原発事故で「死の町」になった場所(上) [「朝日」DVD発売ー再掲載]
写真上は、
ウクライナにある町プリピャチ。
建物はアパートやショッピングセンター。
チェルノブイリ原発から30キロにあるので
住人が全員避難。今も帰還できずにいて、
誰も住むことの出来ない
「死の町」となっている。
正月の東京の町を見て、
昨年取材したこのプリピャチを思い出した。
建物の中はこんなふう。
25年の歳月で荒れ果てて廃墟となっている。
(つづく)
「朝日のあたる家」公式HP=> http://www.asahinoataruie.jp/
「朝日のあたる家」ー放射線量の高い地区で1人彷徨っていた中学生の舞 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
原発事故の悲劇を描いた映画「朝日のあたる家」
放射線量の高い地区で1人彷徨っていた中学生の舞(橋本わかな)。
発見されたのは真夜中を過ぎた頃・・。
LAでも大好評。
「朝日のあたる家」公式HP=> http://www.asahinoataruie.jp
映画評論家 永田よしのりさんの感想(1)悲しみの放列の中で [「朝日」DVD発売ー再掲載]
BY 永田よりのり
5月12日
ロサンゼルスのジャパン・フィルム・フェスティバル2013映画祭で上映された、
原発災害によって故郷を破壊され、
それまでの平穏な生活を失いながらも
家族としての絆を再確認していく平田家四人を中心とした物語。
原発事故を題材にした映画、と聞くと、
短絡的に〃反原発映画〃として取り上げられてしまう側面もあるかもしれない。
しかし、本作に描かれていくのはあくまで〃人〃の姿。
もちろん、僕らは2年前の3月11日に起きた東日本大震災と、
その後の福島原発事故のことを忘れてはいない。
あの時の地震と津波だけの被害だったら、
現在の復興はもっと早く進んでいたに違いない。
そういう意味では福島原発事故は人災と言ってもいいかもしれないのだ。
映画では太田監督がチェルノブイリや、各原発問題、被災者たちの現状など、
綿密な取材によって構築された、原発事故の実情も描かれていく。
そして、その原発事故によって壊されていく、
被害を受けた場所に住んでいた人々の生活や心情の変化、
実害などがクロース・アップされる。
その描き方は、ある種冷徹でもある。
冷徹に描かなければならない理由。
そして、冷徹に描くことでしか立ち上がってこない本当の恐ろしさ。
目に見えない放射線という対処しようのない怪物。
そこに立ち向かうには、ただ自分の心でしかない現実。
映画は、いくつも露になってくる悲しみの放列の中で
「幸福とは何だったのか」
を鮮烈に問うてくる。
(つづく)
「朝日のあたる家」シナリオを読んだ女子高生の感想=身体を脅かす物(放射能)を使ってまで作り出した電気 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
2012年の記事より
一般オーディションに来てくれた中学生。
「青い青い空」にも出演してくれたトラちゃんの感想
はっきりいって感動した。
ご紹介する。
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私は、台本を読み終わった時、
もし浜岡の原発が爆発して、映画と同じような悲劇が現実のものになってしまったら・・・。
と考えて、背筋に寒気が走りました。
自分の友達が、家族が、舞やあかね達と同じ状態になってしまったとしたら・・・。
何故あんなに危険な物が、
今だに日本中に残っているのでしょうか?
私はこの映画は、今まで私たちが目を背けてきた、
苦しく辛い、
しかし、受け入れていかなければならない現実を
見せてくれると思います。
自分たちの身体に危険を脅かす物を使ってまで作り出した電気を、
本当に使う必要があるのでしょうか?
