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先日のワークショップで嬉しかったこと?出会い。 [映画監督のお仕事]

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先日のワークショップで嬉しかったこと?出会い。

80年代の映画やドラマを見るとお父さんは田中邦衛か宍戸錠。お母さんは吉行和子か由紀さおりみたいことが多かった。おじいさんは大滝秀治や笠智衆。皆、名優なのだが、頻繁に見かけると、その作品の現実味が落ちてしまう。田中邦衛が出て来ると「北の国から」を思い出し、息子は吉岡秀隆かと感じてしまう。

が、自身が映画監督の仕事をし出して理由が分かった。20代30代までは無名の新人がたくさんいる。だから、力ある無名を選ぶことができる。が、その後、食えなくて辞める人が多い。女性は結婚してしまう。すると年齢が上がるにつれて俳優人口は減り、ピラミッド状に上に行くほと人数が少ない。

だから、4〜50代の両親を演じる人で知名度のある俳優は限られて来て、同じような人たちが演じることになる。そして選ぶ側も安易なので、よく見かける名優を選んでしまう。その悪循環だったのだ。

実際、今も、同じ俳優が別の作品で同じような役を演じている。「シグナル」で刑事の主人公の上役を演じていた渡部篤郎は「マスカレードナイト」でも警察幹部の役を演じている。同じ役かと思ってしまう。これも先と同じ背景。製作側も相変わらず、同じような役で同じ俳優にオファーしているということなのだ。

が、僕自身。40代50代で無名の実力派を探そうとしても、難しいことを実感した。その年齢の俳優は無名でも芸歴がある。なので、オーディションに来て欲しいとキャスティング・スタッフに頼んでも「難しい」と言われる。事務所側も「売れてなくても長年やっている彼らにオーディションに行けと言いづらい」ようだ。

そんなことで、事前に会うこともできず、よくおじいさん役をやる俳優さんに出てもらったことがある。が、全然ダメで、老後の趣味で芝居をしているのか?という演技。キャバクラではないが、写真だけ見て指名するのは危険。だが、どうすれば40代、50代で顔の知れていない俳優を選べばいいのか?

そんな時、先週のワークショップ。30代以上、60代までの俳優さんたちが参加してくれた。こんなありがたいことはない。時間をかけて皆さんの芝居を見せてもらえる。実力やキャラ。得意技?も把握できる。すぐにでも出演して欲しい人が何人もいた。実際、以前のワークショップから4人に出演してもらった。通常のオーディションだと1人3分しか面接できないことが多い(大量の参加者と会うので)それが30人ほどの参加者だが、6時間対峙できた。

ぜひ、次回作にお願いしたい俳優が今回も数多くいた。そして僕の場合。シナリオを書いてそれに相応しい俳優を探すより、よく知る俳優をイメージして役を作り、物語を書くことが多い。先に役を作ると、それに100%合う俳優を見つけるのは困難。60%だとした時に物語が崩れる可能性がある。だが、当て書きなら100%で行ける。

僕の中では太田組俳優部であり、劇団のようなもの。その中から選び役を作る。そのメンバーがかなり増えた。より物語を広げることもできる。こんなありがたいことはない。


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