女子高生コンクリート詰め殺人事件”と次回作(5) [脚本]
これまでに集めた情報を元に、時間経過の表を作り、
少女を拉致した地点。
連れ回したコース。監禁の家。そして被害者の家
(住所が公開されていないものがほとんど)
それらの場所を実際に探すことにした。
記事を読んでいただけでは分からないことが
現地に行けば分かるはずだ。
それは本当に悲しい現実なのだけど
想像や推測で、安易に物語を作ってはいけない。
まず、真実を見つめることからスタートするべきなのだ。
・・・・と、まだまだ、取材は続くのだが、
そんなふうに、実際の事件を描くには、シナリオを書く以前に
膨大な取材が必要なのである。
その結果、どのメディアも報道していない真実も見えて来て
様々な側面が分かって来たのだ。
現在、執筆中の”原発事故”を題材とした次回作も同じであること
このところ痛感している。
(つづく)
女子高生コンクリート詰め殺人事件”と次回作(4) [脚本]
が、手がかり
その手の雑誌を保存している私立図書館があるとのこと!
何日も通い。事件に関係する記事を全てコピーした。
(下写真。当時の記事を収拾したファイル。スゴイ分量になった!)
あと、テレビのワイドショーはどうか?
事件当時。僕は留学中でその報道を全く見ていない。
ワイドショーも、週刊誌と同じで、
根も葉もない噂から、新聞では報道できない事実まで
いろんなことを放送する。
大手新聞が報道する表面的なことだけではなく、いろんな側面から把握したかった。
だが、テレビ局の協力は得られず、
外部の人間にビデオライブラリーを見せてはくれない。
幸い、1局だけ。見せてもらうことができたが
ワイドショー番組がない局なので、大手新聞的な情報しか得られなかった。
そこで目を付けたが、裁判記録。
これこそ、行われた犯罪を事細かに書かれている。
それによって、少年たちの残虐な犯行が見えて来た。
週刊誌にはかなり酷い手口が紹介されていたが、それ以上のものが存在した。
そうやって、事件の情報がかなり集まった。
が、それでシナリオが書けるというものではない。
週刊誌の記事は感情的に犯人を批判するものが多く
裁判記録は感情を排して、事件をタンタンと綴る。
両極端であり、そこから犯人たちの心情が見えて来ない。
週刊誌の記事だと、悪魔が少年たちに取り憑いたかのようで
なぜ、彼等がそんな残虐行為を行ったか?が見えて来ない。
心の底が見えて来ないのだ・・。
また、犯人たちが言う”とんぼのビデオ”・・、
何を意味するのか?分からなかった・・。
(つづく)
女子高生コンクリート詰め殺人事件”と次回作(3) [脚本]
”女子高生コンクリート詰め殺人事件”
そのシナリオを書いたときも、アホな関係者がいて
”取材をしなくてもいいから、書いて下さい!”
と言っていた。が、そんなバカなことはできない。
”犯人の少年たちの名前を全部実名で描く”
というコンセプトの作品。
調べずに想像で書けば、やってもいないことを、やったと描く物語になってしまう。
それは人権侵害。いくら残虐なことをした犯人といっても
許されない。犯人に対してなら何をしてもいいいう発想であるなら
描く側も加害者である。
大切なのは、真実を追求すること。
状況を理解できない関係者の指示を無視して、
事件を徹底して取材。シナリオを書こうと考えた。
しかし、事件は7年以上前のこと。取材は困難だった。
まず、定番として、事件について書かれた書籍を読む。
事件当時に調べたライターや記者の手記だ。
次に、新聞記事を調べる。
が、新聞は際どい記事は載せない。客観的な、いかにも良識ある記事というものになる。
それでは少年たちがどれほど残虐な行為をしたかが分からない。
そこで、下世話なネタを扱う週刊誌を調べようと考えた。
しかし、図書館は新聞は保存しているが、週刊誌はある期間を過ぎると処分
7年も前のものは置いていない。
どうすればいいのか?
