SSブログ

脚本の仕事をしていると、人の言葉が気になる=人の本心が見えてくることがある? [映画業界物語]


10614252_716399628434344_4341808076062053210_n.jpg

脚本の仕事をしていると、人の言葉が気になる=人の本心が見えてくることがある?

映画監督。脚本は脚本家に頼んで書いてもらうのが基本。でも、自身で書いてしまう人もいる。僕の場合がまさにそれ。誰とも共作しない。誰かに書いてもらったこともない。原作もない。全てオリジナルでシナリオを作る。

男性だけでなく、女性のセリフも自分で書く。若い人のセリフ。お年寄りのセリフ。だから、電車に乗るとそれらの人たちがどんな言い回しで、どんな風に、何を語るか? 注意して聞いてしまう。学生たちが話していると、近い席に座り、会話を聞く。女子高生のグループにそれをすると痴漢と間違われるので注意。

日頃からそんなことをしているので「言葉」が凄く気になる。そもそも言葉というのは「背景」がある。その言葉の背景を探ると、真意が見えてくる。例えば喫茶店で若いカップルが注文する。女性が「コーヒーがいいわ」というのと、「コーヒーでいいわ」というのはどう違うだろう?「が」と「で」の違いだが、これがずいぶん違う。

「コーヒーがいいわ」というのは、いろんな飲み物の中で「コーヒーが飲みたい」という意味だ。が、「コーヒーでいいわ」というのは、いろいろ解釈できる。「大したことない店だから、どの飲み物も大したことないはず。だから、無難なコーヒーでいいわ」という意味にも取れる。あるいは「彼氏は金ないから、高いもの頼んでも困らせるだけ。あとで愚痴聞くのも嫌だから、コーヒーでいいわ」という場合もあるだろう。

「が」と「で」だけで、その言葉を発した人の心理があれこれ想像できる。「直ちに健康被害はありません」という有名な言葉がある。あれも聞いたときは「放射能は出ていないのだ、健康被害が出る状態ではないんだ。あーよかった」と思えたが、よく考えると「直ちに」が付いている。つまり、「今は大丈夫だけど、あとは分からないよ」「あとで健康被害は出るかもしれないけど、今すぐに被害は出ないよ」と言っているだけなのだ。

言葉を巧み使い嘘は言っていないが、誤解を招き安心させるような言葉使い。そんな言い回しをする人は信頼しづらい。この枝野発言は有名だし、すでに多くの人が本当の意味に気づいている。が、脚本業をやっていると、言葉の裏側がとても気になる。杉下右京ではないが、細かいところが木になるのが私の悪い癖。ということが多い。

昔は友達に「お前、細かいんだよ」「どっちでもいいだろう!」「言葉のあやということもあるだろう」と言われたりしたが、言葉には無意識に本心が出るもの。「あれ?この人、言ってること変だな」とか思う。友人は「そうか? 別に普通の人だと思うけど」というが、大きなトラブルを起こしたりすることがある。そんな経験は多い。やはり言葉に本心が出てしまうのだ。また、そんな話を書かせてもらう。



m_12527945_1003590556381915_2074457293_n.jpg
nice!(2)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。