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「乙女たちの沖縄戦」へのコメント② 事実を知らずに思い込みで批判?そこを解説 [乙女たちの沖縄戦]

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「乙女たちの沖縄戦」へのコメント。事実を知らずに思い込みで批判?そこを解説②

映画に対する感想や批評というのは自由。ただ、本質を理解せずに的外れな批判したり、偏見や先入観で誤解して文句をいうのは困りもの。とは言え日本の教育を10年も受けると「考える力」が育まれない。そこで作品の真意、表現法の理由を解説することで、本来の意味を気づいてもらう記事を書いている。今回、取り上げるのはこちら。

感想「全編に通じてウチナーグチ(沖縄の言葉)ではなく標準語になっている。聞きやすいのだが90才を超える証言者は自然な言葉で話した方がリアリティがある。ドラマパートにもいえる。NHKニュースのような標準語では無機質なものに感じる」

もし、この感想が沖縄出身で高齢の方なら分かるが、どうも沖縄の事情を知らない人が想像で発言しているように思える。もし、証言者がウチナーグチで話したらほとんどの人が何を言っているか理解できない。僕も沖縄を訪れた時、カフェに集まる地元のお年寄りたちの話をそばで聞いたことがあるが、全く分からない。九州弁や関西弁なら他府県の人でもほぼ理解するがウチナーグチはほとんど外国語。

この感想を書いた人はそのことを知らないのだろう。リアリティどころか何を話しているのか?全く理解できないので、字幕スーパーをつける必要さえある。観客は字幕を読み、文字で内容を理解するしかない。それを「リアリティがある」とは言うのか?

また、沖縄では基本、標準語を話す。若い人はウチナーグチを話せない人が圧倒的に多い。おばちゃんたちが孫と話すときは標準語で話す。同年齢同士でも標準語で話すことが多いようだ。それが沖縄の現状。

また、この映画の聞き手は東京から来た若い女優さん。当然、標準語で質問する。その人に対して証言者がウチナーグチで答えるのは不自然だし、聞き手も何を言ってるのか理解できない。インタビューが成立しない。この感想の人は、そうなることを想像した上でコメントを書いたのだろうか?

もし、ウチナーグチで答えるなら通訳が必要だし、映画には字幕スーパーも必要。映画館で字幕を読むことが「リアリテイ」を感じることか? そこで本当にリアリティを感じるのは沖縄の年長者だけになってしまう。映画は多くの人に見せるもの。多くが理解しやすくなる努力が必要。感想者がいうのは現状を理解しない上に、取材もしづらい、普通しないことを要求する指摘なのだ。

何より若い女優にウチナーグチで答えるのは、おかしい。たとえば日本語が話せるアメリカ人が、英語のできない日本人に英語で答えるようなもの。不親切であり、奇異な状態。それどころか証言者は日頃から標準語を話しているのに、あえて多くが分からないウチナーグチで答えてもらうのを「リアリティ」とは呼べない。

この感想者はウチナーグチを関西弁と同じように、聞けば誰でも分かる言葉と思っているのだろう。関西の人は日頃から関西弁。それを無理して標準語で答えてもらうのは「リアリティ」をなくす。が、それと今回はまるで状況が違う。なのに思い込みだけで「リアリティを無くす!」と、ネットで発信してしまった。その感想に賛同して「いいね」を押す人までいる。困ったちゃんは意外にいるのだ。

映画を見て「***がおかしい」「リアティがない」「ツッコミどころ満載」というコメントを良く見るが、本人の思い込み、想像力のなさ、事実を知らないで批判していることが多い。付け加えると「リアリティ」という言葉を使う批評の多くは、その意味を理解してない。作品にイチャモンをつける前にまず、自身の知識が正しいか?を考えることも大切である。


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