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「乙女たちの沖縄戦」への批判① 想像力が足りない人たち?そこを解説。 [乙女たちの沖縄戦]

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「乙女たちの沖縄戦」への批判。想像力が足りない?そこを解説。

前作「ドキュメンタリー沖縄戦」では「はあ?」というような的外れな批判。勘違いのコメントをそこそこ見ることがあった。感想や批評というのは自由だ。ただ、本質を理解せずに的外れな批判したり、偏見や先入観で誤解するのは問題。

なのだが、いつも書いている通り、日本の教育を10年も受けると「考える力」が育まれない。そこで作品の真意、表現法の理由を解説することで、本来の意味を理解してもらい、「なるほど、そういうことか!」と気づいてもらう記事を前回は書いた。今回もその種のコメントをいくつか見つけたので、解説してみる。

感想「体験者の背景を白一色(注・町の会議室を借りて取材したので背景が白い壁になっている)にせず彼女たちの部屋で取材すれば積み重なる個人の歴史の情報が、背景から読み取れて物語の奥行きが出たのではないか?」

いち観客としての素直な疑問でありアドバイスなのだろう。だが、ドキュメンタリーは観客のことだけを考えて作ることはできない。プロの俳優が出演するドラマではない。一般の方が話をしてくれる。実名で登場する。プライバシーが大切。顔を晒して体験を語ることで批判を受けることもある。それを承知の上で出演してくれる。俳優が映画に出るのとは違う。作り手はその辺のしっかりと配慮しなければならない。

もし、自宅の撮影となると、撮影クルーがプライベートな環境に踏み込むことになる。みず知らぬ他人が大勢押し寄せる。部屋の片付けもせねばならない。お茶くらい出したいと考えるだろう。出演し証言して頂く体験者に、それも90代の方にそんな労力を要求すべきだろうか? 何も言われなくても、ご本人はそんな気遣いをせずにいられないはずだ。それを想像せずに作り手が「重なる個人の歴史の情報が、背景から読み取れて物語の奥行きが出るから」と自宅での取材をお願いするのは無神経でしかない。

もちろん、自宅での取材OKの方もいる。が、「それは困る!」という方もいる。また、以前には「戦争の話をすると家族が嫌がる」「取材スタッフが何人も来られると家族が不機嫌になる」という方もいた。なので、頭から自宅取材をお願いするのではなく、体験者がどこで話をしたいか?を最優先にして場所を決める。取材を受けたばかりに、後で家族から叱られたり、部屋の片付けをせねばならなくなるのは取材側に想像力がないと言える。その辺はしっかり配慮せねばならない。

取材事情を知らない観客は「部屋で撮ればいいのに!プライベート感じられてより伝わる!」とか見る側の好奇心や知識欲を満たすことを先に考えてしまいがちだが、取材する側が同じではいけない。しかし、テレビのワイドショーでは芸能人に対して本当の無神経な突撃取材をする。それを視聴者は深く考えずに笑いながら見る。想像力が麻痺していくのだろう。

また芸能人は取材されるのも仕事の内。それでも人権侵害と言える取材もあり、取材する仕事をする者としてはムカつく。そんな光景に慣れてしまった一般の方が、深く考えずに「自宅で取材すればいいのに」と考えるのも分かるが、自分が取材されたら自宅で証言するかな?と考えれば見えてくるはず。ワイドショーであっても、FBへのコメントであっても、その辺を考えると、いろんなことが見えてくるはずだ。


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