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映画「Fukushima 50 」で描かれてない事実(下)土手を削って低い位置に原発を建設。津波が来たら自然災害? [Fukushima50を検証]

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映画「Fukushima 50 」で描かれてない事実(下)

想定外の高さの津波というより、土手を削って低い位置に原発を建設。津波が来たら自然災害と被害者ぶった東電。当時、総理だった菅直人がドイツのテレビ取材で答えたもの。


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映画「Fukushima 50 」で描かれてない事実(中)総理が現場を訪れた理由。 [Fukushima50を検証]

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映画「Fukushima 50 」で描かれてない事実(中)

菅直人がドイツのテレビ取材で答えたもの。現場を訪れた理由。その背景を映画では説明せず、総理のせいでベントが遅れたという事実でないことを描いている



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映画「Fukushima 50 」で描かれてない事実(上)映画で総理が苛立っている背景が説明されていない [Fukushima50を検証]

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映画「Fukushima 50 」で描かれてない事実(上)

菅直人がドイツのテレビ取材で答えたもの。が、東電が情報を上げず、秘密主義であったことが理由。映画では総理が苛立つ場面のみを描いている。

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韓国映画「パンドラ」=「Fukushima50」より日本人はこちらを観るべきだ [Fukushima50を検証]

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韓国映画「パンドラ」=「Fukushima50」より日本人はこちらを観るべきだ

3・11なので原発事故の映画を見ようと、Netflixで韓国映画「パンドラ」を見ている。日本では公開されていないいわくつきの作品。福島第一原発の事故をモデルに、もっと酷い状況になればどうなっていたか?という想定で作られた映画。

韓国も原発大国。僕が「朝日のあたる家」を作った時に、韓国のネットでも紹介記事が出た。その韓国での原発映画は非常によく出てきていて、金もかかっている。強い想いも感じる。あまりに辛い内容なので途中で休憩してし、この記事を書いている。

「朝日」を作る時、企業はどこも出資してくれなかった。市民の寄付だけで作った。なのに韓国では億単位の製作をかけて原発映画を作っている。かなり踏み込んだ描写がある。そのリアルな映像に圧倒される。物語も日本の原発事故を踏襲。電力会社は政府も隠蔽に走り、事実を伝えない。そのことで多くの被害を出す。

一方、日本。現在公開中の「Fukushima50」は深刻な被害は描かず、「悪いのは菅直人だ。悪夢の民主党時代の出来事。東電も被害者だ。現場は命がけで頑張った。日本を救った!」と嘘を交え、すり替えた物語を作り、それを多くの観客が感動。有名なコピーライターは「2時間泣きっ放し」とツイートする。この違いは一体何のか? 事故が起きたのは日本だ。なのに隠蔽ばかり。

まさにコロナウイルスと同じ。1日に1万人の検査をする韓国。日本はあーだこーだと理由をつけて、検査せず、今になり、ようやく、検査数が増えだした。その間にも何人もの患者が死に、死んでから認定する。原発映画と同じ。この日本という国はどうなっているんだ?映画もコロナ対応も韓国の方が数段進んでいる。なぜ、日本はこうなのか?悔しい。ほんに悔しい。

「パンドラ」を見ながら、福島もこうなったかもしれないと感じる。F50の活躍で大惨事を止めた訳ではない。彼らは爆発も止められず、様々な奇跡が大惨事を止めただけなのだ。それを描かず.....。英雄扱い。本当に情けない。韓国でこんな映画が作れるのに、日本は.....ぜひ、韓国映画の「パンドラ」観て欲しい。奇跡が起きなければ福島もこうなっていた。それが描かれている。被害があの程度で済んだのは決してF50のお陰ではない。



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「Fukushima50」に強い関心を持った理由=戦争を肯定させるプロパガンダと同じ技? [Fukushima50を検証]

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「Fukushima50」に強い関心を持った理由=戦争を肯定させるプロパガンダと同じ技?

