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マイケル・ムーア「世界侵略のススメ」は大感動=今、日本人が見るべき映画。なぜ、あの国のような素敵な社会が作れないのか? [映画感想]

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マイケル・ムーア「世界侵略のススメ」は大感動=今、日本人が見るべき映画。なぜ、あの国のような素敵な社会が作れないのか?

最新作の「華氏119」は詳しく感想を書いたが、トランプ大統領批判と言いながら、実は水道問題を追及する作品。看板に偽りあり。しかし、前作の「世界侵略のススメ」は素晴らしかった。

映画館で見ようとしていて、宣伝キャンペーン中だったので見れず。それがAmazonプライムに早くも登場。早々に見てみた。今回はこんな話。アメリカは何だかんだ理由をつけて他国を侵略する国。湾岸戦争も、イラク戦争も同じ。それをムーア監督が皮肉り「だったら次はどこを侵略するか?」と自身がアメリカ軍の代わりに、他国に乗り込むという設定。しかし、行く先々では驚きの連続。

「アメリカではこんな制度はないぜよ〜」

という社会制度と出会い、それを戦利品として持ち帰るという趣向。なかなか上手い。要は他の国はこんなに素晴らしい社会システムが確立しているのに、アメリカはなぜそれができない?ということを暴露して行く作品なのだ。

フランスの子供達の健康と栄養を考えた学校給食。イタリアの2ヶ月にも渡る有給休暇。無償の学校教育。無償の医療制度を持つ国々。チェジニアの刑務所エピソードでは刑務官たちが歌う「ウイ・アー・ザ・ワールド」は涙が溢れる。これは見ないと分からない。そんな場面が3回。ムーア監督の映画はドキュメンタリーなのに毎回、泣かされる。

世界にはこんな素晴らしい制度があるのに、なぜアメリカ人は低賃金で長時間働かされ、差別があり、貧富の差があるのか? そのことを見事に比較して、証明して行く。「ボーリング・フォー・コロンバイン」で銃問題に切り込んだのと同じ手法。この映画を見たアメリカ人はシンプルに分かるはず。

「俺たちは搾取され、利用されている。金持ちと国にこき使われている!」

それをムーア監督は伝えたかったのだ。しかし、この映画には日本は登場しない。なぜなら、日本の社会制度はアメリカと同じ。いや、それ以下だから。アメリカと同じように国と金持ちに国民がこき使われ、搾取されている国だからだ。その意味でこの映画を見れば日本人も驚愕するだろう。

「なぜ、そんな長期休暇が取れるの?」 

「なぜ、そんな裕福な生活ができるの?」 

「俺たち日本人はこんなにも長時間働いているのに、なぜ!?」

その答えはムーア監督が言う通り。日本はアメリカの後追いをしているからだ。大国になっても大きくなるのは企業と金持ちばかり。国はそれら人たちをより肥え太らせるためにしか努力しない。

しかし、不況が20年も続く日本。今の若い世代の多くは、これが当たり前と思っている。ぜひ、そんな人たちにこの映画を見て欲しい。ヨーロッパの国々では、決められた労働時間で、幸せな生活を送り、医療や教育でも国民は大きな恩恵を受けている。

なぜ、日本ではそれをできないのか? なぜ、働き続けなければならないのか? どれだけ日本人は酷い状況にいるのか? それを実感することができるはず。日本人、必見の作品。


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ニューヨークのファーストフードの時給は1402円! 日本は? [2019]

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ニューヨークのファーストフードの時給は1402円! 日本は?

ニューズ・オプエドを見ていると、この1月から実施されるNYの最低賃金、時給が紹介されていた。

従業員11人以上だと、15ドル(1ドル=110円で1650円)

10人以下だと、13ドル50セント。

ファーストフード店は12ドル75セント(約1402円)

日本のファーストフード店は今も1000円前後だ。400円も少ない。先日も記事にしたが、昨年、映画祭で訪れたLAの食べ物は高かった。でも、マーケットで食材を買えば、さほど日本と変わらない。むしろ安いものもある。つまり、人件費が高いということ。これはどういうことか?というと、日本の人件費が安い。日本人は安い賃金で長時間働かされているということだ。

それは何か?というと日本はもう先進国ではない。後進国ということなのだ。先日聞いた韓国のファーストフードのバイト料さえ、日本より上だったと記憶している。それは日本が貧しい国ということなのだ。にも関わらず、「日本は今も、経済大国!」と僕も少し前まで思っていた。そのことは少し前に記事にしたので、ぜひ、そちらを。

