「朝日のあたる家」とは、どんな映画なのか? [2014]
何度も書いたことだが、
「美味しんぼー福島の真実」が話題になり、
検索をして、このページに来る方も多いので、改めて書いてみる。
「朝日のあたる家」は昨年、2−3月に静岡県の湖西市でロケされた映画。
原発事故の悲劇に巻き込まれる家族を描いた劇映画。
ドキュメンタリーではない。
「ストロベリーフィールズ」「青い青い空」と青春映画ばかり撮って来た、私、太田隆文が
シナリオを書き、監督した。
原発を題材とした映画は初めて、社会派映画も作っていない。まして活動家ではない。
涙と感動の青春映画を得意とする映画監督だ。
マスコミからは「反原発がテーマですね?」とよく訊かれたが、それは違う。
「原発事故」が「題材」の映画であり、「家族の幸せとは何か?」が「テーマ」だ。
ただ、もうひとつテーマがある。「みんなで福島のことを考える」というもの。
原発賛成か反対か?ではなく、福島で何が起こったか?
人々はどんな思いでいたか?を考えるきっかけにしてほしかった。
だから、映画で描かれるエピソードは全て本当に起こったことをベースにしてある。
福島のいろんな方から聞いた話。実際にあった事実を取材。
それを1つの家族にまとめて描いている。
ただ、舞台は福島ではない。なぜか?
もし映画の舞台を福島にしたら、「わーー福島。大変だったんだなあ〜!」
と人ごとで終わってしまう。同情の涙にしかならない。
そこで、あえて舞台を静岡県に移し、どこにでもある美しい田舎町で
撮影した。それによって、あたかも自分の故郷で原発事故が起こったかのように
観客に感じてもらおうと考えたのだ。
福島の問題ではなく、自分自身の問題として捉えてもらいたいと思った。
それによって、福島のことだけではなく。忘れがちな小さな幸せ。
家族の幸せとは何か? 親が今、すべきことは何なのか?を伝える作品を
作ることができると考えたのだ。
ところが、原発事故を描いていることで、大手映画館チェーンから上映拒否。
ミニシアターや単館系で、原発ドキュメンタリーを上映している映画館からさえも
拒否が相次ぎ。上映不可能の事態に陥った。
それを知った新聞、雑誌が記事にしてくれたこと
ネット上で、多くの方が怒りを訴え、応援してくれたことで
(逆炎上とでもいうべき、すごい事態になった。何時間も間。「朝日」のツイートが
止まらなかったのだ)
その反響があり、日本各地の映画館から「だったらうちで上映しましょう!」との
声が上がり。全国27カ所という映画館で公開された。
多くの劇場でヒット。東京では4ヶ月のロングランとなった。
映画館上映は今も続いており、近日、仙台の映画館でも公開される。
出演していた山本太郎さんが、公開直前に衆議院に当選したのも話題となり
多くの著名人。加藤登紀子さん。田中康夫さん。岩井俊二さん。岩上安身さんらも
応援してくれた。
海外でも上映。
ロサンゼルス、シンガポール、ドイツでは既に上映。大好評。
さらに、ロンドン、ニューヨーク、アリゾナ、オーストラリアからも上映依頼が来ている。
いよいよ、自主上映が解禁
団体やサークル等での上映が可能となる。
1人でも多くの方に観て頂き、福島のこと。家族のこと。子供たちのことを考える
機会にして頂きたい。
2014-08-19 08:02
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