何度もフェイクさを記事で指摘したには訳がある。一つは同じ原発事故を題材とした映画「朝日のあたる家」を作ったので当時の経緯に詳しい。僕は映画内のフェイクもすぐに分かるが、その巧妙さに、知らない人、当時の報道しか知らない人はコロッと騙されると思えたからだ。

鋭い人は「何かおかしい。引っかかる。けど、よく分からない?」と思うはず。そこで具体的に何が嘘かを指摘した。その手法がプロパガンダの典型であり、安倍政権を擁護しフェクニュースを流す大本営NHKとも同じ手法なので、その辺も指摘したかった。

そして先に挙げたフェイクニュース手法。プロパガンダの典型。これらは戦前、戦中に日本が軍国主義を進めるため、国民を洗脳し、戦地に送るために使った方法論とも同じ。日本史の授業では「1941年12月8日。日本軍は真珠湾を奇襲。太平洋戦争が勃発した」と教わるが、その日突然に戦争が始まるわけではない。そこまで政府は国民を誘導、思想操作して「米英鬼畜」と教え込んで来たのだ。

どのようにして「戦争」という大量殺戮を正当化し、国民に平気で命を捨てさせるか? それを描いた戦争映画は少ない(ほとんどない?その洗脳を解く映画が「ジョジョ・ラビット」)。オウム事件では「あんな団体に入る奴の気持ちが分からない!」と言う人が多かったが、一昔前に日本人は中国人、アメリカ人を殺すために戦ったのだ。オウム信者を批判できない。

チャールズマンソンの言葉を真に受けて、妊娠していたハリウッド女優シャロンテートを殺害した若者たち。ホロコーストで大量のユダヤ人を殺したナチスドイツ。広島、長崎で一般市民を大量に殺害した原爆を作ったアメリカ人。そして同じ日本人である沖縄の住民を盾にして戦わせ、犠牲を強いた上に、自決まで求めた日本軍。これらは皆、上からの指示で恨んでもいない人を死に追いやっている。

でも、ある種のテクニックで人はそれを平気でするようになる。その手法を使ったのが「fukushima50」だ。いろんな方向から研究、分析してしまった。結果、NHKやプロパガンダ映画と同じと分かる。ただ、そんな手口を描いた戦争映画がない。戦争の悲惨さだけでなく、そこに斬り込むことも大事と思えて来る。

俳優について=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-09

製作面について記事=https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

要は東電賞賛映画?=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-08


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批判の多い映画「Fukushima50」でも、NHKニュースも同じ方法論?!=フェイクで国民を誘導する? [Fukushima50を検証]

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批判の多い映画「Fukushima50」でも、NHKニュースも同じ方法論?!=フェイクで国民を誘導する?

映画「Fukushima50」は戦前、戦中に日本政府が行った戦意高揚キャンペーンと同じ方法論で作られていること。すでに記事にした。もう一つ言えば、今、現在、NHKが放送しているニュース番組も同じ手法だ。国会中継と午後7時のニュースを見比べればそれがよく分かる。

中継で総理はしどろもどろ。見ていると心配になる。「この人分かってないなあ」という感じ。しっかり話すのは原稿を読むときだけ。自分の言葉で話すときは、もう支離滅裂。あるいは意味不明。野党の質問にもまともに答えられず、同じ答えを繰り返したり。おまけに野党議員発言中にヤジまで飛ばす。「この人が本当に総理? 早く辞めた方がいいのに〜」という印象を持つ。

それがNHkのニュースでは自信に溢れて話し、野党の質問にも即座に答えて、頼り甲斐のある総理に見えてしまう。これは編集によるもの。しどろもどろはカット。張り切って話すところの映像だけを採用。野党に突っ込まれたシーンもカット。総理がヤジを飛ばしたところもカット。(街頭演説のときは「安倍やめろ」コールを整音。コールを消して放送した)つまり、編集によって、意味や印象がかなり変わる。英雄を悪役に、悪役を英雄にすることも可能なのだ。