もはや経済大国ではなく、後進国となった日本。それを感じていたところに「オプエド」ニュースでトドメ! 日本に多くの観光客が来るのは、物価が安いから。「日本が愛されているから」ではない。そんな日本に誰がした! アベノミクス効果だろう....とカリントウを食べると歯がかけた...。日本ではない、僕の健康もボロボロのようだ。また、歯医者に行かねば。。


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「51歳でデビューしたのは遅すぎない!ちょうどいい時期」と言った伊丹十三監督の言葉。今、重く受け止めてしまう? [映画業界物語]

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「51歳でデビューしたのは遅すぎない!ちょうどいい時期」と言った伊丹十三監督の言葉。今、重く受け止めてしまう?

本日のブログで2回も登場したので、あれこれ思い出す。伊丹監督、元々は俳優である。確か「コメットさん」(1代目)のお父さんとして僕らの世代は出会っていた。監督デビューしてからダウタウンの番組に出た時、浜ちゃんからこう言われていた。

「監督ほど関西人にとって親しみのある名前。ありませんで〜」

というのも伊丹(空港がある)と十三(じゅうそうーあの映画館、シアターセブンのある街)両方とも大阪の有名な地名だからだ。そんな伊丹監督は1984年の「お葬式」で監督デビューしている。そのとき彼は51歳。遅すぎるデビューだったが、本人曰く。

「俳優業をやり、雑誌編集、デザイナー、作家、エッセイスト、といろんなことをやって来た。その全ての経験が活かせるのが映画監督。遅すぎたというより、ようやくその時期が来たんだよ」
というようなことを言っていた。当時、僕は22歳。日本映画界はどんどん20代の若手監督がデビューしていて、めっちゃ焦っていた。ハリウッドではスピルバーグやルーカスも30代。コッポラでさえ40代。年寄り監督の映画はもう通用しない!くらいな感じだった。もちろん、日本では60代70代のベテランが頑張っていたが、時代錯誤甚だしい映画を撮り続けていた。

それらを見るたびに、やはり監督も若くなければならない!感性が枯れた老人の映画は詰まらない!と当時は思っていた。が、僕はプロになるチャンスも掴めず自主映画を続けていた。当時、日本映画で注目を浴びていたのは大森一樹(ヒポクラテスたち)石井聰互(狂い咲きサンダーロード)ら若手だった。ベテラン監督たちとは違う若い感性で

「これまでの日本映画とは違う!」

と若い映画ファンは支持した。彼らに続けと、多くの学生たちが8ミリカメラを手に自主映画を製作。そんな中からさらに若い監督たちがデビューして行く。だが、そこで伊丹監督の言葉が心に刺さった。

「いろんなことを経験してこそ、映画監督業ができる!」

実は近いことを感じていた。当時、僕が作った8ミリ映画。シナリオも自分で書いていたのだが、そのベースは高校時代の経験や思いを物語にしたもの。3本目を完成させた時、次はどうしようと思った。もし、幸運にもプロになれたとして、70歳まで監督できたとして、2年に1本撮れたとすると、35本だ。

「オリジナルのシナリオで監督したい!」

という思いがあったので、そうなると35本の物語を考えねばならない。高校時代3年間の経験で作ったのは3本。それをセルフリメイクしたとして、あと32本。「そんなに物語が作れるだろうか?」ということを考えた。通常、デビュー前にそんなことは考えないだろう。あと35本も撮れるとなると、若い映画監督志望者なら大喜びするところだ。

でも、自主映画でたった3本を作るだけで血を吐くような思い。5年で高校時代を消化してしまった。そのあとは何をベースに作ればいいのか? 同じことが漫才の世界であった。当時、大人気のB&B。10年修行して作ったネタを1年で使い切ってしまった。そのことを島田紳助が指摘。

「兄さんはもう何もないので、ただただ早口で喋っていただけ。聞いてて辛かった。でも、テレビの世界はすぐに使い切られてしまう」

その話も感じるもの多かった。監督生活に入ってしまうと、作り続けなければならない。いろんな経験ができない。もちろん、原作ものという手はある。が、オリジナルシナリオにこだわった。僕は「監督がしたい!」というより「物語が作りたい」という思いがあったからだ。

さらに思い出すのは当時の漫画家たち。「少年ジャンプ」や「少年マガジン」に連載する若手。大ヒットを飛ばしても1本で消えていく。対してベテランたちは何本ものヒット作を持ち、代表作が複数ある。ある編集者はいう。

