宣伝しているつもりで邪魔をする人? [大阪公開]
いよいよ、明日9月21日(土)より「朝日のあたる家」が
大阪十三と愛知県半田市で公開される。
先週は愛知県豊川市公開で宣伝活動をさせてもらったので
今週は大阪。
本当に体がふたつ欲しいほど。
公開ギリギリまで宣伝だ。
思い出すことがある。後輩監督。映画を監督した。
いよいよ、公開が迫り。最後の宣伝活動をしていた。
地元で熱烈応援してくれた人に、こう言われたという。
「監督。いい加減にしろよ。やることはやった。
ジタバタせずに、あとは男らしく結果を待て!」
はあ〜?
後輩は呆れ顔。「やることはやった?」って、何をやったの?
その映画は予算がなかったのでテレビ、新聞、雑誌での宣伝はなし。
映画公開は多くの人に告知せねば、わざわざ映画館までお客は来てくれない。
だから、メディアを通じての宣伝が大事なのに、それができていない。
イベントによって、映画をアピールすることもしていない。
というより、全て宣伝費がいること。低予算映画はそれができない。
つまり、何もしていないに等しい。
なのに、その人は「やることはやった」という。
聞くと彼がやったのは、前売り券を売っただけ。
もちろん、それだって大変なことなのだが、
それだけで「やることはやった」というのは間違い。
さらに「男らしく結果を待て」という言葉。大きな勘違いしている。
受験をしたあと。結果発表を待つのとは違う。
宣伝は選挙と同じ。最後の最後まで、アピールすることが大事なのだ。
残念ながら、その人は宣伝というものを理解していなかったのだ。
後輩は知り合いを訪ね、「*日から公開です」と挨拶してまわると
その人は「余計なことするな。恥ずかしい!」と怒り出した。
そして、あちこちにこんな連絡をした。
「監督は越権行為をしている。応援した我々に後ろ足で、砂をかけるのと同じだ」
後輩監督は宣伝を止めざるを得なくなった。
後輩の映画、公開初日。映画館はガラガラだった。
その人は首を傾げた「何で、客が来ないんだ。1000枚以上チケットを売ったのに」
理由が明白だ。
その人がチケットを売ったのは半年以上前。
チケットには「*月*日公開」とは書かれていない。
買った人は、その日から上映されていることを知らないのだ。
だからこそ、後輩は公開日を知らせてまわったのである。
結果、その人は後輩を応援しているつもりで、邪魔をしたのと同じ。
しかし、その人だけを責めるのも酷。
映画や広告の世界で生きる人ではない。
「宣伝」とはどんなものか?全く知らない。
古い価値観に捕われて、男が最後の最後まであたふたするのは見苦しいと感じた
でも、宣伝というのは最後の最後までやらねばならない。
宣伝においては間違った価値観を振り回してしまったのだ。
その人は極端かもしれないが、よくあるパターンである。
特に地方では頻繁に起こる。
多くの人が観たい映画が上映されているのに、ほとんどの人が知らない。
関係者は上映されていることを知っている。
だから、みんなも知っていると思い込んでしまい、
伝えなければならないことに気づかない。
そして「なぜ、客が来ないのかな〜?」と首を捻る。
特に映画の宣伝はむずかしい。
公開前。公開直前。公開中と3回に分けて力を入れる必要がある。
「いいよ公開」「絶賛上映中」「いよいよ*日まで」
そんなテレビスポットや新聞広告を見たことがあるはず。
それらが上映情報を伝える重要な役割を果たす。
だが、低予算映画は高額な費用を支払わねばならないメディアを使えない。
代わりの何かをせねばならないのに「予算ないからな」と何もしない。
あるいは関係者は上映を知っているのに、多くの人が知らないまま終わる。
だから、本日も宣伝する。
今はネットがある。ツイッターを発信するだけでも宣伝だ。
できる限りのことをせねば。
2013-09-21 06:29
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