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それを映画でやったのが「Fukushima50」ー菅直人総理の怒っている場面ばかり描き、なぜ、そこに至ったかの背景を描かない。だから、ヒステリックに見え、作業を邪魔した張本人と印象付ける。福1がある地域は、そもそも小高い丘だった。それを削って低くしたところに建設。そのことで津波を受けた。が、その経緯は描かず、仕方のない自然災害の津波が原因と印象つける。

第一次安倍内閣の時に総理自身が「全電源喪失はあり得ない」と宣言。事故対策をせずにいたことも描かれない。それによって「予期せぬ災害」という印象を持たせる。さらに菅総理のせいでベントが遅れたと描いているが、あれは嘘。報道番組ならフェクニュースだ。なのに「真実の物語」とテロップまで出していた。

まさにNHKニュース。都合の悪いものを伝えず、頑張っているところだけを描く。そのことで印象を操作。頼りない総理をやり手に見せるように、事故の責任者である東電を、事故から日本を守った人たちに仕立てあげたのである。NHKの功績でダメ総理の支持率は下がらない。映画の公開で多くが「東電はよくやった。あれは仕方のない災害だった」と思う。さらに「あの50人のような社員がいるなら、もう原発事故は起こさないだろう」と楽観的になる人も多いはずだ。

映像は人の思考を誘導する。嘘を真実にすることができる。「気をつけろNHKとプロパガンダ映画」字余り。

俳優について=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-09

製作面について記事=https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

要は東電賞賛映画?=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-08


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映画「Fukushima 50」事実でないことを事実として描く=生前に吉田所長自身が否定したことまで!? [Fukushima50を検証]

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映画「Fukushima 50」事実でないことを事実として描く。=生前に吉田所長自身が否定したことまで!?

劇中で「総理の視察のせいで、ベントが遅れた」という描き方をしている。が、それは事実ではないこと。吉田所長自身が生前に否定。説明している。

(2014年9月17日 東京新聞記事より、福1吉田所長のインタビュー)

<官邸には現場の苦闘が伝わらず、十二日朝、菅直人首相がヘリコプターで福島第一に乗り込んだ>
 -首相は何を話したか。

 「かなり厳しい口調で、『どういう状況になっているんだ』と聞かれたので、『要するに電源がほとんど死んでいます。制御が効かない状態です』と。『何でそうなったんだ』ということで、『はっきり津波の高さも分かりません。津波で電源が全部水没して効かないです』という話をしたら、『何でそんなことで原子炉がこんなことになるんだ』と原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長に質問していました。『ベントどうなった』というから、『われわれは一生懸命やっていますけれども、現場は大変です』という話はしました。記憶はそれくらいしかない。時間はそんなに長くなかったと思います」

 -いかに現場が厳しい状況になっているかは説明したか。

 「なかなかその雰囲気からしゃべれる状況ではなくて、現場は大変ですよということは言いましたが、何で大変か十分説明できたとは思っていません」

 -首相が来たことで、ベントが遅れたか。

 「全くないです。早くできるものは(首相のヘリに汚染蒸気を)かけてしまったっていいじゃないかぐらいですから。私だって、格納容器の圧力を下げたくてしようがないわけですよ。総理が飛んでいようが、炉の安全を考えれば、早くしたいというのが、現場としてはそうです」

元記事=>https://genpatsu.tokyo-np.co.jp/page/detail/12

***********************

つまり、吉田所長が否定していることを、映画では「事実」として描いている。「総理のためにベントが遅れた」=>「事故対応の邪魔をした存在」ドラマでいう「悪役」。そのことで、職員50人は「それに耐えて頑張った英雄」という存在にできる。劇映画の手法だ。

ただ、それをこの映画でしていいのか? 映画冒頭に「真実の物語」とテロップを出し、エンディングに「この映画はフィクションであり、登場する人物は架空のものです」とは出さない。吉田所長も、東電も実名。つまり、全て真実ーノンフィクションということだよね?そんな作品で事実でないこと。嘘を描く?