「若手の多くは漫画少年で、漫画を読んで育ってきた。その知識で漫画を描く。若い感性だけで勝負している。だから、続かない」

それは映画監督志望の専門学校生にも言えた。映画はよく見ている。評論家のように詳しい。でも、自分の体験がない。映画以外のことを知らない。そんな時に伊丹監督の発言。51歳の監督デビュー。他にも色々あって、僕はアメリカ留学を決意する。

20代で監督デビューを目指すのではなく、遠回りすること。映画の知識しかない者が監督になっても、多くの作品を作ることはできない。そう感じた。同じ夢を追いかける友人で、こう言う奴がいた。

「経験がなくても、才能があればやっていけるはずだ!」

そうだろうか?当時から「才能」と言うものには懐疑的だった。そんなものは本当に存在するのか? 僕は経験が大切だと考え、アメリカへ行く。

その後、80年代にデビューした若手監督たちは1−2本撮って消えていった。あるいは30代になり、40代になり、無難な作品しか撮らなくなる。20代の頃のキラキラした感性を失い、普通の映画しか撮れなくなっていた。人はどう足掻いても歳を取る。若い感性だけで勝負していると、いつかそれは失われるということなのだ。これも漫画家と同じだった。「才能あれば」と言う友人も監督業を諦めカタギの仕事に就いていた。

僕は結局、6年留学して、帰国。それか5年かかって脚本家となり、さらに10年かかって映画監督デビューした。43歳になっていた。一時期は20代監督デビューに憧れたのに、倍の40代。それでも伊丹監督の51歳より早い。それから5本の映画を撮った。皆、評判がいい。「毎回、感動して泣ける...」と言ってもらえる。もし、20代で監督デビューしていたら、そんな作品が作れただろうか? 5本も作り続けることができたか?

伊丹十三監督の言葉を思い出し、自分の道を振り返る。自主映画時代。アメリカでの経験、帰国してからのアルバイト生活、人生で出会った様々な人たち。踏みつけられ屈辱だった体験。それが僕の映画を作っている。若くしてデビューすることに憧れていたが、時代が過ぎ去れば大したことではないと分かった。

「俺は20代で監督デビューした」

と言えば、その時は賞賛されるが、40代で撮れなければ

「最近は撮ってないのね〜」

と思われるだけ。大事なことは短期間でデビューすることではない。若くして夢を掴むことでもない。良質な作品をいかに長く作り続けるか?なのだ。監督業以外でも同じ。俳優業でも、作家でも、歌手でも、若くしてデビューして消えることではなく、長く続けること。それには何が必要か? そんなことも若い人たちに伝えたい。



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申告時期になると、いつも思い出す伊丹十三監督と「マルサの女」そして映画製作日記のこと? [映画業界物語]

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申告時期になると、いつも思い出す伊丹十三監督と「マルサの女」そして映画製作日記のこと?

申告準備ができたので税理士さんの事務所へ。Excelに打ち込んだリスト。領収書。そして貯金通帳を提出。確認をしてもらう。監督業は儲かる仕事ではないので、多額の税金を払うことはないが、それでも幾らかの税はかかってくる。

そして間違いがあると税務署から調査される。そうならないように税理士さんが事前に確認してくれる。それで問題がなければ、後の複雑な作業を引き継いでくれる。が、数字に弱い僕は二つほどミスをしており、記載忘れがあった。それを後日、修正して提出。

申告となるといつも思い出すのは伊丹十三監督のこと。彼の監督デビュー作「お葬式」は大ヒット。だが、その収益の多くを税金として持って行かれショックを受けた。

「何でそんなことになるの?」

と調べていき、国税庁査察部という存在を知った。そこから「マルサの女」が生まれるのである。先輩がスタッフの一人だったので、色々と当時のエピソードを聞かせてもらった。伊丹監督が書いた制作日記「マルサの女日記」も読んだ。映画企画時から撮影、編集。完成までを監督自身が綴った本。

そんなのそれまでなかった。監督の視点で映画製作を見つめ、記録するなんて凄い。伊丹監督は「マルサ」だけでなく「お葬式日記」「大病人日記」も書いている。それらは当時、監督志望だった僕にはとても勉強になった。そんなことがあるので、僕もデビュー作「ストロベリーフィールズ」から製作日記を書いている。

企画時から撮影、完成、公開、DVD発売。その後まで。監督作5本。全て記録。自身で書いた。もちろん「明日にかける橋」日記もある。出版はされていないが、ネットで今も全部読むことができる。僕が伊丹監督の日記から学んだように、若い映画監督志望の子たちの参考になれば!と思っている。

