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すぐに辞めてしまう若手助監督=撮影現場ではどんな仕事をするのか? [映画業界物語]


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すぐに辞めてしまう若手助監督=撮影現場ではどんな仕事をするのか?

最近、撮影現場でよく聞く話。「できる助監督がいない!」「叱るとすぐに辞めてしまう」映画の世界だけでなく、会社でもそんな話は聞かれるだろう。「最近の若い奴はダメだ」という一言で結論つける人が多いが、ではなぜ、最近の奴はダメなのか?理由は何のか?考えてみた。

撮影現場の場合。スタッフ。特に助監督は物凄い量の情報把握と情報処理を求められる。まず、シナリオを理解、把握する。俳優の名前と役を覚える。衣裳(誰が何をどのシーンで着るか?)小道具(誰がどのシーンで何を持つか?)さらに監督の性格や気性を把握して、監督がやりやすいように務める。ロケ先場所の把握。地元でお世話になる人たちと交流する。土地土地によって風習や考え方も違う。東京的な対応では嫌われることもある。

さらに、お天気。俳優の体調。チーム内のトラブル。監督が粘るとスケジュールが遅れる。そんな様々な問題が溢れる中、どう対応し、処理し、進めて行くか?を予想し、把握し、考えねばならない。頭のいいやつでないと演出部は務まらない。そんな現場でなぜ「最近の若い奴」はダメなのか? 

管理教育が完成、ほとんどの子供達がそれを受け入れ、はみ出さず「与えられたことを確実する」労働者として育ってしまうからだ。それは優秀な会社員タイプ。だが、撮影現場では与えられたことだけやっていてはいけない。予期せぬトラブルが勃発。わがままな女優さんもいる。身勝手な監督もいる。雨で撮影中止になる。台風が来る。与えられたこと以外にも、自分で考えて対応せねばならない。

それが若い子たちはできない。バイトでもマニュアルがあるのは事細かく伝えないとできないから。助監督マニュアルなんてない。これが絶対に正しいなんてこともない。自分で判断し行動せねばならない。若い子たちが一番苦手なこと。そんな現実と直面する。叱られる。「俺にはムリ!」と思え諦め、逃げ出してしまう。

撮影現場には今でも武闘派の先輩たちがいる。少し前までは後輩を殴るベテランがたくさんいた。管理教育で育ち、趣味で映画を見て、スピルバーグやキャメロンに憧れていた若い子たちには、厳しすぎる世界なのだろう。今は映画の世界にそれが顕著だが、通常の企業だって、自分で考えて行動せねばならない状況に進みつつある。同様に管理教育を受けた若者では通用しなくなる。にも関わらず、ロボットのような会社員になるための学校に、今も親たちは子供を送り込んでいる。


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宣伝を理解しない日本人。宣伝に誘導されても、自身は宣伝ができない? [日本の教育]

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宣伝を理解しない日本人。宣伝に誘導されても、自身は宣伝ができない?

先日の件で改めて感じたこと。日本人は宣伝に取り囲まれて生きているのに、宣伝とは何か?を多くは把握していない。テレビCMで商品を売るためにタレントが笑顔でアピール。だが、そこに様々な「努力」と「戦略」があるのだが、多くの日本人は単なる「宣伝」と思い、それらに操られ、左右され、コントロールされても、どのような意図で、どんな方法論で作られているか?は考えない。

学校教育で「考える」という能力を育てないことが一番大きい。上から与えられたことを疑わずに受け入れ、指示通りに動く。そんな人間を育てるのが日本の教育。言われたことを疑ったり、斜めから見たり、真意は別にあるかも?なんて考えたりしない素直な労働者を育成するため。だから、上司や会社に言われたことには逆らわない大人に成長する。同時にテレビやマスコミ、国から言われたことも疑わず、素直に従う。

企業にとってとても都合がいい人材。CMで「おいしいよ」「安いよ」「流行だよ」と流せば、疑わずに素直に受け入れ買ってくれる。報道でも同じ。「NHKがいうなら正しい」「ニュース番組は嘘を流さない」と多くの日本人が思い込んでいるのも同じ構図だ。それゆえ、人々は「上から与えられたことを受け入れる」はできるが、伝える側に立つのは苦手。そんな教育や訓練を受けていないからだ。つまり、人に使われても、人を使うことができない。

「宣伝する」で大切なのは何か?それは状態を把握して、他との違いを見抜き、的確な言葉を選んで、提示すること。野菜ジュースの宣伝なら「野菜100%ですよ」というのではダメ。野菜ジュースのほとんどが100%。つまり、他の野菜ジュースとの違いを打ち出すこと。ただ、多くの野菜ジュースは似たようなもの。そこで考える。

「国産野菜100%」とか「出来たてトマトの一番搾り」とか、例えばそういう宣伝をすることで、他社との差別化ができる。新鮮なんだな。美味しそうだな。という印象を伝えることができる。「野菜で作ったジュースです」だと、当たり前のこと。だが、素人が宣伝するとそんなことをアピールしがち。製品の説明ではなく、宣伝をせねばならないことが分からない。宣伝とは伝えるだけではなく「差別化」も大事なポイント。

今まであまり意識しなかったが、その辺にも教育に毒された日本人問題がありそうな気がする。宣伝できることがいいというのではない。「考える」「選ぶ」「比較する」というのが宣伝の基本。宣伝=伝えるという行為。それができない人が多い。そこから斬りこめば、これからの課題が見えてくるはずだ。



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