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映画「ミナマタ」は伝えることの大切さを教えてくれる! [映画感想]

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映画「ミナマタ」は伝えることの大切さを教えてくれる!

私の監督作「朝日のあたる家」で原発事故を描こうとした時、多くの人から反対された。当時は「原発映画を撮ると、2度と商業映画を監督できなくなる」と言われたからだ。企業は1社も支援してくれなかった。市民に寄付を呼びかけて多くの人たちの応援で製作した。テレビでは伝えない福島の悲しみを劇映画で、絶対に伝えねばならないと思ったからだ。

3年に渡り取材した「ドキュメンタリー沖縄戦」は映画館公開中止の危機もあったが、昨年、今年と2回に渡り映画館公開をすることができた。が、ある種の人たちが「事実誤認だ」「美化している」と的外れな批判をして来た。沖縄からでさえ、ごく一部だが批判や誹謗中傷があった。でも、多くの観客が沖縄の悲劇に涙を流し「沖縄戦を知らずにいた自分が恥ずかしい」と感想を伝えてくれた。

いずれも実際にあった歴史の1ページ。それを隠したい人たちがいる。多くに知らせたくない団体がいる。教科書の記述を消し去り、なかったことにしたい。事実を捻じ曲げて美化したい。伝えようとするとバッシングして、足を引っ張る人や団体もある。企業や権力者が隠したい現実を伝えると、必ずそんな圧力がかかる。

「ミナマタ」の背景も同様だろう。だから映画が素晴らしいだけでなく、この作品を作り上げた人たちに感謝と尊敬を強く感じる。ジョニー・デップの勇気を讃えたい。監督は「日本人の役は日本人が演じなければならない」アメリカ映画でよくあるように、英語はうまいが日本語ができない東洋人を起用することを最初から拒否したと言う。

ジョニーのような有名俳優が出演しなければ、この手の題材に資金は集まらない。そして、アメリカ人フォトグラファーが日本人を救ったと言う上から目線の物語にもできたのに、彼らはそうはしなかった。この物語は世界にミナマタを伝える。今も解決せず、日本政府が「もう終わった」と宣言しても、未だに続いていることを多くの人に伝える。

映画の役割は娯楽だけではない。悲しい現実や隠された事実を世界に伝えるのも映画の大切な仕事だ。この映画はそれをやり遂げた。ただ、残念なのは、日本がこの事件を劇映画として作り得なかったこと。本来は日本人が映画で水俣を世界に伝えるべき。なのに水俣だけでなく、大手映画会社は福島の原発事故でさえ、伝えられずにいる。

大企業が資金を出したのは「東電職員が原発事故を止め、日本を救った」と言う嘘八百のプロパガンダ映画だけ。それが今の日本。ただ、この「ミナマタ」は多くの日本人クリエーターを励ましたはず。勇気を与えたはずだ。僕もその1人。戦後76年経っても、多くが描こうとしない沖縄戦を劇映画として撮りたい。ドキュメンタリーでは伝えられない悲しすぎる現実を伝えたい。資金を出そうと言う会社はないが、作らねばならない。

映画の使命はまず、多くの人に現実を知らせること。そして人々が考えること。そこからがスタート。そこから何かが始まる。時代を変えていける。映画はそれを伝える力がある。今の時代。僕ら映画人は、伝えることこそが、使命なのではないか? 映画「ミナマタ」はそれを教えている。




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「ドキュメンタリー沖縄戦」イオン・バーチャル・シネマで有料配信中。
学校では教えてくれない真実の歴史。政府が隠しておきたい日本軍の蛮行。踏みつけられ、見殺しにされた多くの沖縄県民。あまりにも理不尽。その戦争を体験した人たちの証言で綴るドキュメンタリー。10月7日。配信終了。

こちらで=> https://www.aevc.aeoncinema.com


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