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編集作業に入る前、少しだけ部屋を片付けた。 [映画監督のお仕事]

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編集作業に入る前、少しだけ部屋を片付けた。

もう、ゴミ屋敷まであと数歩!という状態だった。本棚から出した本はそのまま。資料は整理されずに机の上に積み上がる。Amazonの段ボール箱が散乱。シンクには洗わないままの皿やコップ。ゴミを入れた袋も、いつのものか分からないで置かれていたり!?

というのも、映画製作が始まると他のことをする余裕がなくなるからだ。「元ある場所に戻すだけでしょう!」と奥さんがいたら叱られそうだが、資料を読むと、想像力が起動。元の場所に戻す思考が働かなくなる。皿を洗う時間がもったいない。映画作りとは考え続けること。朝起きてから寝るまで考える。時には夢の中でも考える。

何か他のことをすると、思考が途切れる。掃除をするにも、ある程度は考えねばならない。「掃除機をかけるのに、この荷物邪魔になるな。どこに片付けようか?」と考える。その時間が勿体無い。編集作業でも同様。集中して考え続ける。

食べる時間も勿体無いので、片手で食べるものしか食べない。「ちょっと休んで、落ち着いて食べればいいでしょう!」とまた言われそうだが、そんなことを言われても止められないので、結婚できなかったのだろう。しかし、映画監督だけでなく、作家でも、ライターでも、漫画家でも、クリエイティブの仕事をする多くは似たようなもの。

ただ、ある先輩監督は違う。いつ部屋を訪ねても綺麗。整頓されている。どんな忙しい時でもクリーン。聞くと「部屋が汚いと落ち着かないんだよ〜」という。が、撮影前の忙しい時に、シナリオの読み込みせずに部屋の掃除をしている。シナリオは一度読めばいいというものではない。当然、その先輩の作品。ロクな作品がない。彼の中では「作品作り」より「部屋が綺麗」の方が優先順位が高いのだ。

作品作りは才能ではない。才能なんて存在しない。その作品をいかに長い時間、考え続けたか?でクオリティが決まる。数週間で準備すればそこそこ、数ヶ月ならまずまず、1年かければそこそこという感じだ。

「才能があれば1週間でも名作が!」なんてことはない。かと言って10年かけて準備すると、その間に飢え死にする。経済との戦いもある。だからこそ、部屋を片付けることに時間と労力を使いたくない。1秒でも多く作品作りに時間を使いたい。

実は567鍋で2年間全く仕事がなくなった時に、今がチャンスだ!と部屋の片付けを始めた。が、そこまで映画製作が続いたので、半端ない散らかりよう。ゴミ屋敷を超えた状態。途中でめげて、しばらくお手上げ状態。そこに昨年末「乙女たちの沖縄戦」の依頼が来て、また片付けは延期。その映画が完成。公開終了時に過労でダウン。今に至る。だから、部屋はゴミ屋敷未満のまま。

今や室内の歩行も困難。物を超えて歩かないと別の場所に行けない。必要なものがあっても、物の山から発掘調査せねばならない。泥棒が入っても分からない。いや、「お!先起こされたか」と思うだろう。夜中に地震が起こり、火事が起こって部屋から出るまでに、必ず転ぶ。逃げ遅れて「さよーならー」と人生を終える?いつ死んでもいいが、映画制作の途中で死ぬのは嫌だ!

そこで編集作業を始める前に、少しだけ片付けをした。まだ、自宅入院状態をようやく脱した病み上がり、リハビリ段階ではあるので大したことは出来ない。が、ゴミや段ボール箱を捨てる。資料の仕分けは出来ないが、まとめて大きな箱に入れる。それだけでも通り道ができた。物を超えなくても真っ直ぐに歩ける。これは嬉しい。

ま、本格的にやると引っ越しに近い労力がいるので、地震の時にすぐ逃げられる。必要なものを短い時間で発掘することができる?これだけでかなり違う。ま、沖縄戦関係の本だけでも、すでに本棚に入りきらないほどある。でも、真剣な片付けは今回の映画が完成してからだ。さあ、本日も編集作業を始める。


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