さらに佐野史郎演じる「総理」は菅直人という名前では一度も呼ばれない。一方、吉田所長は「吉田所長」であり実名。ここから分かること。先の「総理がベントを遅らせた」という事実でないエピソードを描いたのは「勘違い」や「知らなかった」という理由ではないという事だ。事実ではないことを知りながら挿入したエピソードだと言える。

なぜなら「事実ではない!」と告訴された時に「あれは菅総理ではない。総理という名の架空の人物だ」と弁明するために「菅直人」という名前を使わず「総理」にしてあるのだろう。そこからもこの映画は意図的に嘘を交えて「悪いのは天災と官邸。東電は頑張った。日本を救った」という解釈を広めたいという事か? 似たことをした国がある。汚染水が溢れているのに総理が「アンダーコントロール」と嘘を言い、オリンピックを誘致。同じ手法なのだ。

俳優について=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-09

製作面について記事=https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-07

要は東電賞賛映画?=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-08


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映画「Fukushima50」と「戦争を美化する人たち」=国民を誘導する手法が同じ? [Fukushima50を検証]

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映画「Fukushima50」と「戦争を美化する人たち」=国民を誘導する手法が同じ?

「2度と戦争をしてはいけない」

 僕が子供の頃、大人たちは繰り返し言っていた。それがいつしか日本はまた「戦争ができる国」になっている。なぜか? それは戦争したい人たち。戦争で儲かる人たちの世論誘導があったからだ。同じ手口で作られた映画が「Fukushima50」。

戦争は悲惨なもの。多くの犠牲者が出る。国民が苦しむ。被害が出る。だから「戦争はしてはいけない」ということになる。それは原発事故も同じ。犠牲者が出る。被害が出る。国民が苦しむ。だから「原発はいけない」となる。だが、どちらも国策。権力と金にものを言わせて国民を誘導する。

「Fukushima50」も誘導があった。「原発事故は悲惨だ。でも、50人の職員が決死の覚悟で対応。日本は守られた!」という事実ではない作品になっている。住民の被害は描かない。避難するだけ。未だに家に帰れない人がいることにも触れない。また、50人が必死で対応したのは事実だが、彼らは爆発を止められなかった。そのために放射能は飛び散り、日本中に降り注いだ。多くが被曝。故郷を追われる。自殺した者もいる。が、その辺も描かない。

勇敢な職員の活躍だけを描き。それを「日本を守った」という結論に無理やり結びつける。そして官邸を悪者にし、事故は天災が原因にして、東電も被害者という構図を作った。当時は事故を起こした責任者=悪役であった東電の人たちを日本を救った英雄にすり替える。つまり、事実を捻じ曲げて解釈を変えて、別の美しい物語を創り上げたのだ。

戦争をしたい人たちも同じように「太平洋戦争」の解釈を変える。「特攻隊は若くして命を散らした。それは日本を守るため。彼らによって日本は守られた。今、日本があるのは彼らのお陰である」という物語を吹聴する。だが、特攻という非人道的な攻撃法。それは指摘しない。悲劇を強調。

隊員たちは被害者。それを英雄に仕立てる。特攻はほとんど効果がなく、無駄死にと言われる。それを日本を守ったと解釈をする。「多くの兵士が犠牲になったが、お陰で日本は守られた」という事実とは違う結論を導き出す。原発事故と同じ方法論で、全く別の結論に誘導している。比較しよう。

●東電の職員、命がけで対応した=特攻隊。命を捨てて戦った。

(どちらも、そもそもを忘れている。事故が起こるような原発の問題。命を捨てさせる非人道的な攻撃法。それを指摘しない)

●職員50人が日本を救った=特攻隊は日本を守った=どちらも英雄だ!

