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日本映画界はなぜ、ダメになったのか? 最盛期から衰退を検証した。 [映画業界物語]

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日本映画界はなぜ、ダメになったのか? 最盛期から衰退を検証した。

先日、園子温監督が日本映画の低予算化を憂う記事を読んだ。本当にその通りで、現場は酷い状況。スタッフは低賃金。なのに情熱でいい作品を作ろうと頑張っている。それに支えられているのが現在の日本映画だ。そんな記事のコメントがついた。「なぜ、日本映画界はそんな風になってしまったんだろう?」確かに。僕らはその世界の中にいて、日々、現実と戦っているので余裕がなく、俯瞰して、長い時間軸で見つめることがなかったが、その通りだろう。なぜ?

もともと映画界は花形企業。1950〜60年代莫大な収益を上げていた。テレビが登場する前の時代だ。今でもそうだが、大きな企業のステイタスは野球チームを持つこと。当時の映画会社は2つ。球団を持っていた。東映と松竹。そこからも隆盛を極めていたこと分かる。テレビ時代に入っても、まだまだ映画は頑張っていて、大スターになれば大金持ちとなる。三船敏郎、勝新太郎、石原裕次郎、と、皆、自分の会社も設立した。国民的な人気者である。

映画監督は当時、映画会社の社員。だが、かなりな高給をもらっていた。ある巨匠に聞いたら、月給が今の値段にして200万円。映画を撮るたびに別に200万もらったと言う。木下恵介監督は映画が終わると、助監督にスーツやゴルフセットをプレゼントしたと言う。現在の監督のほとんどが監督業だけで食えないのと比べると凄いこと。でも、そのくらい映画産業は儲かっていた。

だが、テレビが普及し、映画館に行かなくてもドラマが観れるようになり、映画人口はどんどん下がって行った。映画会社は俳優や監督を独立させて、人件費を削り、テレビの下受けも引き受ける。現在でもテレビ朝日のドラマの多くは東映が制作している。大映が倒産。日活も一時潰れた。東宝は自社製作をほとんど無くし映画館チェーンとなる。この側面だけ見るとテレビの台頭が原因だと思える。

これをテレビの報道番組で特集すれば「なるほどねー」と思い多くが納得するだろう。でも、真実を無抜く方法「その1」を実践しよう。「比較」だ。ハリウッドもテレビの台頭で衰退したが、その後、復活。今でも大ヒット映画を量産している。俳優も監督も億万長者。「ワンダーウーマン」のヒットで監督は「2」で2億円のギャラをもらうそうだ。となると、テレビが理由だけでなく、日本固有のダメになった理由があると思える。次回はそれを考えてみよう。



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