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「私は愚痴は言わない」と胸を張る人。それは「私は反省しない」と言うのと同じかも? =誘導される国民 [my opinion]

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ちょうど一世代上の先輩。新人の頃にとてもお世話になった。が、一つだけ困ったことが、僕のFacebook記事を読むとこんな小言を言ってくる。

 「愚痴を書いてはいけない!」


一見、先輩の言っていることは正しく思えるが、違う。「愚痴を書いていはいけない」と先輩は言うが、国語辞典で調べるとこうだ。

 「言っても仕方のないことをグダグダと言い続けること」

居酒屋で「あの部長、本当にうざいよな〜」と同僚と話す。部長の理不尽、無能ぶりを語る。それが愚痴だ。Facebookで書くなと先輩は言うが、僕が書いているのは経験した問題や事件。それがどんなものであり、どこに原因があったか? どんなマイナスがあったか?それらを総括。反省して、どのように対処すべきだったか? 何より原因は何であったか?を追求するために記事にしている。

愚痴ではない。総括であり、反省であり、分析。それらを読んでもらうことで、第三者には映画界とはどんなところか? どのような仕事をしているか? 背景にあるものを指摘し、今の日本の風潮や悪しき習慣を知ってもらう。そんな意図で書いている。

残念ながら先輩はそれを読みとってくれず、愚痴だ!」と判断したのだ。彼だけではない。以前は必ず相談していた実業家の方がいた。いつも見事なアドバイスをしてくれる。が、プロジェクトが終わり報告に行くと、最後まで聞こうとしない。「愚痴は聞きたくない」と言われた。

相談に乗ってもらった仕事がどのように展開し、どんなプラスとマイナスがあったか?それを踏まえて同じ失敗を繰り返さないための報告。それを「愚痴」と解釈され「前向きな話なら聞く」と言われた。

反省せずに、問題点を把握せずに、新しいことを始めてもうまくいかない。だが、その人も愚痴と解釈してしまう。実はそんな人は多い。日本人の多くは失敗すると口をつぐみ、誰にも言わず、無かったことにする。反省をせず「終わったことは忘れて、次に進もう!」と美しい言葉を掲げて、同じ失敗を繰り返す。でなければ本来の愚痴。言っても意味のないことをグダグダと言い続けている。それなら「上司に直接言えよ」と思うが、言おうとしない。

その種の人と同類に見られることがある。記事をしっかりと読んでもらうと分かるが、記事で批判、あるいは問題ある一般人の名前は上げていない。大事なのは書くことで僕自身が事態を把握、原因を究明、反省し、次の教訓にすること。そして先に書いたように読者の参考になる。面白がってもらう。それが目的だ。

それを「愚痴」と言うのは、彼らの問題というより、日本人の体質ではないか?「辛い話をする」「失敗を伝える」「批判する」「問題を追求する」「反省する」ということを避けて通りたい意識がある? 嫌なことは早く忘れたいというのが本音ではないか?

まさにザ・日本人。どれだけ政権が悪辣でも、それを批判せず、避けて通り、選挙にも行かない。不満も言わず、戦争ができる国になるのを受け入れ、真面目に税金を収める。自民を政権にしてしまった国民として、何が悪かったか?どうすべきだったか?反省しない。なぜなら、こう思っているのからだろう。

 「愚痴は言いたくない....」

それが多くの日本人の思いではないか? 愚痴と批判は違う。追求、把握、反省してこそ、前に進める。それができないのはなぜか? 日本人が昔から縛られる「村ルール」何度も記事にしたので覚えている方もいるだろう。「トラブルはなかったことにする」「知らない振りをする」「関わらないようにする」それらと同じ構図だ。「私は愚痴は言わない」と胸を張る人。それは「私は反省しない」と言うのと同じ。そして「批判」を「愚痴」にすり替える空気がある。目的は国民を黙らせること。

政府に対し、企業に対し、社会に対して何も言わせないこと。そうやって僕らはここまで追い詰められたのだ。今の日本人に必要なのは問題の追求、批判、把握、反省だ。それを「愚痴」と解釈して黙ってはいけない。それこそが彼らの思う壺なのだから。



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「24」シーズン4の中盤ー感想❹現実社会を反映した過酷過ぎる物語。=再見して気づいたこと? [DVD感想]

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「24」シーズン4終盤を見る。現実社会を反映した過酷過ぎる物語。=再見して気づいたこと?