それも伊丹監督の日記があったからだ。そのことも申告時期になると思い出す。とりあず、その内の2つのアドレス。以下に記載。

●明日にかける橋」監督日記

https://cinematic-arts.blog.so-net.ne.jp

●「ドキュメンタリー沖縄戦」監督日記
これが最新作。春完成予定のドキュメンタリー映画。沖縄取材、沖縄戦勉強から、編集、この後は試写会、公開まで経過を詳しくレポートします。沖縄問題、戦争のことも綴ります。

https://okinawa2017.blog.so-net.ne.jp


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「朝日のあたる家」九州上映会、2月12日、13日、14日実施予定 [2019]

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「朝日のあたる家」九州上映会、2月12日、13日、14日に行われます。

監督のトークショーは残念ながらなくなりそうですが、

多分無料上映会になるとのこと。

詳しいこと。会場等が決まったらまた告知します。



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「明日にかける橋」DVD発売決定。予約受付始まる! [2019]

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「明日にかける橋」DVD発売決定。予約受付始まる!

僕が監督した劇映画で、昨年全国公開された「明日にかける橋」。2月2日の発売が決定した。こんな早い時期に凄い! やはり地元での9週間のロングランが効いたのだろうか? 全国公開もされたし。海外でも受賞したし。全国のTUTAYAに並べばまた多くの人に見てもらえるぜよ!だが、多くの人はこう思っているはず。

「映画館で公開したんだから、当然DVDになるんでしょう?」

それは間違い。DVDメーカーが出資している作品がDVDになるだけ。地方映画の場合。その出資はまずないから基本はDVDにならない。「採算が取れる」とメーカーが踏んだもだけ、手を挙げたメーカーによってDVD化される。

僕の以前の作品では5年かかったものもある。それでもラッキーな方で、DVD化なし!という作品も結構存在する。その意味で「明日にかける橋」は公開終了から数ヶ月でDVD化というのは異例。配給会社が頑張って売り込んでくれたことも大きだろう。

今回のDVD化に際してサウンドを少しだけ手直しした。先の劇場版は映画館で最高の音を聞いてもらうための設定してある。それをそのまま家庭用の機器で再生すると、いろんな問題が出る。そこで家庭でも素晴らしい音が再現できるようにして再録音。

さらに、映像と音響を少しだけ直した。どこが違うか?ぜひ、確かめてほしい。エンディングが違うなんて事はないが、より見やすくなっているはず。あと、特典映像として、昨年、静岡あさひテレビで放送され大好評だった

「メイキング 越後はる香 16歳の挑戦」

が収録されている。これも映像を手直し、DVDで見やすいように再編集してある。プラスして、静岡版の予告編。映画館ではかかってない版だ。それと笑える特典映像が一つ。これは見てのお楽しみ!

ロケ地ではどこかのお店で販売してもらえると思える。が、ネット等でも購入できる。詳しくはまたお知らせする。



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日本はもはや経済大国ではなく、後進国になったことを痛感? [my opinion]

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日本はもはや経済大国ではなく、後進国になったことを痛感?

昨年の夏。映画祭でロスアンゼルスに行き、痛切に感じた。まず、食事が高い! 普通に食べても2000円くらいかかってしまう(1ドル〜130円)。もちろんピンキリで安いところもある。が、観光客相手でない店でもそれなりの値段。僕が留学した当時(1985年=1ドル250円くらい)もそんな感じだった。が、バブル時代(1980年代後半)に入り、円高が進んでからは(1ドル=100円)、東京より安価でいろんなものが買え、生活しやすい街になった。

映画も当時、日本だとロードショー料金が大人1800円。アメリカでは7〜8ドルだった。半額以下で映画が観れた。それが今回は日本より高め。映画だけでなく、あらゆるものが割高だった。が、考えてみると、僕が留学していたのはもう29年前だ。30年近くも経てば値段は上がる。逆にいうと、日本が30年前と変わらない値段ということだ。

映画は1800円のままだし(これは上げて欲しくないが)1000円もあれば十分に豪華なランチが食べられる。いや、サラリーマンの友人はランチはワンコイン(500円)という。LAだとその額ではハンバーガーも食べられない。

なのでこの数年、LAに行った時はマーケットで買い出してきてホテルで食べていた。レストランだと高いが素材で買えばそれなり値段。ビールなら日本よりずっと安い。でも、なぜ、アメリカの食事は高いのか? 考えればすぐに分かる。人件費が高いから。対して日本は人件費を抑えるから安くできる。ブラック企業と同様に、日本人は安い賃金で長時間働かされているということだ。

それは何か?というと後進国ということ。開発途上国というか? 安い労働力で安いものを売る。戦後日本がしてきたこと。それを韓国や中国が後追いしていた。その時代に日本は戻っているのだ。が、日本人の気分は今もバブル!

