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ドラマ「沈まぬ太陽」第4話 現実の会社とダブる汚すぎる企業のやり方 [映画感想]

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ドラマ「沈まぬ太陽」第4話 現実の会社とダブる汚すぎる企業のやり方

今回も見ていて苦しくなる。

航空会社(日航がモデル)に働く主人公・恩地元(上川隆也)。社員3000人の待遇改善のため。航空会社として安全運航を守るために奮闘したにも関わらず、利益第一主義の上層部に睨まれて、パキスタン支店に飛ばされる。約束は2年間にも関わらず、さらにイラン支店への辞令。同期の親友(渡部篤郎)は共に労働組合で戦ったが、上層部に寝返ったことでLA支店に栄転。会社に責任のある事故の隠蔽を担当する。

僕が映画監督業を始めたばかりの頃

の記憶がダブる。市民の寄付で集めた思いのこもった製作費から必要以上の利益を抜く製作会社。さらにスタッフの人件費もケチる。監督料、脚本料は出ないといい出す。「監督は思いがあるから0円でも辞めないさ」と足元を見ているのだ。とにかく削減して安上がりの映画を作る。作品に愛はない。

中身に関しては古い価値観を押し付けて、シナリオ、編集を歪めようとする。「2時間ドラマのような編集をしろ」と時代錯誤な指示。そもそも、映画の企画をし、製作費のほとんどを集めたのは僕自身だ。その金を自社の金庫に入れてピンハネ。黙って従うことはできず対立した。すると嫌がらせが始まる。そして誤魔化し、隠蔽工作。

そんなハイエナのような会社

が映画界には数多くある。僕が出会ったのもその手の会社。いい映画を作ろうという思いはない。どれだけ製作費を抜いて儲けるか? 作品内容に口出し、時代遅れの感性を押し付けてくる。80年代以降の日本映画が本当に古臭く、見るに耐えないものが多かったのは、同じ背景だ。その中で戦い、自分の意見を通し、邪魔をさせないための戦い。良き作品を作る以前に、会社やPと戦わねばならなかった。「沈まぬ太陽」の主人公の思い。よく分かる。(Netflixで配信中)

会社は何のために存在するのか? 

利益を上げることは必要だ。が、映画会社がやっていることは、いい作品を作り、ヒットさせて、儲けるではなく。今、目の前にある集まったお金からいかに多くの額を抜き、自社の利益にするか?しか考えてない。映画に金を使わず、スタッフのギャラを値切り倒し、朝から晩まで働かせる。その方が安上がりだから。特に監督は自分の作品に愛があるので、どんな仕打ちをされても投げ出すことはない。

「沈まぬ太陽」に登場する航空会社

も同じだ。飛行機の安全より経費削減。事故が起これば隠蔽工作。上層部に逆らえば報復人事。社長に寝返れば栄転。絵に書いたような汚いやり方を続ける。ドラマに描かれた会社や僕が接した映画製作会社だけでなく、多くが似たようなことをしているのだろう。ブラック企業と呼ばれるところはまさにそれなのだ。いや、企業でなくても国自体がそれ。大企業の税金を安くして、その足りなくなった穴埋めを消費税アップで賄う。それが前回の8%。

来月から10%に上がる。

その額はサラリーマンが1ヶ月分の給料分に相当する。つまり、1ヶ月タダで働くことになる。なのに企業は内部留保。大儲けしているが、それは溜め込み給与には還元しない。そんな時代にどう生きるべきか? 

僕の場合はある時期からその手のハイエナ製作会社を排除し、全て自分で仕切りをするようにした。一番の問題は毎回プロデュサーだ。それは僕自身が担当。下にフリーのPを起用。使途不明金等が絶対に出ないようにする。利益が出なくても人件費を極端に削減しないというルールを作った。すると、逆に監督料が出るようになり、スタッフにもある程度の額を払えるようになった。作品レベルも上がった。今までの会社がいかに暴利を貪っていたか?が実証された。

しかし、大きな会社で働くサラリーマン

はそうは行かない。この狂った時代にどうすればいいのか? 方法は一つ。次の選挙であの党を落とすこと。政権を別の党に取らせることだ。そのためには絶望せず、怒ろう。怒鳴ろう。誘導されず、諸悪の根源は何であるか?確かめよう。「沈まぬ太陽」を見ながらそんなことを考える。


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