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悪意がなくても、トラブルを起こす人たち。映画製作はいろんなことがある? =私は被害者だと言い触れ回る人 [映画業界物語]

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悪意がなくても、トラブルを起こす人たち。映画製作はいろんなことがある?

地方で映画を作るときに難しいこと。2回書かせてもらった。「感謝」の気持ちを伝えることは良いことだと子供時代から思っていたが、そのことで誤解を生み悲しい思いをさせてしまうことがあるなんて想像もせず(前回の記事)。映画作りは常識的な判断だけでは行かないことも痛感した。

もう一つ、そんなケースを紹介しよう。地方映画は地元から多くの人が支援、応援してくれる。地元のみならず以前のロケ地。全国の街からも市民俳優として出演してくれたり、ボランティアで来てくれる人もいる。毎回、多くの人が参加してくれるので本当にありがたい。が、あるときスタッフにこう言われた。

「監督はよく一般の方のお手伝いを受け入れますが、それを嫌う監督も多いんですよ。良かれと思って参加してくれても、プロではないのでお願いした仕事ができず。余計に手間がかかったり。トラブルを起こしたりするからなんですけど...」

確かにそれはある。だが、ボランティアで来てくれる人に悪意のある人はなく、その人が出来る仕事を考えてお願いする。プロでなくてもできることを手伝ってもらう。それだけでも低予算映画の場合は多いに助かる。が、あるとき、僕の想像を超える事件が起こった。

「監督の映画、素晴らしいです。応援させてください!」

と近づいてきた女性がいた。撮影の手伝いだけでなく、映画イベント等にも現れ、周りの人たちにも接触。その後、次々にトラブルを起こした。これは慎重に説明せねばならないが、その人は病気。体は健康だが、心が病んでいて物事を歪めて捉えてしまう。だから、トラブルが起きる。

僕がこれまでに書いた「その種の記事」を読んでくれた方は分かると思うが、その病気の実情を多くの人は知らない。それどころか間違った認識を持っている。急に叫び出すとか、暴れるとか、非常識な行動を取るとか、そんな症状の人もいるが、そうではない患者の方が多い。それを見分けるのは一般の人にはまず不可能。「ちょっと変な人?」と思うか?あるいは病気だと全く気づかないのだ。

患者も自分が病気だと気づいていないことがある。そして、事実でないことを事実だと思い込んだり。妄想を信じてしまう。そして

「***さんにいじめられた....」

「酷いことをされた....」「騙された....」「辛い。もう死にたい.....」

と騒ぎ、泣き、言い触れ回る。周りの人はそれが事実だと思う。

「可愛そうだ」「酷い話だ」「許せない」

と思って酷いことをした相手を攻撃する。が、相手には覚えがない、患者の思い込みとか妄想だからだ。なのに周りから批判、攻撃される。事実ではないので反論。結果、病気でない人同士が争い、トラブルになる。ありもしないことで揉める。でも、原因がその患者にあることに気づかない。そんな病気があること自体、多くの人は知らない。

自身が被害者であるかのように演じて、皆の注目を集め、妄想を語り、周りを巻き込んでしまう。さらに患者はネットを使い、自分は被害者だとアピール。いろんな人にありもしないことを伝えて周り、同情を得ようとする。それに引っかかり応援する人まで出てくる。

周りから見る健気な頑張り屋に見えてしまう。そして患者は若い女性に多いので、攻撃された男性の方が悪者だと思われる。僕は以前から精神病は勉強していたが、その病気は全く知らなかった。そんな患者が撮影のお手伝いに来たことがあり、トラブルが起こった。

最初は理由が分からず、あれこれ考えていたら知り合いの精神科医さんが教えてくれた。早目に気づいたので大事にはならなかった。が、迷惑がかかった人もいた。患者に悪意はない。「映画のお手伝いをしたい」と真剣に思っている。が、思い込みが強く、妄想があるので

「私は騙された〜」

と騒いでしまう。患者ではないが、出演者のファンがボランティアを装って参加。その俳優に近づこうとしたり、私物を盗んだりすると言う話を聞いたこともがある。隠れて写真を撮る。アイドルグループのイベントで刃物で斬りつけるという事件が少し前にあったが、悪意を持った人たちもいる。

それを最初に見極めるのは難しい。特に患者の場合は悪意がなく、トラブルを予期するのは困難。なので、多くの監督たちは一般のお手伝いを敬遠しがちなのだ。僕は基本、やる気のある人は受け入れる!という姿勢だった。そして悪意のある人間を見抜くのは得意で、金目当て、映画を利用しようと近づいてくる輩は、これまで何人も見抜いてブロック、追放している。

が、病気であることは専門医でないと分からない。そんなことがあってから「やる気がある」「好意的だ」というだけで信頼してはいけないと思うようになった。悲しい話だ。また、最初は好意的で応援してくれても、映画の世界は一般的の人に難しいところがある。が、知らない人には、当たり前のことでも「それは許せない!」と思うこともある。価値観や方法論が違う。

「ボランティアで手伝ったのにギャラがなかった」

と文句を言う人もいる。(ボランティアは無償行為)「だったら、お金でなく記念品をくれればいいのに」と言う。それが出せるくらいならボランティを受け入れたりはしない。悪意はなくても、筋違いの不満を持ち、腹いせのために

「利用された〜酷い〜」

と言い触れ回る人も時にはいる。そしてデマや嘘を信じて、一緒になって批判を始める人もいる。そのために他のボランティアの皆さんが巻き込まれたり、迷惑をかけたりもする。それ以来、対策を講じている。応援してくれる人を疑わなければならないのは悲しいことだが、そんなことも考えていかねばならない。


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