言う人＝そこから見えてくる今時の若者の悲しい本質？

「この監督、頭おかしい！」と言う人＝そこから見えてくる今時の若者の悲しい本質？

先日、facebookで友達申請してきた人。タイムラインを見ていると彼の記事が目についた。「太田監督、頭おかしい！」どういう人か？興味を持ち見てみると、３０代男性。輸送関係の仕事。独身。映画とロックが好き。おー趣味が合うなあ。記事はほとんど、音楽と映画について。あと、仕事終わったとか、今朝は早番だとか。

ごく普通の若い人。真面目に働く労働者。大統領選以外では特に何かを批判することはないようで、安倍、菅批判もないし、桜事件、原発について物申す記事もない。ネトウヨでもない。いや、ネトウヨは今、トランプ支持だ？！おかしな現象。今、トランプ批判の多くはリベラル（とかいう言い方は嫌いだが）の人たち。安倍＆菅批判、原発反対、戦争反対の人が反トランプというおかしな状態なのだ。

この人はそんな風に社会に対して声を上げるタイプではないようで、真面目に仕事して、ロックが好きで、映画が好きで、趣味を楽しみながら生活しているようだ。この人が僕に対して、わざわざ名指しで「頭おかしい」と書き、facebook記事で公開する理由はなんだろう？　少し前に「友達申請」ー多分、おかしなこと書いている監督がいる。「申請」して「限定記事」を読んでみようと思ったのだろう。

読むと彼にとって「常識」を超えるバカなこと。理解できないこと。まさに頭がおかしいとしか思えないことを毎日、アップしていた。おまけに彼は映画ファン。映画監督ってまともな人。素晴らしい芸術家という認識があっただろう。「なのに、こいつは！！なんだ」ということだったのではないか？

しかし、それは監督業を知らないということ。監督こそが、それも巨匠の方がぶっ飛んでいる人が多い。狂ってなければ巨匠にはなれない？！とさえ思える。だって、芸術家もそうでしょう？　岡本太郎さんとか！だから、監督で「いい人」とか言われているような奴はろくな映画しか撮れない。嫌われて「何、あの人！」と言われる人が巨匠になる。芸術家は常識や固定観念に縛られない。だから芸術家なのだ。映画を作る者がおとなしく社会で生活できるわけがない。だから映画を作るんだ。一つ間違えたら犯罪者！と言うのが監督業なのだ。

その人が感じた「頭おかしい」とはそういうことではないだろう。多分、多くの人が感じているように大統領選で「不正はなかった」「陰謀なんてない」「バイデン勝利」「それだけ」「だってマスコミがそう言っているもん」という認識だと思える。

いつものように仕事に行き、遅くまで働き、アパートに戻ってロックを聴き、日曜は映画に行く。素敵な女性と出会わないかなーと思うが、劇的なことは何もなく、同じ毎日の繰り返し、その中で「陰謀があった。DSの策略だ」という人がいても「な、訳ないだろう？　世の中、そんな映画みたいなことはないんだよ〜。バーーーーーーカ！」という感覚ではないか？

彼にとっては、特に映画監督という仕事をしている人が、「陰謀だー」（なんて僕は言ってないけど！）言ってると「頭、おかしい〜」となるのだろう。バイデンが勝利することで、再びアメリカが戦争を始めるなんて想像もしない。中共がバックいるなんて思いもしない。「だって、陰謀論だから」で終わらせてしまう。けど、これって、裏で笑っている人たちにはスッゴク都合のいいタイプだよね？

いや、違う。都合のいい彼のようなタイプを育てて来たんじゃないかな？この国。だって、「考える力を育てない教育」しかしていない。言われたことをするだけの大人を育ててる。自分で考えて行動しない。そんな人間を作り続けて来た。裏で何が起きているか？アメリカで何が起きているか？それが日本にどんな影響を与えるか？考えない。それを告げられても「陰謀論だね」で終わり、また思考停止。

沖縄戦の取材で体験者の女性が、こう話してくれたのを思い出す。「戦争、戦争と言われても、私たちとは関係ないことだと思っていたんです。戦争に巻き込まれて始めて、戦争の恐ろしさを知りました」今の日本人も同じではないか？　この国は都合のいい、従順で、自分で考えない大人を大量生産した。また、戦争が始まっても「関係のないことだと思っていた」と多くが言うことになるのだろう。そんなこと考えてしまう。