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映画監督の仕事は娯楽作品を作るだけではないーマスコミが伝えない真実を伝えるのも仕事? [映画業界物語]

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僕はジャーナリストではない。映画監督だ。映画館で2時間の間、ドキドキ、ワクワクして、感動。泣ける作品を作る。文芸作品と言っても退屈なものは作りたくない。テーマは「親子に伝える大切なこと」「幸せって何だろう」というもの。題材はエンタテイメントでも、そのテーマを毎回語っている。

原発事故の悲劇を描いた映画「朝日のあたる家」を作ってからは社会派作品も手がけるようになった。昨年公開の「ドキュメンタリー沖縄戦」もその路線。劇中で紹介したエピソードは新しく発掘したスクープではないが、多くの人が知らない衝撃の事実が多数あった。いかにマスコミが報道しないか?伝えないか?ということ。毎年、夏になると終戦記念日前後にいろんなドキュメンタリー番組が放送されるが、多くが上部だけ。政権に都合の悪いことには触れない。悲しい歴史の1ページ的なノリで、責任追及や原因解明はしない。

映画でも沖縄戦で有名な作品は「ひめゆりの塔」と「沖縄決戦」しかない。他にも少しばかりあるが、多くの人は知らない。「沖縄決戦」でさえ映画ファンでも知らないことが多い。広島、長崎の原爆。東京大空襲。真珠湾奇襲、ミッドウェイ海戦。多くが映画やドラマ、漫画になっているのに、沖縄戦が描かれないのはなぜか? だから現在も続く沖縄の苦悩に多くの人が無頓着なのだ。

その背景にあるのがマスコミも、映画も、ドラマも、漫画も、沖縄戦を伝えないということ。伝えると都合の悪い人たちがいるということでもある。当時、軍は沖縄で何をしたのか? その軍に命令した大本営は何を考えていたか? それを多くに知られたくない人たちがいる。封印しておきたい団体がある。再び戦争をしたい勢力にとっては、その辺を知られることを危惧する。歴史を書き換え、日本軍は素晴らしかった!としたい人たちもいる。

だから映画も、ドラマも、漫画も、沖縄戦に触れずらいのだろう。テレビや大手映画会社はしがらみがある。基地問題にも繋がる。だから慰霊の日も上部だけしか報じない。「ドキュメンタリー沖縄戦」はそれを破る作品を目指した。実はかなり危険な作品。テレビでは絶対に作れないドキュメンタリーだ。それを映画館で全国公開すれば、嫌がる人たちも出てくるだろう。邪魔もされるはず。

ましてDVDにして全国でレンタル。地上波、ケーブルで放映されたら堪らない。映画館公開どころでない反響がある。多くの日本人が沖縄戦を知ってしまう。実際、見てくれた人のほとんどが「知らなかった。ここまで酷いことが行われていたなんて...」と驚愕したという。そして誰もが「多くの人が見るべきだ!」という。逆に「これを見せてはヤバイ」と思う人たちもいるだろう。「主戦場」も未だにDVDになっていない。あちらはあれこれ事件になり、話題になったが、内容的にはこちらも近いものがある。よく、特殊な団体が街宣車で来なかったなあ?と内心思っていた。

公開をほぼ終えたとき考えた。映画監督の仕事はエンタテイメントでお客を楽しませることだけではなく、封印された、多くが知らない現実を全国に伝えるという仕事もあるのだと。本来、それはジャーナリズムの仕事だが、テレビ、新聞はすでに、その使命を果たすことができない。巨大組織は管理され、政府の広報機関でしかない。が、フリーの映画監督がインデペンデントで作るなら、真実を伝える作品作りがまだ可能だ。

そんな仕事も、今の時代は映画監督の仕事の一つなのだろう。幸い、僕は失うものはない。妻も子もいない。コンクリート詰にされて東京湾?ーーでも、止める気はない。「朝日」のときから、その覚悟でやっている。だが、敵は様々な手で足を引っ張り、真実を伝えるのを止めようとする。心なき人たちがあれこれ、陰口を振りまいている。でも、心ある人たちの支援や応援があれば出来る! 戦いは続く。


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