(つづく)
2012-09-08 04:00
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女子高生コンクリート詰め殺人事件”と次回作(2) [脚本]
友人の指摘は続く。
”なので、太田監督が
”教育映画”と呼ばれるのを嫌うのは、良く分かる。
教育映画というと・・
見る前から見る気をなくす、説教臭い退屈なものをイメージするからだ。
それに対して、太田映画は青春映画の形を持ちながら
社会の問題に斬り込む社会派ドラマ。
教育映画とは明らかに別ものである。
そして、スタイルは違うが、
アラン・パーカーやオリバーストーンに通じるものがある。
”女子高生コンクリート詰め殺人事件”
あれも、衝撃的な題材だが、事実を徹底して調べて書いた社会派ドラマ。
少年たちがなぜ、犯罪に手を染めたか?という事件見つめる作品。
それに対して、次回作も原発事故という事件を見つめる映画。
その意味では同じ構図だ。
こうして、見ていくと太田映画は感動と涙で綴る社会派ドラマという
独特の世界観があることがよく分かる”
てなことを、言ってくれる友人もいる。
その指摘通り。次回作を考えていると、17年前に書いたシナリオ
”女子高生コンクリート詰め殺人事件”
の想い出。次回作にもダブって来る。
というのも・・。
(つづく)
女子高生コンクリート詰め殺人事件”と次回作(1) [脚本]
2012年 6月
今から17年ほど前、
”女子高生コンクリート詰め殺人事件”
というVシネマの脚本を書いた。
僕の監督作”ストロベリーフィールズ””青い青い空”からすると
違和感があるかもしれないが、次回作の題材が原発事故の悲劇!
と聞くと繋がるものがあるかもしれない。
僕の作品を昔から見てくれている友人は、こういう、
”太田の作品は、若い女の子が出演しているので、一見、爽やかな青春映画!
に見えてしまうが、実は社会派の物語。
ストロベリーではイジメ、親子の断絶、教師と生徒の壁、という教育問題を
青い青い空では、さらに進んで教育とは何か?
という社会問題にまで斬り込んでいる。
しかし、その手のテーマにありがたちな陰気臭さがなく
青春映画として描いていること。
ハリウッド映画的なエンタテイメント手法なので、
その重いテーマに気づかずに見てしまい、共感。感動してしまう。
これをいかにも教育映画という形で、描かないところが上手い!"
なるほどなーーと思いつつ、友人の指摘は続く!
(つづく)
福島第一原発事故/テレビ報道を検証 (初日、2日目) [脚本]
先に紹介した福島原発事故、報道の流れ
さまざまな資料を読みあさって
追加、詳しく書き込みも入れた。
とりあえず、3月11日と、3月12日分
そのあとも、かなり出来ているが、それはまた後日。
ここまでを見ただけでも、かなり強く感じるものがあるだろう。
あの日。あなたはどこで、何をしていたか?
そして、これら報道をどこまで受け取ったか?
さらに、その報道とは裏腹に一触即発の現実が猛スピードで展開していたこと
再確認すると、鳥肌が立つ。
この表を把握した上で、次回作のシナリオ執筆を続ける。
福島原発事故ー報道の流れ
3月11日 (金)</ins>
14:46 NHK地震速報
14:49 フジテレビ番組中断、スタジオから報道
14:50 TBS 金八先生中断、スタジオから報道
15:24 TBS「福島原発が 自動停止」
15:50 NHKヘリから空撮。仙台の津波
16:45 東電、15条通報を出す
16:47 NHK「原発で停電。非常用発電機が使えず」
17:02 枝野官房長官会見
「原発に被害はない。放射能漏れは起きていない」
17:40 NHK「原子炉冷却機能が停止」
18:30 (東電側は炉心損傷を推定していた)
18:42 TBS「原発で何らかの被害が出ている可能性があり」
19:07 フジテレビ「冷却装置が作動していない可能性あったものの
機能機能していることが確認出来た」
19:41 日本テレビ「原発自動停止。非常用冷却装置を使って
温度と水位を保っているとのこと」
19:56 テレビ朝日「官邸からの情報、緊急事態通報を出した。
放射能漏れはない」
19:40 枝野官房長官会見「万一のために原子力緊急事態宣言。
放射能が漏れている状態ではない」
19:45 フジテレビ他、会見を中継
20:07 フジテレビ、電話取材で大学教授が「メルトダウンが
始まりつつあるのでは」とコメント。