シーズン1は「大統領候補暗殺」と「戦争回避」
シーズン2は「核爆弾」
シーズン3は「潜入捜査」と「生物兵器」

それが今回のシーズン4は事件が盛りだくさん。

「国防大臣誘拐」「原発破壊メルトダウン」
「大統領専用機撃墜=ステルス爆撃による」
「市街戦=ジャック&中東の青年たちVS傭兵部隊」
「核爆弾略奪」「核ミサイルで大都市攻撃」

といくつもの事件が盛り込まれている。視聴者を退屈させず、以前のシーズンを超えるための物凄い努力をしている。

さらに、シーズン4スタート時は過去のレギュラーメンバーはジャックとクロエのみで寂しい感じがしたが、順番に人気キャラクターが登場する。トニー、ミッシェル、元大統領のパーマーと、その度に盛り上がる。「おーー」とテレビの前で声を上げてしまう。さらに、今回は人間ドラマも濃厚。

まず、ジャックとオードリーの恋。そのオードリーと前の夫、トニーとミッシェルの復縁、ヒラー長官と息子。テロリストの母と息子。キーラ大統領と息子。エドガーと母、全て家族の絆を描いている。それゆえ、事件に巻き込まれ傷つき、命の危機にさらされる彼ら彼女らの運命から目を離せない。

そして、シーズン4以降を担う重要キャラクターも総登場。まず、キーラ政権の副大統領こそがのちのローガン大統領だ。彼こそが「24」最大の悪役、ジャックの愛する人々の命を奪う最大の敵となる。CTUの本部長であるブキャナン。のちにCTUの支部長となり、数少ない理解ある上司となる。が、彼もホワイトハウス占領事件で悲しい最後を遂げる。そのことを知っているので、複雑な気持ちで見つめる。

誘拐されたヒラー長官はのちに大統領になることも、このシーズンでは分からない。その娘オードリーも、あとあとレギュラーとなり、ジャックとの恋を育むが、彼女もまた悲運のヒロインとなる。あと、デブで小心者だが憎めないエドガーもあとのシーズンでは、あんな悲しい最期を迎えること。最後まで見ていると知っているだけに辛い。レギュラーメンバーでも、ミッシェルがこのあと知っているだけに、トニーとの恋が切ない。

ドラマ的に言うと、うまいのは、パーマーが大統領の座から降りていること。ジャックの最大の理解者なだけに、事件が起きても助けることができない。逆にローガンは最大権力者なのに自己保身ばかりでCTUの邪魔ばかり。見ていてイライラするが、物語は面白くなる。

(そして最終シーズンではジャックがローガン大統領暗殺を計画。CTUがジャック逮捕に動くと言う悲し過ぎる物語となる)

通常のドラマ。特に日本の刑事物等は安易に事件が解決するし、上層部には必ず理解ある人がいる。レギュラーのほとんどは死なないので安心して見ていられる。しかし、複雑に多様化した現実社会と比べると、それらの設定は今や桃源郷の物語に思えてしまう。日本でも小沢一郎が民主党を壊したと間違った批判をしたり、安倍が外交が得意だと実績ゼロで賞賛するマスコミ。勝てる選挙を邪魔する枝野。自民に寝返る細野。緑の狸に化かされた前原とか、善と悪だけでは割り切れない政治模様。「24」にリアリティを感じるのは、そんな背景があるからだろう。

それゆえ通常のドラマだと「あ、そう来たか? でも、安易に解決するんだよなあ」と思えるのに「24」だと「もう、やめてくれ! 酷すぎる」と言う展開が何度も出てくる。今回はジャックの命を救った恩人をジャック自身が死に追いやると言うエピソードまである。そして、そのジャック自身がアメリカを救ったにも関わらず、悲惨な結末を迎える。あと3話で完結だ。続きはまた。



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