(50人は奮闘したが日本を救っていない。爆発が止まったのは偶然=特攻はほとんど意味なく、日本は敗北。占領された。守れていない)

こうして都合の悪いことは全て伏せて、そもそもの目的や原因に触れず、命がけで戦った人たちを美化し、日本を守ったということにしてしまう。そして原発を推進。もう一度、戦争をやろうということ。しかし、原発も戦争も金持ちたちが金儲けをするためのツール。美しい言葉で国民を誘導して、犠牲を強いるだけ。そしてさらなる金儲けを続ける。美しい話に騙されてはいけない。






俳優について=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-09
製作面について記事=https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-07
要は東電賞賛映画?=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-08

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映画「Fukushima50」=結局「東電は日本を救った英雄」と言う映画なの? [Fukushima50を検証]

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「Fukushima50」=結局「東電は日本を救った英雄」と言う映画なの?

内容面と製作面から2つの記事を書いたが、著名な方々がTwitterで紹介してくれたので、2万件を超えるアクセス。凄い事になっている。原発問題に関心がある人がまだまだ多いということ。これは嬉しい。事故から9年。多くの人はもう過去のことと思っているが、現在進行形の事故であること。忘れていない人たちも多いということだ。

あの映画。一言でいうと「東電の職員さん。ありがとう。お陰で日本は救われました! あなた方は英雄です!」という作品。事故を起こした責任者として、批判を浴び続けた悪役であるはずの東電が、一転。正義のヒーローになってしまう物語。そして「菅直人総理と民主党政権こそが事故を混乱させ、終息を遅らせた張本人!」つまり、悪役として描かれている。普通に映画を見ていると、そう思えてくるプロパガンダ作品なだ。

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そのテクニックを一部紹介する。嘘をつくとき100%の嘘では騙せない。90%の事実と10%の嘘を混ぜてこそ、人はそれを信じる。この映画でも実に細かく事実をあげて事故を描いている。東電、吉田所長は、実名で登場する。誰がどう見てもノンフィクション。。日時、時間も正確だ。が、ベントが遅れる原因を「総理が福1を訪れたから」と描いている。が、これは当時流されたデマであり、事実ではない。のちの裁判でも確認されている。なのに、そのデマを否定せず事実のように描いている。

さらに炉心を冷やすために海水を使うのを止めようとしたのは「官邸の指示」と映画では描いているが、実際は「東電本社の指示」。塩水を入れると2度と使えなくなるからという理由。「官邸の指示」も当時流れたデマ。これも事実として描く。両方に共通するのは「民主党政権の失態」が強調できる。混乱の責任は官邸だと印象づけることができる。そうやって観客を誘導。東電をヒーローに、民主党を悪役に仕立て行く。そんな作品を多くの観客に見せて喜ぶのは誰か?

おまけに俳優たちの熱演。感動的な場面もある。見ていると「東電は頑張ったんだなあ〜。命がけで日本を守ったんだ! 彼らがいればもう原発は事故らないだろう。もう大丈夫だ!」とさえ思えて来る。だが、映画は事故の深刻な被害。その後の住民の苦悩。自殺者まで出したことは全く描かれない。ベントや爆発で拡散した放射能はどうしたか?も説明しない。まるで事故は収束したかのような桜満開のエンディング。情報を制限、操作して見る者の意識をコントロールする作品。

同じパターンの映画がある。特攻隊もの。命を捨てて敵に体当たりするという人道的に問題ある戦法であるのに、それを批判せず、死んで行った隊員たちを賛美。「彼らが日本を守った!」と描く。若い隊員たちを死に追いやった軍部の責任は追及しない。その特攻隊役が吉田所長と50人の職員。軍部が東電。同じパターンなのだ。それがこの映画の特徴。ご覧になる方は注意して見てほしい。

内容面=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

製作面=https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-07


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映画「Fukushima50」なぜ、原発映画なのに多額の製作費が集まり、豪華キャストを実現できたのか?=東電を賞賛する作品だから! [Fukushima50を検証]

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映画「Fukushima50」なぜ、原発映画なのに多額の製作費が集まり、豪華キャストを実現できたのか?=東電を賞賛する作品だから!