20:56 TBS「冷却機能が作動していないこと。伝える」
21:10 フジテレビ「福島県によると水位が下がり、
燃料棒が露出して、放射能が漏れる可能性」
21:50 枝野官房長官会見。住民避難の指示。
3キロ圏内は避難。3-10キロは屋内退避。ー放射能は現在、
炉の外には漏れていません」
(夜の段階ー冷却水は蒸発して、水素が発生。炉心溶融は始まっていた)
3月12日(土)
(03:00 枝野官房長官会見、「内部の空気を放出する措置を講ずる
必要がある。放射性物質が大気に放出される可能性は
ありますが、微量であり安全は十分に確保されており」)
03:10 TBS「 圧力が基準の二倍になった時点でベントする予定」
(早朝 文科省、東電、福島県は放射線の測量を行っていた。
浪江町・酒井地区ー15μSv、高瀬地区ー14μSv)
05:44 総理、10キロ圏内避難指示
(30キロの津島地区住人。安全だと信じていた・・)
06:10 総理の会見。ヘリで福島原発へ「中央制御室で通常の千倍。
原発正門で通常の八倍。避難区域を10キロ圏内に拡大。
06:37 TBS「敷地内で通常の八倍以上の放射線量が測定」
07:17 TBS「格納容器の一部が破損の可能性。通常の千倍の
放射能が測定」
07:30 NHK「一号機、二号機、四号機の原子炉も冷却不能」
09:55 TBS 澤田教授が登場”ベントーそんなに心配する必要はない”
10:17 ベント開始
12:15 NHK”保安院によると、ただちに燃料棒が壊れることはない”
13:15 NHK”燃料棒は壊れていない。無用に外には出ないように
放射能が外に出ることもありえる”
13:50 テレビ朝日”50センチの燃料棒が露出。正門付近で八倍の
放射能”
14:17 テレビ朝日”170センチの燃料棒が露出、溶融すれば大変な事態になる。
15:13 テレビ朝日 ”大熊町4000人の内、3500人が避難・・・”
15:25 NHK”ベント成功。圧力が下がり、格納容器が壊れることはない”
15:36 一号機水素爆発!
15:39 TBS、一号機爆発を報道
日本テレビ”3時半頃、水蒸気と思われる白い煙。原因不明”
16:27 各局「敷地内で1時間あたり、1015マイクロシーベルト測定」報道
16:50 日テレ系、一号機の爆発映像を公開(1時間14分が経過)
”爆破弁による意図的な放出”と伝える。
18:25 総理、20キロ圏内退避指示
(夜、10キロ圏内の海沿い地域から1万人が津島地区ー30キロ地点ーに逃れて来た)
19:04 消防車から海水注入
(夜、防護服の男。頼む逃げてくれ!ープロメテウスの罠)
19:55 管首相、海江田に海水注入を指示
20:41 官房長官”一号機格納容器に破損はない”
21:45 TBS「双葉町病院90人の内、被曝検査を受けた3名の除染が必要」
次回作のシナリオ/進展を報告ーアランパーカーか? [脚本]
2012年6月
このところ体調が悪く
外出しても、どこかで横になりたくなるほど・・
何が原因か? と調べて分かったのだけど
今回はその後の話。
次回作にすべく執筆中のシナリオの進展を報告。
内容は原発事故に巻き込まれる家族の物語だ。
体調がよくなって来て、本屋で見つけた一冊の本。
それがビンゴーだった!
求めていた情報がギッシリ。
一晩で読んでしまう。それにより、これまで収拾した膨大な情報を整理できた。
この2週間ほどモヤモヤしていた問題を解決。
シナリオ再開!
すると、当初、僕が考えていた物語が成長?
違う形に展開している。が、物語は生き物。
作家が思う方に無理に戻すと、駄目になるのだ。
そのルール通り。物語は俄然、リアリティを持ち
サスペンスさえ生まれて来た!
そして、このままドラマが進めば、また涙、涙の展開となる・・。
うーーーん・・
当初は原発事故に遭遇した家族を、
ホームドラマ風(?)にまとめるつもりだったが
3分の1を超えたあたりから、変化が始まった。
何だろう? あえて言えば ”JFK” か?
と言っても、狙撃犯を推理する裁判劇でもない。
もともと、僕はオリバーストーンやアランパーカーのような社会派監督が好きだった
が、青春ものを撮り続ける僕とは、別世界の人たち
なのに、今回は青春もので、家族ものなのに
それら作家の世界に近づいている。
これまでの太田映画の骨子を引き継ぎながら、今までにはない展開になりそうだ。
こんなふうに自分で書いているのに、どうなるの?
