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「僕ににもできた国会議員」山本太郎著。読み終わる。=中身濃いのにとても読み辛い構成が残念。 [れいわ新選組応援]

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「僕ににもできた国会議員」山本太郎著。読み終わる。=中身濃いのにとても読み辛い構成が残念。

とても残念な出来。中身は濃い。とても興味深い。なのに構成が変で、とても読みづらい。通常、インタビュアーは三人称で、黒子に徹して質問する。それが1人称で前面に登場。あれこれ自身のことまで語る。それに対応して太郎さんがまた1人称で語る。とても読みにくい。よく読むと2人の文字サイズを変えており、【 】の印で区別しているのだが、どこから太郎さんなのか分からず何度も戸惑った。

本来、インタビュアーはあれこれ意見を言わず、相手から言葉を引き出すために黒子に徹するのだが、「私もそこにいた」とか自身をアピール。感想や印象をバンバン綴る。なのに、そのライターが何者で、どんな人なのか?という説明がない。読者は「山本太郎の本だ」と思い読んでいるし、タイトルからすると太郎1人称で書かれていると考える。そこに説明なしに登場されても混乱するばかり。このインタビュアーは誰だ?

と最後にある紹介文を読むと、太郎さんが初めて立候補した頃から応援しているフリーライターだと分かる。名前も聞いた頃がある。が、表紙には「取材、構成」とあり、対談ではないし、彼女がメインの著書でもない。なのに、かなり前に出てあれこれ主張するので、読みづらい。そして多分、面と向かってのインタビューはしていない。多忙な太郎さんが時間のあるときに答えたものを文字起こしして、インタビュー風に仕上げたもの。なので、インタビュー独特の盛り上がりが感じられない。それぞれがコミュニケーションしていないのだ。

以前に黒澤明監督にロング・インタビューした本があった。表紙には「インタビュー ****」と中堅の監督の名前が表示されている。映画に詳しいプロの映画監督が質問することで、専門的な話を聞き出すのだと思えた。が、これも読みづらい本だった。その中堅監督はインタビューではなく、対談のつもりで話をする。バンバン意見を言うのだが「あなたの意見、聞きたいのではないんだけど?」という感じ。「黒澤さんの話を聞かせてよ」と読んでてイライラ。

ま、往々にして監督という人は僕を含めて思い上がったタイプが多いのだが、巨匠・黒澤にインタビュアーが「あの場面。僕ならこうしますよ」とか発言。「お前誰や?」という感じ。ただ、黒澤に「君は全然分かってないね!」と言われて黙り込んだり。本人的には巨匠にツッコミを入れて「どうだ。俺のアイディアは凄いだろう」と認めさせようとしたのだろう。だが、そんなことを読者は期待していない。少しでも黒澤の言葉や考えを聞きたいのだ。

それに近いものを今回の本からも感じた。また、太郎さんと親しくても、彼女が年下。それを文中では「太郎」と呼び捨て、1人称で書くのであれば、その呼称はおかしい。三人称のインタビュアーであれば許されるが、それなら自分の話や思いを延々と綴るべきではない。それがインタビューというもの。

後半。そのライターが登場せず。太郎さんと別の人との対談パートになると急激に読みやすくなる。太郎さんを熱く応援しようとするのは分かる。が、本人が前に出過ぎ。僕もインタビューの仕事をしていたし、最近はインタビューを受ける立場でもあるので、余計にそのことが気になるのかもしれないが、せっかく、濃い内容があるのに、とても読みづらかった。残念な印象。



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ドラマ「沈まぬ太陽」第6話7話見る。他人事でない怒りが沸き起こる [映画感想]

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ドラマ「沈まぬ太陽」第6話7話見る。他人事でない怒りが沸き起こる。

15年ほど前に原作を読もうと思ったのは、1本の映画製作が終わった頃だった。その本が「沈まぬ太陽」。ただ、今、読むべきではないと思えた。僕が終えたばかり映画製作体験と物語がダブりそうで、耐えられないかもしれない。と思えたのだ。

その映画を作った製作会社は作品に対する愛が一切なかった。経費を削減していかに自分たちの利益を出そうか?しか考えていない。僕が企画、製作費も集めた作品。それを会社側は誤魔化し、すり替え、脅し、威圧、嘘、ありとあらゆる手を使い、作品を曲げようとした。金を握り、権力を持つ会社側と戦うのは簡単ではない。卑劣なやり方の連続に何度も社長を殴り倒そうと思った。

しかし、そんなことをすれば法律を盾に取り、僕を外して社長たちが思う古臭い作品を変えてしまう。そんなことはさせられない。皮肉、中傷、人格否定。「才能ないな」「お前は映画監督じゃない、評論家だ」「こんな映画は誰も観ない」「全てが最低だ」毎日のように言われた。監督料も、脚本料もゼロにされた。さらに作品をねじ曲げようとする。ここで怒ってはいけない。

悔しくても手を出してはいけない。大事なのは観客が喜ぶ映画を作ること。感動し涙が溢れる作品もすること。会社の指示に従っていてはダメだ。妥協せず、納得できないことには反対。思いを曲げない。嫌がらせが加速した。が、8割以上を望む形で仕上げた。社長が吐き捨てるようにいった「途中で席を立ち全員が出て行く最低の作品だな」しかし、映画館では多くの観客が涙を流し、最後は拍手。初日は満員御礼。上映延長になった。その後は心ない会社を排除。観客が喜んでくれる作品を作れる環境を作った。

そんな経験があったので今、観ているドラマ「沈まぬ太陽」の主人公・恩地元(上川隆也)が人ごととは思えない。会社に従わないことで報復人事、僻地に飛ばされた。嫌がらせ、圧力、酷い仕打ちが続く。他人事とは思えない怒りが沸き起こる。舞台は航空会社。日航がモデルだ。安全性より利益優先。人命を預かる仕事なのに、社員に長時間労働と人員不足を押し付ける。労働組合を潰しにかかる。事故が起きれば責任回避と隠蔽。

しかし、どんな仕打ちを受けても屈しない恩地元。寝返る親友(渡部篤郎)そして妻からも「このままでは家庭が崩壊する」と詰め寄られる。自分の思いを通すことで家族が傷つき、仲間を追い込んで行く。人はどう生きればいいのか? 体制に降参し、うまく立ち回るべきなのか? あれこれ考えてしまう。山崎豊子の物語はいつも重い。(Netflixで配信中)


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