前回は内容面の解説をしたので、今回は別の角度から見つめたい。7年前、僕はまさにこの映画と同じ、原発事故題材の映画を作った。が、映画、ビデオ、テレビを始めとする企業からは出資を受けることが出来なかった。皆、原子力ムラを恐れていた。

原発は国策。戦争と同じ。同時に多くの大企業が大儲けできるツールである。事故を描く映画なんてとんでもないのだ。昔から「原発映画を作った監督は2度と商業映画を撮れない」と言われていたほど。企業で制作費を出す社は皆無だった。

が、僕は監督人生を賭けて「朝日のあたる家」製作を決意。市民からの寄付で映画を作ることにした。それでも寄付は個人からのみ。中小の会社でさえ支援なし。そして俳優。名のある俳優はことごとく出演拒否。事務所からも「原発映画だけはダメですよ。無理無理!」と言われた。原発反対を公言する俳優でさえ出てくれない。そんな中で山本太郎さんを始め、心ある人たちが超低価格のギャラで出演してくれた。

さらに完成した映画を大手シネコンチェーンが上映拒否しただけでなく、インディペンデントの映画館でさえ上映をしてくれない事態。それが新聞で報道され、記事を見た全国の思いある映画館主が手を挙げてくれて、ようやく公開。多くの人がチケットを売り、宣伝をしてくれたが、テレビでは一切、紹介をしてくれなかった。結果、映画は大ヒットしたが、原発を扱った映画がこれほどまでに押さえつけられるものだと知った。

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それから7年。今、原発事故を扱った大作映画が公開中。製作費は少なくても3〜4億円。キャストも豪華だ。CGを駆使した津波シーンは迫力満点。テレビでも宣伝スポットが流れている。7年前とは大きな違い。時代が変わり、原発事故の危険性を忘れないでおこう!という思いに賛同する大企業が出てきたのだろう...。と思えたが、映画を見ると、そうではないことが分かった。

この映画。一言でいうと「福1の職員たちの奮闘で日本は救われた」というもの。もう少しいうと「あれは天災。あの大地震と津波。事故は仕方ない」「混乱を招いたのは当時の総理。あの言動や行動が事故対応を邪魔した」「東電の上層部も官邸に振り回され大変だった」「でも、現場の50人は最後まで諦めずに戦った」「彼らのような素晴らしい社員がいる東電は2度と、同じ事故は起こさないだろう」「事故も終息したし、もう安心だ」という印象が残る映画なのだ。

つまり、あの事故は自然災害と、悪夢のような民主党政権が起こしたもの。東電は何も悪くない。いや、とても頑張った。日本を救った。ということを伝える物語なのだ。でも、事故はまだ続いている。被害も増えている。終息まであと何万年かかるのか? 今も故郷に帰れない人が数多くいる。自殺した人もいる。それどころかまだ線量の高い地区に帰れと言われる人たちもいる。数多くの悲劇が続いているのに、それらは描かれていない。

この映画のテーマは「東電の皆さん。日本を救ってくれて感謝。これからも頑張ってくださいね。原発はもう安心ですよね」ということを伝えたいのではないか?と思えるほど。だから、原子力ムラも、原発推進の現政権も、圧力をかけない。むしろ応援してくれる。企業も安心して出資できる。

多額の制作費が集まる。豪華キャストを起用。CGもふんだんに使おう。宣伝費も十分にある。ということになったのだろう。それが「Fukushima50」という映画の背景だと感じる。時代は7年前と変わっていない。大企業も政府も原発推進を今も続けている。その象徴がこの映画なのだろう。

(内容についての疑問はこちらで)=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-06

 分かりやすく書きました=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-08

 吉田所長が否定したデマも描く?=>https://cinemacinema.blog.ss-blog.jp/2020-03-09-2

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