と思えるときは、良い物語になる。
このまま、体調を維持して、シナリオ執筆を続ける。
現在、30p。
3分の1の地点だ。
(つづく)
原発事故。発生から時間ごとに表にした!(下) [脚本]
2012年6月
先に紹介した本から、
地震直後からの原発事故のテレビ報道
時間の経過と共に紹介する。
3月11日 (金)
14:46 NHK地震速報
14:49 フジテレビ番組中断、スタジオから報道
14:50 TBS 金八先生中断、スタジオから報道
15:24 TBS「福島原発が 自動停止」
15:50 NHKヘリから空撮。仙台の津波を映し出す
(16:45 東電、15条通報を出す)
16:47 NHK「原発で停電。非常用発電機が使えず」
(17:02 枝野官房長官会見
「原発に被害はない。放射能漏れは起きていない」)
17:40 NHK「原子炉冷却機能が停止」
18:42 TBS「原発で何らかの被害が出ている可能性があり」
19:07 フジテレビ「冷却装置が作動していない可能性あったものの
機能機能していることが確認出来た」
19:41 日本テレビ「原発自動停止。非常用冷却装置を使って
温度と水位を保っているとのこと」
19:56 テレビ朝日「官邸からの情報、緊急事態通報を出した。
放射能漏れはない」
(19:40 枝野官房長官会見「万一のために原子力緊急事態宣言。
放射能が漏れている状態ではない」)
19:45 フジテレビ他、官房長官会見を中継
20:07 フジテレビ、電話取材で大学教授が「メルトダウンが
始まりつつあるのでは?」とコメント。
20:56 TBS「冷却機能が作動していないこと。伝える」
21:10 フジテレビ「福島県によると水位が下がり、
燃料棒が露出して、放射能が漏れる可能性」
(21:50 枝野官房長官会見「住民避難の指示を出した。
3キロ圏内は避難。3-10キロは屋内退避。放射能は現在、
炉の外には漏れていません」)
NHKが地震の速報を出してから、
わずか7時間後に退避指示が出ているのだ。
当時、僕は過労で自宅入院状態。
地震の直後からテレビをずっと見ていた。
明け方まで見ていたのに、
表にあるような重要な報道があった記憶が残っていない。
たぶん、原発事故のリアリティがなく、それよりも何度も映し出される
津波による被害の印象が強かったかもしれない。
屋内退避の指示があったことは覚えている
避難指示も覚えている。
しかし、それらの避難光景をテレビで見た記憶がない
見ていれば”怪獣映画でよく見るシーンだなあ”と不謹慎なことを考えたはず。
でも、記憶がないのは、それら光景は報道されていないのではないか?
そして、それらがとんでもない事件の始まりだったと気づくのは
数ヶ月も先のことだった・・。
(つづく)
原発事故。発生から時間ごとに表にした!(上) [脚本]
2012年 6月
このところ、体調が悪いこと
いろんな頼まれごともされていることで時間を取られ
シナリオが書けずにいた・・。
が、何か、それ以外にもモヤモヤとしたもがあり
執筆が止まっていた。
シナリオは物語を作るだけでなく、どの段階で誰が出て来るか?
その展開はどの場所で行うか?
ということも考えねばならない。
そして、その場所には登場人物の誰と誰がいるべきか?
だとしたら、その人物はいかなる理由で、その場所にいるのか?
その辺まで考えねばならない。
そこに無理矢理感があると、あれ?と思えて、物語に乗れなくなる。
でも、ドラマというのは、その辺を偶然という技を使い、
主人公と相手役を出会わせたりする。
映画なので、映像に見せやすいように
事故の展開を自由に設定することもできる。
なので、書き進めることはできるはずなのに、
なぜか?地震発生のシーンで止まっていた。
ペンが進まない(パソコンだけど)というときは、どこかに問題があるのだ。
”どうしたいか? ”
ではなく、”どうするべきか?”に答えがあるのだろう。
つまり、”誰をどこで登場させるか?” ”どう展開させるか?”
を考えて物語を作るのではなく
実際の事故と同じに、事件が展開すべきではないか?
福島第一原発のあとに起きた事故という設定だが
それを想像で作り出すのではなく
”あの事故を再現すること”に意味があるように思える。
だと、すると、もう1度。原発事故を勉強し直しだ。
すでに昨年秋から、新聞、雑誌、書籍で事故を徹底して調べている。
テレビ、ラジオでの報道もチェック。
事故だけでなく、内部被曝、チェルノブイリ、記者クラブ問題、原発ムラも勉強。
原発事故当日からの報道は複数の新聞で確認、数ヶ月先までチェックした。
が、3.11の地震が起こったときから、時間刻みでの確認が出来ていない。
午後2時以降のマスコミの報道。
そして、国民の対応が時間刻み、分刻みで把握することが必要だと思えた。
どうすれば、それを確認できるか?
そんなとき、ピッタリの本を見つける。
テレビ報道を震災直後から確認。それを検証する内容。
早々に読みながら、抜き書き!
3月11日午後2時以降の出来事。報道を綴った表を作って行く。
その表を見て驚く。
把握していたと思えた、地震直後の出来事
こんな短時間で進んでいたということ・・。
今、書いている物語がさらなる変化。成長をしそうなこと感じる。
(つづく)