この映画に関われる事を、私は誇りに思います。
今私たちが知らなければいけない事実、それを知った上で、
伝える立場に立つ事が出来る。
これ以上の幸せは、私にはありません。
「朝日のあたる家」シナリオの感想=若手俳優の声「どんな役でもやらして欲しい!」 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
2012年秋の記事より
「この映画に出たいです!」
と前々からいってくれていた若い役者さんがいる。
で、シナリオを読んでもらったら、感想文をくれた。
なかなか、思いが籠っているので紹介する。
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「朝日のあたる家」脚本読ませて頂きました。
力強くて、監督の覚悟を感じました。
政府やマスコミの報道では伝わらない真実を伝えようとされてると。
読みながら、ドキュメンタリーを映像で観ているような感覚にもなりました。
ここには家族の物語があるけれど、これは作り物ではない。
それと同時に、ドキュメンタリーではなくて
映画で伝えることの力をすごく感じます。
脚本に真実があって、それを我々俳優が生きることで伝えられるもの。
どんな映画にもあるものだと思いますが、
この映画はそれがものすごく強いものになると感じました。
平田家の葛藤、出した答え。
岡本のおばちゃん。
光太郎の思い。父、俊夫の思い。
今も実際に避難生活を余儀なくされている人たち。
新しい土地に移って生活をされている人たち。
それぞれに出した答えや選んだ道があって正解はないのかも知れません。
唯一つの正解があるとすれば、
それは家族の命や生活、人生が原発や、
何か大きな別のものに奪われてはいけないということ。
そう感じました。
平田家が最後に街を去っていく。***は30歳までは生きられない。
結末が原発のリアルを訴えていてたまりませんでした。
会館での政府役人と主婦たちのやりとりのシーン、
女性の強さを感じました。
本当に強いのは、男ではなく女性だと。母だと。
男は戦争を始めるけど女性は子供を守る。
避難所で舞と子供たちが外で遊んでしまうシーンが、
いたたまれなくてつらくて・・・・
このシーンを映画館で観たとしたら、つらくて席でもだえてしまうと思います。
でも、これも真実なのだなと。
正しい情報が伝えられなかったために
被爆しなくてすんだはずの人たちが、子供たちが被爆した。
どんな役でもやらして欲しいと、監督に手紙で伝えました。
今でもその気持ちは変わりません。
この映画に関われるのなら、どんな役でも精一杯やらせて頂きます。
ただもう一方で本を読んで素直に、強烈に僕の中に浮かんだのは、
光太郎役をやりたいという気持ちでした。
役者としての自分のエゴかも知れませんが、
このストレートな脚本を読んだ時、
自分の素直な思いを監督に包み隠さずぶつけようと思いました。
長々とまとまりのない文章をすいません。
かっこつけずに正直にと思った結果
このような稚拙なものになりました。お許し下さい。
「朝日のあたる家」シナリオ感想=何も予備知識無しで見たらホント、衝撃を受ける描写 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
2012年秋の記事より
次回作のシナリオ
原発事故を題材にした家族の物語。
読んでくれた友人から感想が届いた。
ご紹介。
40代。男性。会社員。映画ファン
ネタバレは伏せ字にさせてもらった。
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シナリオ読み終わりまして。
強烈なボディブローをくらったような、重さを感じているところです。
昔見たオリバー・ストーンの「サルバドル」の後のような感じです。
作者のやるせなと「怒り」を感じる重さとでもいいましょうか。
そういう感じを受けました。
それゆえに、凄まじくパワフルでありました。
初めのあかねのモノローグで「ストロベリーフィールズ」の冒頭を連想しましたが、
これが太田映画らしさでしょうか。
フツーの日常から、地震、避難、そして**と、
時系列に進む構成はスタンダードであり、
ゆえに分かりやすい形だと思います。
お父さんが全く行動を起こそうとしないのが「いい味」を出しています。
マスコミの描写がえらくリアルですわ。
あかねが****するシーンは、ショックでした。
何も予備知識無しで見たらホント、衝撃を受ける描写です。
上手い…(ゆえに辛い)。
光太郎が舞の将来を語るシーン、
お好み焼きの回想シーン、最後の「*****」。
映像で見たら、この箇所は泣くでしょうね。
役者に関しては。
「青い青い空」の印象がどうしても重なってしまいました。
