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真相に気づかない理由=異常だった社長事件。人は知らない事実があっても、狭い知識で判断、間違った結論を出す? [トランプ問題]

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ある仕事でかなり問題のある社長と出会った。最初は温厚で控え目。仕事熱心、情熱的なので評価していた。会社も順調のようで経済的にも裕福。しかし、慣れてくるとおかしな言動や行動が増えた。以前の発言を「そんなことを言った覚えはない」と言い、一度も言ったことがないことを「私は何度も伝えたはずだ」と言い出す。そのためにプロジェクトは混乱。そして、最初に決めたギャラを勝手に変更、本人に無断で値下げしたり、スタッフが立て替えた経費を払わなかったり。

最初は記憶障害か?健忘症?と思ったが、そうでないことが分かる。何度も確認し皆で決めたルールを破り、プロジェクトを別の方向に進め始めた。厳しく批判したら「私が決めたことです」と居直る。これは忘れたのではない記憶にあるのだ。権限もないのに1人で別の方向に転換。記憶障害ではない。

関係者の間で批判が高まる。暴君のような振る舞い。さらに問題は増える。社長の問題発言、暴走に対して質問を求めると、訊いていないことを延々と説明。「ごまかしはやめてください」と言うと「誤魔化してるのは、お前たちの方だ。私は誠実に説明している!」と激怒。さらに、お世話になった会社。多くの協力をした個人に対して、お礼も現状報告もしてないことが発覚。先方から「いい加減にしてくれ!今更代金払えとは言えないが、せめてお礼メールするのが礼儀だろ!」と怒鳴られる。社長に確認すると「おかしいですね。お礼は全員に伝えたし、報告は逐一しています。何かの勘違いじゃないですか?」と平然と言う。

「では、制作スタート、撮影前、撮影後、完成後、試写会時の全部で連絡しましたか?」と聞くと、コンマ1秒で「もちろんです!」と言う。社員に確認したがお礼連絡をした人は誰もいなかった。先方の窓口になっている人たちも、一度も連絡がなかったと口を揃える。社長は連絡したものと思い込んでいるが、実際はしていなかったのだ。しかし、連絡を忘れたので誤魔化したとかではないだろう。嘘を言う様子もなかった。完全に連絡したと言う態度。どういうことか?でも、その社長の行動で多くの問題が起り、プロジェクトは混乱した。


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社長と直接仕事をするスタッフは、彼が元凶であることを理解していたが、遠くにいる関係者から見ると「社長が問題」とは映らず「何か揉めているな?」と感じたと言う。原因を伝えても「どっちもどっち」と言われた。単なる行き違い。ボタンのかけ違いと思うようだ。

次第に社長は終電が過ぎてもスタッフを働かせる。なのにタクシー代を払わない。飯を出さなくなった(映画制作では両方ともに出すのが慣例)悪徳会社では似たよくある。スタッフは「2度とこの会社では仕事しない!」と思いながら投げ出すことなく、耐え仕事をした。が、社長はもともと悪徳ではない。何が彼を変えたのか?「猫を被っていたが本性を見せた」という人もいたが、そうは思えない。

こんな問題も起こった。スタッフは「最初に決めたギャラがもらえない。社長が勝手に値下げした」と怒る。が、遠くにいる関係者に社長は「決めた額を払ったのに、約束以上の額を要求する人がいて困っている」と嘆いていた。それを信じた関係者は社長に同情。約束額をもらえないスタッフに「因縁をつけるな!」「嘘を言って必要以上の金をせびるのか?」と攻撃した。

そのように遠くの関係者は社長を支持、庇う者。「どちらも問題」と中立を装う者。「何も知らないフリをする者」に分かれた。全ては社長が起こした事件。だが、一方で社長自身が何度も方針を変え経費も時間も無駄になったことで、会社は赤字になっていた。よくいる悪徳社長ではない。本人も大きな得がない。ただ、かき回しただけ。

あれこれ調べた。医療関係者から「社長は双極性障害だと思います」と指摘された。そ症状がまさにピタリだった。言ったことを言ってないと言う。言わないことを言ったと言う。聞かれたことに答えず延々と別の説明をする。皆だ決めたことを守れない。できもしないことに挑む。周りをかき回す。多くに嫌われる。つまり、障害によって自分ができないことができると錯覚。森羅万象なんで可能と思い込んでしまう。そのために騒動が起きる。他にも症状はあるが、社長の場合はそこが当てはまると言われた。


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ただ、患者の多くは日常生活は正常。医者でも診断が難しいと言う。周りから見ると情熱的で行動的な存在に映ったりする。が、周りの者、家族は振り回される。どう理屈で説明しても患者は理解せず暴走を続けるらしい。やはり悪徳社長ではなく、病気のためにおかしな行動をしていたのだ。ある意味で彼も可愛そうな人。悪意はない。が、彼の症状のために多くが傷つき、振り回された。遠くにいる関係者は、傷ついたスタッフを批判。約束のギャラを払わないことに同意した。

難しいのは多くの人が精神病、精神障害について情報を持たないと言うこと。だから「嫌な奴」と考える。距離を置く。遠くで見ていると「社長頑張っているのに、スタッフがダメで苦労している」と解釈する。あるいは「社長とスタッフは仲が悪い」と言う風に見る。病名を伝えても多くに精神病の知識がない。「そんな病気あるはずない」「社長は狂ってない。暴れたり叫んだりしない」「酷いことを言うな。差別だぞ」と事実が理解できない。

一つにはマスコミが絶対に精神病を扱わないことがある。がんや糖尿病は詳しく番組で解説するが、双極性障害や統合失調症を取り上げる情報番組はまずない。多くのは知る機会がなく、精神病というと「シャイニング」のJ・ニコルソンのような状態と思い込む。それを説明した者が「嫌な奴だからと、病気扱いするのは酷い!」「お前こそが病気じゃないのか?」と言われたりする。

「知らない事実」があると、どんな聡明な人でも、知識人でも、真相を把握できないと言うこと。この事件の鍵は「双極性障害」。それを多くのが知らないことで、関係者同士が社長派と批判派に分かれて争った。「病気」と言っても信じない。「それは陰謀論だ」というように、否定し、事実を伝える人をバッシングした。

僕が「大統領選に不正があったかも?」と思えたのは、そんな経験があったからだ。知らない事実。想像し難い背景がある時、人は自分の限られた知識だけで判断、その中にないものは「陰謀論」ー実際には存在しないことと考えがち。それを詳しく知ろうともしない「な、訳ないだろ?」で済ませてしまうのだ。そんなことを思い出す。


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