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「人はなぜ、他人を許せないのか?」中野信子著=読み終えた。「正義中毒」自戒せねばならない [2020]

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読み終えた。「正義中毒」自戒せねばならない状態。

全く関係のない他人を叩くことで、日頃の不満を晴らそうとする。少し前のナイナイ岡村の「オールナイトニッポン」での発言。それを聞いていないものまで「許せない!」とバッシングした騒動があった。ターゲットは芸能人であることが多い。「不倫」「ドラッグ」等が理由となる。自分が迷惑した訳でもないのに憤慨。怒りをぶつける。それが「正義中毒」だ。

同じことが政治家や特定個人にも行われる。社会ルールを破った。自分の価値観と違う。言ってることが前と違う。そんなことで「許せない!」「裏切られた!」「もう応援しない!」と激昂。自分に「正義」を感じているだけに始末が悪い。「俺は正しい」「あいつは間違っている」「指摘せねばならない」「批判されて当然だ」とネットで批判。というより悪口を言って回る。

ネット発信は街中でメガホンを使い、多くの人に批判を伝えるのと同じ。街宣車でスピーチする右翼と変わらない。正義を感じて「***は許せない!」「謝罪会見しろ!」「辞任しろ!」「責任を取れ!」とか拡散してしまう。直接、本人を批判すると言えば済む事を、関係のない多くの人に批判を伝えて回る。賛同者を集めているのと同じ。すると「それは酷い!」「許せねえよ!」と被害に遭ってない人まで憤り、一緒になって批判。多人数で攻撃してしまう。

この本は、そんな人たちの心理、背景、理由を分析、解説している。人間の脳は誰でも「正義中毒」に陥る可能性はあるという。興味ある人は読んでほしい。


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「人はなぜ、他人を許せないのか?」中野信子著=特に興味深いのは「正義中毒」の話。あなたは大丈夫? [2020]

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「人はなぜ、他人を許せないのか?」中野信子著(アスコム)=特に興味深いのは「正義中毒」の話だ。あなたは大丈夫?

著者の指摘を紹介する。「人の脳は、裏切り者や、社会のルールから外れた人といった、分かりやすい攻撃対象を見つけ、罰することに快感を覚えるようにできています。

他人に『正義の制裁』を加えると、脳の快楽中枢が刺激され、快楽物質であるドーパミンが放出されます。この快楽にはまってしまうと簡単には抜け出せなくなってしまい、罰する対象を常に探し求め、決して人を許せなくなってしまうのです」

なるほどね〜。ここ最近、この手の人がめっちゃ多いよね?



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「人はなぜ、他人を許せないのか?」中野信子著(アスコム)は今、知りたいことが書かれている!=なぜ、日本人は議論できず人格攻撃を始めるのか? [2020]

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「人はなぜ、他人を許せないのか?」中野信子著(アスコム)は今、知りたいことが書かれている!

かなり面白い。まさに今の時期に読むべき本。いくつか中身を紹介する。「議論ができない日本人」ーフランス語では「議論する」の目的語は相手であるけど「論破する」の目的語は人間にはならない。論破するのは相手ではなく、相手の主張であり論旨、内容なのだ。が、日本では主張や内容と人格が分離されず、容易に人格攻撃へと繋がる。

この話。僕が以前に書いた「日本の教育」問題と同じ。アメリカは子供の頃から「ディベート」(討論)を学ぶ授業がある。が、日本ではない。そもそも討論とは何かが分からないので、相手の主張ではなく、相手の人格を攻撃。喧嘩になってしまう。それをフランスの例を挙げて紹介している。

ニューヨーク大学の教授による分類。「リベラル」はリスクを冒してでも新しいことに挑戦する性質が高く、善悪や倫理観に親和性が高い判断をする集団。「保守」は新奇探索性は低く、自分が慣れしたしいんだものと違うものや違う判断を好まず、善悪や倫理観より慣れ親しんだことを選択しやすい集団。

なるほど、分かりやすい。とすると、先の都知事選で「リベラル」だと思っていた人たちも、その一部は「保守」だったと思える。だから、新しい試しみに反対した。でも、本人たちは「リベラル」だと思っているから、あれこれややこしいことになったのだろう。

「長い時間をかけて徐々に人が許せなく事例もある」その典型は結婚。愛し合って結婚したはずの夫婦が性格の不一致を理由に離婚する。恋人だった頃より互いの距離感が近くなることが大きな理由。本来、恋愛期間中は互いの違いに惹かれ合うのに、近づくと「自分と違う」不一致感が強くなり粗として感じられる。遠く離れていると憧れを抱いたまま、友好関係で居られるが、近づくと人はそうなりがちという話も面白い。

あと、「正義中毒」の話が特に面白い。また感想を書く。



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