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原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」製作時のこと。思い出した。 [トランプ問題]

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原発事故を描いた映画「朝日のあたる家」製作時のこと。思い出した。

311以前。日本では原発事故どころか、原発を題材にした映画はほぼなかった。「原子力戦争」という映画はあった。が、原作を書いた田原総一郎、そのために務めていたテレビ局をクビになった。「原発映画を監督したら、二度と商業映画は撮れない」とも言われた。福島の原発事故を映画にしようという動きは全くなかった。

当時、僕は4年かけた監督作が公開され、過労でダウン。自宅入院状態。原発事故報道を1日中テレビで見ていた。「大変なことになったなあ。日本全滅?」とか映画のようなことを無責任に想像していた。が、テレビ報道を見ていると、それほどの事故ではないことを感じた。官房長官も「直ちに健康被害はない」「放射能は漏れていない」と繰り返す。当時はそれを信じてしまった。

だが、僕は「細かいことが気になる悪い癖」がある。次第にテレビでは報道されていないことがあるとに気づいた。事故当時の新聞を図書館で読む。雑誌で読む。ネットで調べる。個人レベルでもいろんなことが分かってくる。大変なことになっていることに気づく。東京にも大量の放射能が降り注いでいた。そして何万という福島の人たちが避難したことも、テレビでは報道されていない。避難している映像は一切流れていない。大がかりな統制が行われていることを感じた。

声を上げる人たちが出て来た。「報道を信じていたら大変なことになる」「国に見殺しにされる!」「自分で情報得なければ!」でも、同時にこんな声も上がる。「不安を煽るな!」「福島を差別するな!」「放射脳は黙れ!」「デマを流すな!」ネトウヨの始まり。政府や東電に雇われた人たちかもしれないが、一般の人も多かったはず。政府が発表しない、マスコミが報道しないことを発信すると、デマ、嘘、不安を煽って喜ぶ悪質な行為だと糾弾された。日本人はマジョリティと違う意見をいうと、皆で潰しにかかる習性がある。

Twitterを見ていても、有名なアニメシリーズの監督が実名で呟いていた。原発反対デモをする人たちを「黒く汚い奴ら!」と蔑む。「プロ市民」とか「工作員」とか言われた。デモ行進を邪魔しに来る団体もいた。友人に原発の話をしても「よく分からないし...」と避けられる。「お前、変だぞ」と言われたり。テレビ報道されていないことをあれこれいうと「頭、おかしい」と思われる。「そんな大変な事故ならテレビが伝えるはず。報道では収束が近いと言ってんだぞ」という感じなのだ。

放射能のことを話すだけで「あの人、何か変」という空気があった。そんな中、僕はFacebookやブログで原発事故の疑問を記事にした。同時にあれこれ調べる。小出裕章さんという専門家の意見が分かりやすいこと。俳優の山本太郎さんが原発の危険性を告げていること。ジャーナリストの上杉隆さんは「メルトダウンしている」と発言。多くから「デマ野郎」と叩かれていたこと。格納容器の爆発で、多くの人が関心を持った時期もあったが、野田総理による終息宣言(そのくせ原子力緊急事態宣言は今も出たまま!)で、多くが「終わった」と感じてしまった。

原発反対デモに数万人が参加しても当初、テレビは報道しなかった。様々n光景を見てヤバイ! と感じる。日頃から僕はボランティアもしない。自分が生活するだけで精一杯だが、「何かしなければ!」と思った。が、何ができる? 山本太郎は俳優として有名、知名度を生かして行動。上杉さんはジャーナリストとして発信。小出先生は豊富な知識。でも、僕は何もない。。。。いや、映画の仕事をしている。「映画にすればいいんだ!」そうすれば多くの人に伝えられる。テレビがダメでも映画なら行ける!

それからが大変だった。いろんな人が「やめた方がいい」「二度と映画監督ができなくなるぞ」「爽やかな青春映画を作るイメージがあるのに、壊れてしまう」といろいろ言われた。「殺されるぞ」「東京湾に沈められるぞ」当時ならあり得ないことではない。原子力ムラからの巨大な圧力は政府やマスコミをも黙らせてしまう。でも、僕のモットーは「毎回、遺作」これで殺されてもいい。原発映画が遺作!最後の題材にふさわしい....。

映画製作がスタート。相変わらず批判する人もいたが、応援してくれる人も増えた。大企業は一切、支援してくれなかったので市民の寄付をお願いした。多くの人が賛同してくれて全額集まった。山本太郎さんも出演してくれた。だが、完成後も多難。多くの映画館が公開拒否。それを「原発映画だからじゃない。つまらない映画だから拒否だよ」と何度もツイートする人たちがいた。しかし、心ある映画館が手を上げてくれた。「うちでやりましょう!」その輪が広がり、全国27館になった。

今度は反原発を主張する年配の人たちが批判を始めた。「こんなことは全部知っている!」「不勉強だ!」「内部被曝を描いていない!」いい加減うんざり、推進派でなく反対派が攻撃して来た。それでも若い反対派の人たちが数多く応援。映画は全国でヒットした。世界6カ国で上映された。今「放射脳」とか「プロ市民」という人はいない。福島の事故がどれだけ酷いものであるか?を理解していない人も多いが、原発が危険であることは把握している。電気が足りていることも多くが知っている。「事故はすでに収束」と思っている人もいるが、原発事故はなかったことにはなっていない。

そんな戦いを超えて来て、今また、アメリカで大変なことが起こっていることに気づいた。今回、難しいのは原発事故の事実を気づき、反対した多くの著名人、文化人たちも気付いていないこと。そして前回以上にマスコミが報道しないこと。逆にフェイクニュースがバンバン流れて、多くが誘導されている。僕はジャーナリストではない。多くの人に真実を伝えなくては!という立場ではない。ただ、自分が疑問に思ったことを、イメージが悪くなる、誤解されるからと止められない。

疑問は解きたい。謎は解明したい。事実を確かめたい。それは原発事故の時と同じ。大統領選は流石に映画にはしないが、その裏にあるのは「戦争」。見過ごしてはいけない。日本は関係ないでは済まない展開もある。だから考え続ける。記事を書く。「やめた方がいい」「現実に気付け」「頭おかしい」という人もいるが、それは毎度のこと。どんな答えが出るにしても、全てを解明したい。「細かいことが気になる悪い癖」が今回も出てしまったようだ。

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