お父さんが塩見三省でお母さんが鈴木砂羽、
のイメージで読んでしまいました。
光太郎が関西弁ということで、波岡氏が出てきちゃいました。(イメージしてしまいました)
あかねはAKBの秋元才加か梅田彩佳か。(合うんじゃないですか)
舞はNMB48の山田奈々でしょうか。
この間深夜にテレビをつけたらNMBの番組やっていて、
元気よかったのに引き付けられて、しばらく見ていて印象に残ってるので。
毎度のことながら、とりとめなくてすいません。
映画化されるのが楽しみです。
(つづく)
「朝日のあたる家」シナリオを読んだ方の感想=考えさせられる悲しくつらい物語 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
2012年秋の記事より
奈良県。主婦の方にシナリオを読んでもらった
その感想。
以下で紹介
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シナリオ、夢中で読みました。
登場人物や、場面を想像しながら。
読んでるうちに、私なりの映像が浮かんできました。
読み終えて、重いテーマで考えさせられる悲しくつらい物語でした。
それにとてもリアルで、驚きました。
私、もうちょっとベールにかかった物語と思ってたので。
でもこれが現実なんだよね。
今までの映画やドラマによくある不治の病に侵される、
涙の物語と違い、原因が原発というところは広島原爆を題材とした
「黒い雨」を思い出しました。
シナリオを読んで、政府や電力会社、それを伝えるマスコミ。
何を信じたらいいのか。
怒りとやるせない気持ちになりました。
本当に原発の事よく勉強しなきゃ書けない物語。
日本の国に原発なんて、必要ないことみんな感じるよね。
主人公である平田家の家族はどこにでもいる、ごく普通の四人家族。
私の中でお父さんは、俳優N。
お母さんはY、あかねはSをイメージして読みました。
一家のアイドル、元気で明るい女の子。
その元気で無邪気な舞ゆえに、******いく難しい役。
誰がいいか思いうかばなかった。
光太郎伯父さんが病院で、寝たきりになった舞に言う台詞、
泣けました・・。
犬のブルースの登場も、福島で問題になったペットの事あるから、
効果的。重要な存在。
(うちにもわんこいるので、動物には弱いです)
ラスト、一家四人が故郷で、車の中から見てまわるシーン、
イメージ浮かんできて、凄く良かった。
涙が溢れました。
見終わった人は今の日本の原発の怖さ、
命の大切さ、
家族や故郷の存在、
改めて見直す映画になると思います。
いつもながら感想になってないなぁ。
一般人の思ったこと。
でした。
本当にこのシナリオが映像になることは楽しみです。
「朝日のあたる家」=情景が心を揺さぶり涙がこぼれるシナリオ。 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
多くの人が原発反対を口にしない理由 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
2013年の記事より
「最近、**テレビも原発報道減ったね?」
と友人に話すと
「ああ、圧力がかかったんだよ!」
と言われた。
では、誰が圧力をかけたというのか?
政府? 電力会社?
311前ならそれもあっただろうが、今そんなことをすれば特ダネだ。
正面切ってマスコミに圧力をかける組織はない。
報道が減ったのは、視聴率が取れなくなったから。
原発に関心がない視聴者が増えた。だから局は報道を減らしたのだ。
そして多くの会社が原発問題に触れたがらないのも、
奇異な理由がある。
圧力がかかったから沈黙するのではなく、ほとんどが自粛。
その会社の関連企業が原発で儲けている所なら原発反対を支持しない。
これは分かるが、原発に関係ない会社でも
「誰に何を言われるんじゃないのか?」
と考えて自粛するところが多い。
社長自身は反原発でも
「反対を主張することで顧客に推進派がいたら揉めるかも?」
と考えて原発問題には触れない。それどころか、
「どこかの誰かに批判されるかもしれない。だから黙る」
という人も多い。
つまり見えない影に怯えて自粛しているだけ。
圧力ではなく、疑心暗鬼が原発に反対な人たちをも沈黙させている。
推進派はその間に、再稼働を着々と進めているのである。
沈黙は「原発支持」と同じなのだ。
原発事故の悲劇を描いた映画「朝日のあたる家」=避難所のシーン。 [「朝日」DVD発売ー再掲載]
映画「朝日のあたる家」
主人公の平田家家族、避難所のシーン。
テレビで見ていた福島の様子。
まさか自分たちが同じ状況に置かれることになるとは、考えもしなかった。
体育館での生活は何ヶ月も続き、
放射線量の高い自宅に帰ることはできなかった.....