「日本は経済大国だ。一流国家だ!」

と僕らの世代の多くは思っている。「韓国に負ける訳がない!」という変なプライドがある友人もいる。だが、時代は変わったのだ。

LAでも昔はどこに行ってもメイド・イン・ジャパンだらけ。テレビ、ビデオ、ラジカセ、ウォークマン。でも、今回は韓国製とアップルばかり。LAエアーポートの大型テレビもSONYではなく、LGー韓国製ーだ。スマホはアップル。車だけは相変わらず日本車が多かったが...。電気製品ではすでに世界シェアは韓国に追い抜かれている。留学時代、日本のテレビはアメリアとの貿易赤字報道が多かった。

「日本から買うものが多いのに、アメリカの物は買ってもらえない!」

とアメリカが不満を爆発。デトロイトでは日本車を壊すデモまであった。が、今、アメリカが頭を抱えているのは、中国に対する貿易赤字。日本との貿易赤字はそれに比べると小さな額なのだ。そう考えていて思い出したのは、日本への観光客がこの数年、急激に増えていること。

「日本は人気あるし、世界に愛されているんだよ!」

友人はそういうが、実態は違う。物が安いからだ。昔、僕らが物価が安いからと韓国旅行をしたように、日本は安いから多くが来て爆買いしてくれる。1980年代後半にNYのティファニーに日本人観光客が団体で押しかけたのと同じ。LAのロデオ・ドライブも日本人ばかりだった。それが今ではLAへの日本人観光客が激減。リトル東京も多くの店が締めている。僕が留学時代にはあった観光客向けの店はほとんど潰れていた。

逆にリトル東京に店を出すのは韓国人オーナー。つまり、韓国からの観光客がたくさん来るということだ。沖縄取材でも思い知った。ホテルに泊まる多くが韓国、中国、台湾からの観光客。国際通りを歩いても同じ。アジアの国が経済的に余裕ができてバンバン旅行しているということだ。

いずれにしても、日本は物価の安い国というのは間違いない。安いのは庶民には嬉しいが、それは経済大国ではなく、貧乏国という証。その現実がありながら、多くの日本人。特に僕と同じ世代は今も

「アジアでナンバー1。世界の経済大国だ!」

と思い込んでいる。テレビを見れば

「日本人はこんなに凄い。世界で愛されている!」

という番組がやたらと多い。それも現実から目を背けさせるためにプロパガンダに見えてしまう。ドイツが敗戦で経済も気持ちを落ち込んでいる時に、ゲルマン民族の優位性を訴えたヒトラーが支持されたように、国はダメになると、そんなことでプライドを保とうとするのだろう。太平洋戦争末期も軍は

「気力で勝てる!」

というような方針でアメリカ軍に向かい、次々に玉砕していった。この玉砕という言葉も同じ。「全滅」と言わずに「玉砕」と呼ばせた。

海外にも行かない。テレビばかり見ている。そんな人たちは時代の推移に気づかず、すでに日本が経済大国でないことも知らず、安い賃金で、長時間労働させられているということなのか? ただ、こうしていつの時代も国は衰退し、滅びていくのだろう。

その日本をバブルに戻すではなく、戦前に戻そうとしている人たちがいる。時代錯誤甚だしい。でも、テレビや新聞しか見ない多くの人はこう思う。

「日本は経済大国だ。優秀な民族だ。総理頑張ってほしいなあ〜」

そんな風に願ってしまうのだろう。


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2月に九州地方で 「朝日のあたる家」の上映会が2−3回、予定あり! [2019]

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 2月に九州地方で

 「明日にかける橋」の上映会が2−3回、予定されています。

 場所、時期はまだ未定ですが、

 上映後に私、監督の太田がトークショーをする予定

 詳しいことが決まったら、告知させて頂きます。

 お楽しみに。http://www.asahinoataruie.jp

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「明日にかける橋」ららぽーと磐田にて 1月12日(土)アンコール上映が決定 [2019]



「明日にかける橋 1989年の想い出」

 ららぽーと磐田にて

ロケ地静岡県磐田市

2019年1月12日(土)14:00〜

アンコール上映が決定

9週間のロングラン。大ヒット。

「もう一度観たい!」

という熱い声に応えて1日だけのアンコール上映が決定しました。

最後のチャンスです。5.1chステレオ。大スクリーン! 感動をもう一度!



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